ラピュタ・アニメーション フェスティバル vol.2 2001
Laputa Animation Festival Bulletin

No.2 Aug 13,2001
 
待望のノルシュテインワークショップ始まる!!
 

 ボランティアスタッフによる、ノルシュテイン・ワークショップ第1日目のレポートをお届けします。

 あいにくの曇り空でしたが、いよいよフェスティバルのメインイベントの一つである、ユーリ・ノルシュテインさんのワークショップが始まりました。
 初日の今日は受講者の熱気あふれる中、ノルシュテイン講師は手慣れた手つきでハリネズミくんを描き、初心者にもわかりやすく物語の着想を説明しました。名作「霧の中のハリネズミ」を素材に、作品の着想から完成までを具体的に語りました。

 右図が、「ハムレット」を題材にした絵コンテです。ここで王冠をかぶっているのが叔父で、剣を刺しているのがハムレットです。また血の赤が目をひきます。
  キャラクター達を簡単な「形」で表しているのに、イメージがすごく伝わってきました。

 ノルシュテインさんは子供の頃から枯れ葉を観察するのが大好きな、かわいい人でした。だけどそこから「霧の中のハリネズミ」の話をふくらませていったと聞いて、すごいなあと感心しました。
 そして数々の質問にも、懇切丁寧に説明されました。自然と通訳の児島宏子さんも、身振り手振りの熱演になります。

 左図が「霧の中のハリネズミ」の最初の構成図です。谷になっているゾーンが霧の立ちこめた場所です。 右図は話がどんどんふくらんでいき、白馬や大木などが加わってきました。
 そして作品成立に重要な役目をはたす音楽についても、ノルシュテインさんみずからお歌いになられるほどの熱の入れようです。

 ワークショップ終了後、参加者の多くがザムザ阿佐ケ谷で片渕須直監督「アリーテ姫」公開記念トークショーを楽しみ、その後ノルシュテインさんを迎え懇親会を行いました。
 会場ではワークショップ参加者の製作した作品を作者紹介の後ビデオ上映しました。アマチュアらしい素朴な作品から、プロならではの凝った作品まで多数あり、上映後は製作方法について質問があったり、一人一人自己紹介をしていただき、車座になって語り合う、大盛会でした。
 右図は懇親会出席者による寄書きです。今回の参加者全てが絵をお描きになるわけではないのです。中には童話作家を目指している人もいます。この人はアニメーションに興味があるというよりは、ノルシュテインさんの作品のファンタジー世界へのあこがれから参加されたそうです。明日からも皆さんよろしくお願いします。

(ボランティアスタッフ/濱野・秋房・長澤・松山)