ラピュタ・アニメーション フェスティバル vol.2 2001
Laputa Animation Festival Bulletin

No.5 Aug 16,2001
 
とうとうワークショップも最終日!!
 

 ボランティアスタッフによるレポートです。今回は増量号でお送りします。

 12日からスタートしたワークショップも、ついに最終日をむかえてしまいました。今日は最初からたくさんの質問が飛び出し、4日間の総まとめといった内容でした。その中でもノルシュテイン講師自身がもっとも思い入れのある「話の話」について深いところまで掘り下げて語ってくださいました。
 この映画は、彼が最も優れた芸術だという詩の形式を用いて作られています。狼の子は自分の幼少時代の分身であり、狼の子がいる家は彼が幼い頃暮らしていたアパートの情景なのです。
 それらの記憶や想いが、ロシアの連歌のように現れては消えていきます。 そして「皆さんも自分の記憶や印象を大事にし、自分にとって本当に大切なモノをしっかりと抱えていてください」と激励を贈ってくださいました。

ノルシュテイン講師のコンテより

 最後になって突然ノルシュテイン講師は、バラバラのセルのパーツを机の上に広げました。そして「この混沌の中からハーモニーを作りましょう」と言って、バラバラのセルを組み立て始めました。するとそれは、20年来彼が作り続けているあの『外套』の主人公アカーキー・アカーケヴィッチだったのです。彼の手によって生命を吹き込まれたアカーキーは、それを作っているノルシュテインさん自身の姿と重なって見えました。
 そして『外套』が本当のハーモニーになる日を、世界中の人が祈っています。
 ユーリ・ノルシュテイン講師、通訳の児島宏子さん、4日間本当にどうもありがとうございました。 スパスィーバ!


受講者・長澤さんのノートより
 
そしてワークショップの打ち上げパーティー開催!(山猫軒にて)
 ワークショップが終わってノルシュテイン講師を囲んでの懇親会が行われました。レストラン山猫軒のおいしい料理を食べながら、まずは受講生一人一人がスピーチをしました。受講生にとって仲間やノルシュテインさんと過ごした4日間は、本当にあっという間で、子供の頃のような充実した夏になったようでした。
 そうこうしているうちに、司会の片山雅博画伯の愉快なトークとともに、ノルシュテインさんが両腕を高く振り上げながらプロレスラーのように登場しました。みんなに拍手で迎えられたノルシュテインさんは、「私の子供達がまた増えてしまった。私の子供達は世界中にいます。そして思わぬ場所で再会してビックリすることがある。地球は狭いです。」とおっしゃり、自分の子供達との最後のひとときを楽しく過ごしました。
 そしてサヨナラとは言わず、また会う日までと言って会場を後にしました。今回のワークショップは前年度のモノよりとても充実した濃い内容で、アニメーションを作っている人も、これから作るという人も、すごいエネルギーを得たのではないでしょうか。
 以上で今回のワークショップのレポートも終わり、残すところはユーリーノルシュテイン大賞のコンペディションのみとなりました。そちらも乞う御期待!!

皆さん一人一人が自分の道を見つけられるように願っています。
2001.8.14
ユーリ・ノルシュテイン
(ボランティアスタッフ/濱野・秋房・長澤・松山)