2001年 5月26日(土)〜8月4日(土)/ 8月21日(火)〜9月8日(土)







スケジュールアンコール上映スケジュール作品解説










※上記2本の上映用ポジフィルム作成は
 ラピュタ阿佐ヶ谷完全負担によるものです。


    <イベント>


    6月8日(金) 開映 5:15
    ラピュタがよみがえらせた
    「はたらく一家」+『対談』


    スザンネ・シェアマン
    (「成瀬巳喜男 -日常のきらめき-」
     キネマ旬報社刊 著者)
    × 川本三郎
    (映画評論家)

    劇場版として35ミリニュープリント「はたらく一家」の上映と成瀬監督の描いた世界をひもとく見逃せない対談の2本立て。「対談」は6:30頃より開演を予定しております。

    ○チケット(整理番号付き)
    5/26 1:15より発売いたします。
    一般・学生1000円/シニア900円/会員800円

    フリーパスご利用の皆様へ:フリーパス券でのご入場には整理券番号が必要となります。 尚、発行日時は上記と同様です。



    6月30日(土)開映 4:10
    「女の中にいる他人」+『トークイベント』

    ゲスト 金子正且
    (「妻の心」「女の歴史」「女の中にいる他人」
    「乱れ雲」プロデューサー)

    ※6/30 4:10「女の中にいる他人」の入場者を対象として行います。
     「トークイベント」は6:00頃より開演を予定しております。

     尚、その後の番組「妻よ薔薇のやうに」を6:55より、
     「乙女ごころ三人姉妹」を8:20よりとさせて頂きます。


    ※敬省略







成瀬巳喜男―日常のきらめき― より

多彩なジャンルを手がけた成瀬の興味は、本当のところ市井の人々と彼らの日常生活にあり、この領域に属する題材が与えられた時に、彼の代表作が生まれた。劇的な場面を省略する一方ユーモラスな要素が挿入され、常にややメランコリックな雰囲気が漂った。成瀬は映画に深い関心を抱き、初期には様々な技法を試み徐々にそれを洗練して行き、1950年代には基本的な技法を徹底させた…
スザンネ・シェアマン


※日本在住の新進気鋭のオーストラリア人女性映画研究家 スザンネ・シェアマンによる、成瀬全作品を連続ショットをふんだんに駆使し徹底研究した著作「成瀬巳喜男―日常のきらめき―」(キネマ旬報社 A5判 並製 2800円+税)は、成瀬特集上映期間中1Fロビーにて販売いたしております。どうぞお買い求め下さい。




 東宝に入って初めてついた監督さん。丁度「芝居道」を撮ってられて。成瀬さんは戦争物はなんか肌が合わなかったらしい。戦後は「めし」と「浮雲」についていました。成瀬さんから声かけてもらって、喜び勇んで「浮雲」でチーフについた。成瀬さんみたいな人でもかなり冒険やるんで、僕はこれ一本だけのお付き合いだったけど、勉強になった。わりと、さり気なく冒険をやる人だった。  クランクアップのときに、「喜八っちゃん、おかげでいいのができたよ。ありがとう」なんて、そんなこと言ってくれる監督は初めてだった。「浮雲」ってのは、僕は本当に助監督でよかったと思える作品なんです。いい仕事は、あんまり出会えるもんじゃない、助手ですから。でもやっぱり助監督についてよかったなぁ、ってのは成瀬さんの一本。

シネアストは語る-3 岡本喜八 名古屋シネマテーク叢書 1991年 風琳堂より抜粋






上映スケジュール

※各回定員入れ替え制
 午後1時15分より当日の全回分の整理券を発行致します。
 定員になりしだい締め切らせて頂きます。御注意ください。


  14:15 16:10 18:05 20:00
5/26(土)-29(火) 妻よ薔薇のやうに 乙女ごころ三人姉妹 歌 行 燈 旅 役 者
30(水)-6/2(土) 旅 役 者 歌 行 燈 石中先生行状記 秀子の車掌さん
6/3(日)-5(火) 秀子の車掌さん 石中先生行状記 めし 芝居道
6(水)-9(土) 芝居道 めし おかあさん はたらく一家
10(日)-12(火) おかあさん はたらく一家 夫婦 お国と五平
13(水)-16(土) お国と五平 夫婦 山の音
17(日)-19(火) 山の音 晩菊 妻の心
20(水)-23(土) 晩菊 妻の心 秋立ちぬ 妻として女として
24(日)-26(火) 妻として女として 秋立ちぬ 女の中にいる他人 ひき逃げ
27(水)-30(土) ひき逃げ 女の中にいる他人 妻よ薔薇のやうに 乙女ごころ三人姉妹
 
  14:15 16:45 19:15  
7/1(日)-3(火) 浮雲 杏っ子 くちづけ
4(水)-7(土) くちづけ あらくれ 浮雲
8(日)-10(火) 流れる 女の座 コタンの口笛
11(水)-14(土) 乱れる コタンの口笛 流れる
15(日)-17(火) 放浪記 夜の流れ 乱れる
18(水)-21(土) 乱れ雲 女の歴史 放浪記
 
  14:15 16:10 18:05 20:00
22(日)-24(火) 杏っ子 舞姫 芝居道 乱れ雲
25(水)-28(土) 舞姫 お国と五平 はたらく一家
29(日)-31(火) 乙女ごころ三人姉妹 はたらく一家 旅 役 者 鰯雲
8/1(水)-4(土) 秀子の車掌さん 妻の心 夫婦 乙女ごころ三人姉妹




アンコール上映スケジュール

※各回定員入れ替え制
 午前10時15分より当日全回分の入場券(整理番号付)を発売致します。
 定員50名になりしだい締め切らせて頂きます。御注意ください。
 10回券、5回券の残券をお持ちの方は御使用頂けます。
 「腰弁頑張れ」「君と別れて」「夜ごとの夢」はサイレント作品となります。


  10:45 13:00 15:10 17:25
8/21(火)-23(木) 娘・妻・母 めし 君と別れて 腰弁頑張れ
24(金)-23(日) 浮雲 君と別れて あにいもうと はたらく一家
27(月)-29(水) あにいもうと はたらく一家 あらくれ 乙女ごころ三人姉妹
30(木)-9/1(土) おかあさあん 乙女ごころ三人姉妹 鶴八鶴次郎 夜ごとの夢
2(日)-4(火) 鶴八鶴次郎 夜ごとの夢 驟雨 稲妻
5(水)-8(土) 稲妻 驟雨 妻として女として 女が階段を上る時




作品解説


乙女ごころ三人姉妹
1935年 3月1日公開 75分 P.C.L 完全ニュープリント
原作:川端康成「浅草の姉妹」 脚色:成瀬巳喜男 撮影:鈴木博
美術:久保一雄 音楽:紙恭輔 録音:杉井幸一 編集:岩下公一
出演:おれん/細川ちか子 お染/堤 真佐子 千枝子/梅園龍子 母親/林千歳 お春/松本千里 青山/大川平八郎

1905年 成瀬巳喜男 東京四谷に生まれる。1920年 松竹蒲田撮影所の小道具係として入社。1922年 池田義信監督の元で助監のような働きをする。1929年「チャンバラ夫婦」で監督昇進。松竹のサイレント時代は地位的に監督の末席に位置していた。 その後、P.C.Lからの引き抜きの話が出て、新天地P.C.Lへ1939年移籍後の初作品トーキー第一作。歓楽街浅草六区、厳しい母親と門付けしている娘のお染と長女 おれん、末妹千枝子そして養女達の悲哀を描いた作品。


妻よ薔薇のやうに
1935年 8月15日公開 74分 P.C.L
原作:中野実「二人妻」第一部 脚色:成瀬巳喜男 撮影:鈴木博
美術:久保一雄 音楽:伊藤昇 録音:杉井幸一 編集:岩下広一
出演:君子/千葉早智子 俊作/丸山定夫 お雪/英百合子 悦子/伊藤智子 静子/堀越節子  新吾/藤原釜足 新吾の妻/細川ちか子 精二/大川平八郎 堅一/伊藤薫

夫、本妻、妾の葛藤を娘の目をとおして描く家族劇。本妻 君子を演じている千葉早智子は後に成瀬巳喜男夫人となる。トーキー映画の最高到達点と評され、キネマ旬報ベストワンとなる。


はたらく一家
1939年 3月11日公開 65分 東宝 完全ニュープリント
製作:武山政信 原作:徳永直 脚色:成瀬巳喜男 撮影:鈴木博
美術:松山崇 音楽:太田忠 録音:下永尚 編集:岩下広一
照明:岸田九一郎
出演:職工・石村/徳川夢声 女房・ツエ/本間教子 長男・希一/生方明  次男・源二/伊東薫 三男・昇/南青吉 四男・栄作/平田武  五男・幸吉/阪東精一郎 長女・ヒデ/若葉喜世子

職工石村は妻、老夫婦の他に7人の子供をかかえて、貧困な暮らしをしている。子供たちは小学校を卒業した後、すぐに働きに出るものが多かったが、長男と四男は上の学校に進みたいと自分の考えを親に訴える。そんな余裕の無い石村は思い悩むのであった。働けど働けど我が暮らし楽にならざる。 成瀬の多くの作品にみられる貧困な家族の話だが働く場面が出て来ないのが特徴。プロレタリア文学作家徳永直の同名小説を成瀬自身が脚色したもの。成瀬はこの作品を良く撮れた好きな作品と自評している。


旅役者
1940年 12月18日公開 70分 東宝
製作:氷室徹平 原作:宇井無愁「馬の脚」 脚色:成瀬巳喜男
撮影:木塚誠一 美術:阿部輝明 照明:佐藤快哉 録音:長谷部慶次
音楽:早坂文雄
出演:俵六/藤原鶏太 仙平/柳谷寛 菊五郎/高勢実乗 七右衛門/清川荘司 床甚/中村是好 お光/清川虹子

旅の一座の馬の役をやる俵太と仙平。興業師と町の顔役とのいざこざから馬の頭をこわされて、舞台に本当の馬が出る。これが何と大当り。俵六と仙平はいかに。 当局からのお達しで藤原釜足は鶏太と名乗っている。


秀子の車掌さん
1941年 9月17日公開  54分 南旺映画+東宝
製作:藤本真澄 原作:井伏鱒二「おこまさん」 脚色:成瀬巳喜男
撮影:東 健 美術:小池一美 照明:服部脩 録音:橋木要
音楽:飯田信夫 演出助手:丸山仁
出演:おこまさん/高峰秀子 園田/藤原鶏太 井川/夏川大二郎 下宿のおばさん/清川玉枝 社長/勝見庸太郎 おこまの母/馬野都留子

天才少女スター“デコちゃん”の成瀬作品第1回出演作。後に多くの作品でコンビを組む。また、同様に、松竹時代からの友人である藤本真澄とも初仕事となる。 オンボロバス会社をたて直そうとする車掌さんと運転手の奮闘記。


歌行燈
1943年 2月11日公開 93分 東宝
製作:伊藤基彦 原作:泉鏡花 脚色:久保田万太郎 撮影:中井朝一
美術:平川透徹 照明:岸田九一郎 調音:道源勇二 音楽:深井史郎
編集:長沢嘉樹 時代考証:木村荘八 演出助手:古賀稔
出演:喜多八/花柳章太郎 次郎蔵/柳永二郎 源三郎/大矢市次郎 辺見雪叟/伊志井寛 お袖/山田五十鈴 源市/瀬戸英一

1939年結成された新生新派の団員が多く出演している芸道もの。父の戒めを破り勘当される喜多八が門付けとなって流れる先で故ある娘、お袖と出会い舞を伝授する。その松林のシーンが美しい。


芝居道
1944年 5月11日公開 83分 東宝
製作:清川峰輔 原作:長谷川幸延 脚色:八住利雄 撮影:小倉金弥
美術:中古智 照明:平岡岩治 音楽:清瀬保二 録音:岡崎三千雄
出演:大和屋栄吉/古川緑波 中村新蔵/長谷川一夫 嵐扇十郎/進藤英太郎 信濃屋善五郎/志村喬 花龍/山田五十鈴 お絹/花井蘭子

国家総動員体制という時局の中で撮られた4作品目の芸道もの。大阪で役者をしている新蔵は、連日の大入りに慢心し東京に出ていくが自分の未熟さに気付き、芸道に精進し一人前になってふたたび大阪へもどる。中古智のセットに驚かされる。


石中先生行状記
1950年 1月23日公開 93分 新東宝
製作:藤本真澄 原作:石坂洋次郎 脚色:八木隆一郎 撮影:鈴木博
照明:平岡岩治 録音:片岡造 美術:中古智 音楽:服部正
編集:長田信 
助監督:川西正義 
製作主任:河崎新太郎
出演:石中先生/宮田重雄 中村金一郎/渡辺篤
   第一話「隠退蔵物資の巻」
   河合勇三/堀雄二 山崎/進藤英太郎 モヨ子/木匠久美子
   第二話「仲たがいの巻」
   武造/藤原釜足 友子/出雲八重子 まり子/杉葉子 秀一/池部良
   第三話「干草ぐるまの巻」
   貞作/三船敏郎 貞作の父/小島洋々 貞作の母/飯田蝶子
   貞作の弟/水谷史郎 木村ヨシ子/若山セツ子

前年大ヒットした「青い山脈」の原作者、石坂洋次郎の短編三作の映画化。田舎町でおこる三つの恋愛劇。


舞姫
1951年 8月17日公開 85分 東宝 16ミリ
製作:児井英生 原作:川端康成 脚色:新藤兼人 撮影:中井朝一
美術:中古智 音楽:斎藤一郎 
出演:元男/山村聡 波子/高峰三枝子 高男/片山明彦 品子/岡田茉莉子 竹原/二本柳寛 野津/木村功 沼田/見明凡太朗 友子/大谷伶子 満江/沢村貞子

夫と妻の間にある負い目と深い溝。相方に加担する子供(兄妹)たち。この冷えきった家庭がばらばらになるのか。 サイレント時代からの大スター岡田時彦の娘、岡田茉莉子(本名・田中鞠子)がバレリーナ昌子役に抜擢され、デビューをはたす。


めし
1951年 11月23日公開 97分 東宝 キネ旬ベストテン第2位
製作:藤本真澄 原作:林芙美子 監修 川端康成
脚色:井手俊郎  田中澄江 撮影:玉井正夫 美術:中古智
録音:藤好昌生 照明:西川鶴三 音楽:早坂文雄 監督助手:川西正義 
製作主任:石橋嘉博
出演:初之輔/上原謙 三千代/原節子 里子/島崎雪子 光子/杉葉子 まつ/杉村春子 小芳/花井蘭子 一夫/二本柳寛 信三/小林桂樹 芳太郎/大泉滉 治平/田中春男 隆一郎/山村聡 けい子/中北千枝子

周りの反対を押しきって結婚した初之輔と三千代におとずれる倦怠期。三千代は実家に帰り、女一人で働こうとするが、そのきびしさに当惑する。やがて夫がそばにいるという安堵感に安らぎと幸福をみいだす。 初の林芙美子原作作品。林芙美子が亡くなり未完成となった小説の映画化。


お国と五平
1952年 4月10日公開 91分 東宝
製作:清川峰輔 宮城鎮治 原作:谷崎潤一郎 脚色:八住利雄
撮影:山田一夫 美術:中古智 照明:岸田九一郎
録音:三上長七郎 音楽:清瀬保二
出演:お国/木暮実千代 五平/大谷友右衛門 友之丞/山村聡 お国の夫・伊織/田崎潤 お国の母/三好栄子 薬売り/柳谷寛 医者/藤原釜足 女中/音羽久米子

お国と友之丞、いっとき契りを交わした仲なれど、お国は彼の怠惰な生活にあいそをつかし伊織と結ばれる。これを恨んだ友之丞が伊織を討ち出奔する。お国と家来 五平はこれを追って仇討ちの旅に出る。 成瀬、時代劇二本目にして最後の時代劇となる。


おかあさん
1952年 6月12日公開 98分 新東宝 キネ旬ベストテン第7位
製作:永島一朗 脚本:水木洋子 撮影:鈴木博 照明:佐藤快哉
美術:加藤雅俊 録音:中井喜八郎 音楽:斎藤一郎 編集:笠間秀敏
助監督:石井輝男
出演:福原正子/田中絹代 年子/香川京子 良作/三島雅夫 正子の妹/中北千枝子 久子/榎並啓子 進/片山明彦 信二郎/岡田英次 庄吉/加東大介 良作の弟/鳥羽陽之助

家族のために献身的につくす母ものの典型か。この作品は観る者に必ずや、田中絹代演ずる母親 正子を応援したくなる気持ちを持たせ、又、自分の母親を思い出させるであろう。脚本家 水木洋子と初のコンビ作。


夫婦
1953年 1月22日公開 86分 東宝
製作:藤本真澄 脚本:水木洋子 井手俊郎 撮影:中井朝一
美術:松山崇 音楽:斎藤一郎 録音:下永尚 照明:石井長四郎
編集:笠間秀敏 監督助手:川西正義 製作担当:森本朴
出演:中原伊作/上原謙 妻・菊子/杉葉子 武村良太/三国連太郎 早川茂吉/小林桂樹 父・直吉/藤原釜足 母・たか/滝花久子 妹・久美/岡田茉莉子 三島波子/豊島美智子

やもめ暮らしの武村の家に、伊作と菊子夫婦が間借りすることになる。菊子は武村の暮らしぶりを見るにみかねてあれやこれやと世話をする。二人に嫉妬を覚える伊作。 原節子出演の予定が病気の為にかなわず、代役に成瀬が杉葉子を推薦し、シナリオを書き換えた逸話が残っている。


1953年 4月29日公開 96分 東宝
製作:藤本真澄 原作: 林芙美子「茶色の眼」 脚色:井手俊郎
撮影:玉井正夫 美術:中古智 録音:三上長七郎 照明:森 茂
音楽:斎藤一郎 編集:大井英史 監督助手:川西正義  製作担当:真木照夫
出演:中川十一/上原謙 妻・美種子/高峰三枝子 相良房子/丹阿弥谷津子 桜井節子/高杉早苗 松山栄子/中北千枝子 夫・浩久/伊豆肇 新村良美/新珠三千代 谷村忠/三国連太郎

家事もおろそかな妻 美種子にいや気がさしている夫十一。二人の仲は冷えきっていた。そんな時、十一は同じ会社の相良房子と親密な関係になる。それを知った美種子は妻の立場を守るため、房子に夫と別れてくれと頼む。 高峰三枝子が悪妻という役を見事に演じている。


山の音
1954年 1月15日公開 94分 東宝 キネ旬ベストテン第6位
製作:藤本真澄 原作:川端康成 脚色:水木洋子 撮影:玉井正夫
美術:中古智 録音:下永尚 照明:石井長四郎 音楽:斎藤一郎
編集:大井英史 監督助手:筧正典 製作担当:馬場和夫
出演:尾形菊子/原節子 夫・修一/上原謙 尾形信吾/山村聡 妻・保子/長岡輝子 谷崎英子/杉葉子 相原房子/中北千枝子 相原の夫/金子信雄 池田/丹阿弥谷津子 絹子/角梨枝子

菊子と修一夫婦には子どもも無く、修一は他に女をつくって酔って遅く帰る日々が続く。じっと耐える菊子。そんな菊子が可哀想でならない舅。信吾は修一の女、絹子に会いに行く。
原節子が夫を拒絶する時の表情に、演技の冴えが見える。


晩菊
1954年 6月22日公開 101分 東宝 キネ旬ベストテン第7位
製作:藤本真澄 原作:林芙美子 脚色:田中澄江 井手俊郎
撮影:玉井正夫 美術:中古智 録音:下永尚 照明:石井長四郎
音楽:斎藤一郎 編集:大井英史 監督助手:川西正義
製作担当:真木照夫
出演:倉橋きん/杉村春子 中田のぶ/沢村貞子 小池たまえ/細川ちか子 鈴木とみ/望月優子 田部/上原謙 小池清/小泉博 鈴木幸子/有馬稲子 板谷/加東大介 関/見明凡太朗 静子/鏑木ハルナ

きんは元芸者で、今は昔の芸者仲間に金を貸したり、不動産ブローカーと手を組んで金儲けにいそしむ毎日である。もう、まるで守銭奴のように周りから見られている。そんなある日、昔の恋人田部が訊ねて来る。 鏑木 ハルナが実に初々しくかわいい聾唖の女中役を演じていて、きんとは対称的である。


浮雲
1955年 1月15日公開 123分 東宝 キネ旬ベストテン第1位
製作:藤本真澄 原作:林芙美子 脚色:水木洋子 撮影:玉井正夫
美術:中古智 録音:下永尚 照明:石井長四郎 音楽:斎藤一郎
編集:大井英史 監督助手:岡本喜八 製作担当:板谷良一
出演:幸田ゆき子/高峰秀子 富岡謙吉/森雅之 妻・邦子/中北千枝子 おせい/岡田茉莉子 伊庭杉夫/山形勲 向井清吉/加東大介

南方は仏印で知り合ったゆき子と謙吉。ゆき子は初め、いけ好かない男と思っていたが、いやよいやよも好きのうち。お互いはいつしひかれるようになっていた。戦争も終わり、日本に帰ったゆき子はたよる所も無く、謙吉の家を訪ねるのであった。そうして、たくましく生きているかの様に見えるが、内面はもろい女と優柔不断な男との道行きが始まるのであった。


くちづけ
1955年 9月21日公開 115分 東宝
製作:藤本真澄 成瀬巳喜男 原作:石坂洋次郎 脚色:松山善三
撮影:山崎一雄 美術:中古智 録音:下永尚 照明:大沼正喜
音楽:斎藤一郎

「第一話―くちづけ」 監督:筧正典
出演:夏目くみ子/青山京子 河原建二/太刀川洋一 伯父/十朱久雄 くみ子の義姉・倫子/杉葉子 くみ子の母/滝花久子 長谷川教授/笠智衆

「第二話―霧の中の少女」 監督:鈴木英夫
出演:金井由子/司葉子 妹・妙子/中原ひとみ 弟・信次/伊東隆 祖母/飯田蝶子 父/藤原釜足 母/清川虹子

「第三話―女同士」 監督:成瀬巳喜男
出演:金田 育三/上原謙 妻・朋子/高峰秀子 竹谷キヨ子/中村メイ子 清吉/小林桂樹  朋子の兄/伊豆肇 母/長岡輝子

石坂洋次郎の短編三話のオムニバス映画。


妻の心
1956年 5月3日 98分 東宝
製作:藤本真澄 金子正且 脚本:井手俊郎 撮影:玉井正夫
美術:中古智 照明:石井長四郎 録音:藤好昌生 音楽:斎藤一郎
出演:富田喜代子/高峰秀子 夫・信二/小林桂樹 信二の兄・善一/千秋実 妻・かほる/中北千枝子 母・こう/三好栄子 信二の妹・澄子/根岸明美 赤城屋主人/田中春男 妻・定子/花井蘭子 竹村弓子/杉葉子  兄・健吉/三船敏郎

富田屋栄竜堂薬舗をきりもりする信二は妻 喜代子と店を半分喫茶店にしようと計画する。反対する母。その計画を現実のものにしようと友人の兄の銀行員 健吉に融資を頼む。 井手俊郎のオリジナル脚本。大家族劇。


流れる
1956年 11月20日公開 116分 東宝 キネ旬ベストテン第8位
製作:藤本真澄 原作:幸田文 脚色:田中澄江 井手俊郎
撮影:玉井正夫 美術:中古智 録音:三上長七郎 照明:石井長四郎
音楽:斎藤一郎 編集:大井英史 監督助手:川西正義 製作担当:島田武治
出演:つた奴/山田五十鈴 娘・勝代/高峰秀子 つた屋の女中/田中絹代 なな子/岡田茉莉子 染香/杉村春子 お浜/栗島すみ子 米子/中北千枝子 おとよ/賀原夏子 高木/加東大介 医者/中村伸郎

芸者置屋つた屋の経営は傾きかけている。借金のかたに家も抵当に入っている状態。窮状を救おうと、おとよは旦那を紹介するが、つた奴はこれをことわる。とうとう置屋はお浜に譲られる。 引退していた栗島すみ子が特別出演している。


あらくれ
1957年 5月28日公開 120分 東宝
製作:田中友幸 原作:徳田秋声 脚色:水木洋子 撮影:玉井正夫
美術:河東安英 録音:三上長七郎 照明:岸田九一郎 音楽:斎藤一郎
編集:大井英史 風俗考証 木村荘八 監督助手:川西正義
出演:お島/高峰秀子 鶴さん/上原謙 浜屋/森雅之 小野田/加東大介 木村/仲代達矢 お島の父/東野英治郎 母/岸輝子 兄/宮口精二 おすず/中北千枝子 喜助/坂本武 おとら/本間文子 房吉/田中春男

とても気の強いお島は親の勧める結婚をやめ、式の当日東京へ逃げ出す。後妻になるが喧嘩別れ。浜屋といい仲になるがこれも別れ、今度は小野田と一緒になり店を持つがつぶれてしまう。最後には、男など頼りにせず自分で道をきりひらく。


鰯雲
1958年 9月2日公開 129分 東宝 カラー ワイド
製作:藤本真澄 三輪礼二 原作:和田伝 脚色:橋本忍
撮影:玉井正夫 美術:中古智 団 真 録音:藤好昌生 宮崎正信
照明:石井長四郎 音楽:斎藤一郎 編集:大井英史 監督助手:須川栄三
製作担当:島田武治
出演:八重/淡島千景 姑・ヒデ/飯田蝶子 千枝/新珠三千代 みち子/司葉子 大川/木村功 和助/中村鴈治郎 初治/小林桂樹 役場の助役/加東大介 みち子の継母/杉村春子 和助の後妻/清川虹子 浜子/水野久美

戦争で夫をなくした八重は、姑と一人息子の正と共に都会に近い農家で暮らしている。そこへ、新聞記者の大川が取材に来て八重と恋仲になるが、大川には妻子がある。 カラーワイド画面は初めてだが、成瀬は両方とも好きではなかったらしい。


杏っ子
1958年 5月13日公開 109分 東宝
製作:田中友幸 原作:室生犀星 脚色:田中澄江 成瀬巳喜男
撮影:玉井正夫 美術:中古智 照明:石井長四郎
録音:藤好昌生 宮崎正信 音楽:斎藤一郎 編集:大井英史
監督助手:川西正純(正義) 製作担当:島田武治
出演:平山平四郎/山村聡 娘・杏子/香川京子 りえ子/夏川静江 息子・平之助/太刀川洋一 漆山亮吉/木村功 すみ子/中北千枝子 岡田/藤木悠 伊島/土屋嘉男 八木原/中村伸郎 りさ子/三井美奈

平四郎は著名な作家。その娘 杏子は作家志望の亮吉と結婚する。亮吉は作品を出版社に持ち込んでも不評を得る。己の才能の無さと舅の差にジレンマし、酒におぼれ職も転々とする有り様。杏子はそんな夫をなじるが、やはり別れられない。
平四郎は室生犀星がモデルである。


コタンの口笛
1959年 3月29日公開 126分 東宝 カラー ワイド
製作:田中友幸 原作:石森延男 脚色:橋本忍 撮影:玉井正夫
美術:中古智 録音:藤好昌生 下永尚 照明:石井長四郎
音楽:伊福部昭 編集:大井英史 監督助手:梶田興治 製作担当:真木照夫 
出演: 畑中イヨン/森雅之 ユタカ/久保賢 マサ/幸田良子 谷口/宝田明 田沢清/久保明 イカンテ/三好栄子 フエ/水野久美 田沢校長/志村喬 金二/山茶花究 ワカルパ/田島義文 中西/土屋嘉男 フィリップ/左ト全

コタンという名のアイヌ人部落でイヨン、ユタカ、マサ、は暮らしている。アイヌ人はなぜか差別されていて、イヨンのとなりに住んでいるフエはそのために結婚できない。 数少ないアイヌの差別問題を扱った作品。


夜の流れ
1960年 7月21日公開 111分 東宝 カラー ワイド
製作:藤本真澄 成瀬巳喜男 共同監督 川島雄三
脚本:井手俊郎 松山善三 撮影:安本淳 飯村正
美術:松山崇 北辰雄 録音:藤好昌生 保坂有明 下永尚
照明:石井長四郎 高島利雄 音楽:斎藤一郎 編集:大井英史
監督助手:野長瀬三摩地 製作担当:菅英久
出演:藤村美也子/司葉子 綾/山田五十鈴 滝口速太/宝田明 五十嵐力/三橋達也 園田忍/白川由美 金太郎/水谷良重 一花/草笛光子 七福の女将/三益愛子 あけみ/星由里子

東京の下町の料亭「藤むら」の娘 美也子は板前の五十嵐のことを愛している。しかし、五十嵐は美也子の母 綾と深い関係にある。それを知った美也子は芸者になる決意をする。
撮影日数が短かったため、成瀬が川島に声をかけ共同監督した作品。


秋立ちぬ
1960年 10月1日公開 79分 東宝 白黒 ワイド
製作:成瀬巳喜男 脚本:笠原良三 撮影:安本淳 美術:北辰雄
録音:斎藤昭 下永尚 照明:隠田紀一 音楽:斎藤一郎 編集:大井英史
監督助手:野長瀬三摩地 製作担当:喜多村俊男
出演:深谷茂子/乙羽信子 山田昭太郎/夏木陽介 春江/原知佐子 富岡/加東大介 浅尾/河津清三郎 英男/大沢健三郎 山田常吉/藤原釜足 さかえ/賀原夏子 三島順子/一木双葉 小母さん/菅井きん 直代/藤間紫 女給/園田あゆみ

父を亡くした秀男は母と共に信州から上京した。秀男は八百屋を営む叔父 常吉の家にあずけられ、母は旅館の女中として住み込む。都会の生活になじめない秀男は旅館の娘 順子と仲良くなる。 成瀬初単独プロデュース作品。


妻として女として
1961年 5月30日公開 106分 東宝 カラー ワイド
製作:藤本真澄 菅英久 脚本:井手俊郎 松山善三 撮影:安本淳
美術:中古智 録音:藤好昌生 照明:石井長四郎 音楽:斎藤一郎
編集:大井英史 監督助手:川西正純 製作担当:井上卓之
出演:西垣三保/高峰秀子 河野綾子/淡島千景 圭次郎/森雅之 弘子/星由里子 南/仲代達矢 ルリ子/水野久美 福子/淡路恵子 志野/飯田蝶子 花枝/丹阿弥谷津子 古谷淑子/中北千枝子 京子/藤間紫 楠原/十朱久雄

圭次郎と綾子は結婚して久しいが、圭次郎には二十年以上関係が続いている愛人 三保がいる。綾子が育てている兄妹も実は三保の子供であった。ある日、圭次郎がふと、取った態度に別れを感じる。三保は綾子に会って手切金の話をする。


女の座
1962年 1月14日公開 111分 東宝 白黒 ワイド
製作:藤本真澄 菅英久 脚本:井手俊郎 松山善三 撮影:安本淳
美術:中古智 録音:藤縄正一 照明:石井長四郎 音楽:斎藤一郎
整音:下永尚 編集:大井英史 監督助手:川西正純 製作担当:井上卓之
出演: 石川金次郎/笠智衆 芳子/高峰秀子 長女・松代/三益愛子 次女・梅子/草笛光子 三女・路子/淡路恵子 四女・夏子/司葉子 五女・雪子/星由里子 石川家の後妻・あき/杉村春子 松代の娘・靖子/北あけみ 路子の夫・正明/三橋達也 次男・次郎/小林桂樹

石川家は長男の未亡人 芳子を含み七人暮らしの大家族である。ある日、家長の金次郎が突然倒れ危篤状態となる。長女、次男、三女が実家に帰ってくる。金次郎は一命を取りとめたが、石川家の中に遺産相続の話が持ち上がる。


放浪記
1962年 9月29日公開 123分 東宝 白黒 ワイド
製作:藤本真澄 成瀬巳喜男 寺本忠弘 原作:林芙美子
脚色:井手俊郎  田中澄江 撮影:安本淳 美術:中古智
録音:中川浩一  照明:石井長四郎 音楽:古関裕而 整音:下永尚
編集:大井英史  監督助手:川西正純 製作担当:沖原俊哉
出演:林ふみ子/高峰秀子 母・きし/田中絹代 福地/宝田 明 安岡/加東大介 藤山/小林桂樹 日夏京子/草笛光子 伊達/仲谷昇 白坂/伊藤雄之助 田村/多々良純 ふみ子の父/織田政雄 上野山/加藤武 やす子/文野朋子

ふみ子は母 きしと行商をして暮らす日々を過ごしていた。やがて、住み込みでカフェーの女給となる。ふみ子が新聞に投稿した詩を読んで「太平洋詩人」の同人、福地らが彼女を誘いにやってくる。 舞台脚本菊田版を下敷きに脚色されたもの。


女の歴史
1963年 11月16日公開 126分 東宝 白黒 ワイド
製作:藤本真澄 金子正且 脚本:笠原良三 撮影:安本淳
美術:中古智 録音:藤好昌生 照明:石井長四郎 音楽:斎藤一郎
整音:下永尚 編集:大井英史 監督助手:川西正純 製作担当:黒田達雄
出演:清水信子/高峰秀子 夫・幸一/宝田明 息子・功平/山崎努 富永みどり/星由里子 幸一の母/賀原夏子 秋本隆/仲代達矢 三沢玉枝/淡路恵子 木下静代/草笛光子 飛田/加東大介 増田兼吉/藤原釜足 礼一の妻・星子/中北千枝子

清水信子は義母と一人息子 功平との三人暮らしである。舅は芸者と心中し、浮気ものの夫は出征するとあえなく戦死してしまう。セールスマンをしている息子 功平がキャバレー勤めの女と結婚したいと言い出す。 一人の女性の生涯を回想を多用して描いている。


乱れる
1964年 1月15日公開 98分 東宝 白黒 ワイド
製作:藤本真澄 成瀬巳喜男 脚本:松山善三 撮影:安本淳
美術:中古智 録音:藤好昌生 照明:石井長四郎 音楽:斎藤一郎
整音:下永尚 編集:大井英史 監督助手:川西正純 製作担当:黒田達雄
出演:森田礼子/高峰秀子 幸司/加山雄三 久子/草笛光子 孝子/白川由美 しず/三益愛子 幸司の恋人/浜美枝 野溝/藤木悠 森園/北村和夫 薬局主人/十朱久雄 賀谷/柳谷寛 村田/佐田豊 賀谷の妻/中北千枝子

森田屋酒店を切り盛りしている未亡人の礼子。その家に東京から次男の幸司が戻ってくる。仕事もなく、飲んで喧嘩し、警察の厄介になる始末、もらい受けに行く礼子。家のために犠牲になって働く礼子に幸司は好意をいだくようになる。苦悩する礼子。


女の中にいる他人
1966年 1月25日公開 101分 東宝 キネ旬ベストテン第10位
製作:藤本真澄 金子正且 原作:エドワード・アタイア「細い線」
脚色:井手俊郎 撮影:福沢康道 美術:中古智 録音:斎藤昭
照明:石井長四郎 音楽:林 光 整音:下永尚 編集:大井英史
監督助手:川西正純 製作担当:坂本泰明
出演:田代勲/小林桂樹 妻・雅子/新珠三千代 杉本隆吉/三橋達也 妻・さゆり/若林映子 加藤弓子/草笛光子 栄子/長岡輝子 マスター/加東大介 黒岩/藤木悠 平井/十朱久雄 友田/稲葉義男 川崎夫人/関千枝子

鎌倉で隣同士に住んでいる勲と隆吉。隆吉の妻 さゆりがさゆりの友人 弓子のマンションで絞殺される事件がおきる。実は、勲がさゆりと浮気をしていて、情事の最中に誤って殺してしまったのである。捜査が進む中、良心の呵責に悩む勲。 成瀬が病から立ち直って、一年後の復活作品。


ひき逃げ
1966年 4月16日公開 94分 東宝 ワイド
製作:藤本真澄 脚本:松山善三 撮影:西垣六郎 美術:中古智
録音:斎藤昭 照明:平野清久 音楽:佐藤勝 整音:下永尚
編集:大井英史 監督助手:川西正純 製作担当:古賀祥一
出演:伴内国子/高峰秀子 柿沼久七郎/小沢栄太郎 妻・絹子/司葉子 川嶋友敬/加東大介 小笠原進/中山仁 林弘二/黒沢年男 ふみ江/賀原夏子 兼松久子/浦辺粂子 黒金周一/土屋嘉男 相良/中北千枝子

夫を亡くし、一人息子を生きがいに暮らす国子。しかし、その息子も交通事故で亡くしてしまう。いったんは事故として示談となり、問題は解決したかに見えたが、実は事故の時に車を運転していたのは男であるはずが、目撃者によるとそれは女であったと教えられる。 松山善三オリジナル脚本、「女の中にいる他人」同様のサスペンス映画。


乱れ雲
1967年 11月8日公開 107分 東宝 カラー ワイド キネ旬ベストテン第4位
製作:藤本真澄 金子正且 脚本:山田信夫 撮影:逢沢譲
美術:中古智 録音:藤好昌生 照明:石井長四郎 音楽:武満徹
整音:下永尚 編集:大井英史 監督助手:高橋薫明 製作担当:古賀祥一
出演:三島史郎/加山雄三 江田由美子/司葉子 文子/草笛光子 四戸勝子/森光子 淳子/浜美枝 林田勇三/加東大介 由美子の夫・宏/土屋嘉男 文子の夫・石川/藤木悠 藤原部長/中丸忠雄 竹内常務/中村伸郎 バスの老人/左ト全

官僚の夫、宏は渡米の辞令を受け、妻 由美子は子どもを授かり、二人の前途に明るい日が差してきた。しかし、なんと宏が交通事故で死亡するという事態が起こる。お葬式の日、夫を轢いた男、三島史郎が弔いに来る。怒りをあらわにする由美子。心傷つく史郎。 撮影中から体調を崩していた成瀬はこの作品を遺作にして、翌々年死す。