桂千穂の危ない快楽映画図鑑

2005年6月25日(土)〜8月19日(金)レイトショー 連夜9:00〜
ラピュタ阿佐ヶ谷

大林宣彦監督『HOUSE ハウス』『ふたり』の脚本家・桂千穂は、一方ロマンポルノの名手でもある。欧米の奇妙な短編小説に似たそのブラックな味わいは、観る者をしばし闇の快楽に浸らせる。それは真夏の夜の悪夢!

■イベント
8/13(土)21時〜『スタア』上映前に内藤誠監督の舞台挨拶有り。

■ラインナップ
暴行切り裂きジャック レイプ25時 暴姦 (秘)ハネムーン 暴行列車 ズームイン 暴行団地 俗物図鑑 縄と乳房 襲われる女教師 スタア

▼ インフォメーション



暴行切り裂きジャック

写真提供:日活株式会社
暴行切り裂きジャック 6.25[土]〜 7.1[金]
1976年/日活/カラー/71分
■監督:長谷部安春/脚本:桂千穂/撮影:森勝/美術:川崎軍二 ■出演:桂たまき、林ゆたか、山科ゆり、八城夏子、岡本麗、丘奈保美、潤まり

夜、雨の国道。若い男女が青い拘束衣の娘を車で拾う。トビー・フーパー『悪魔のいけにえ』を思わせるこの導入部から、恐怖と悦楽のドラマがはじまる。当時の映倫審査員が「不道徳きわまる映画だ!」と激怒したこの1作から、桂千穂はその特異な才能を開花させる。


レイプ25時 暴姦

写真提供:日活株式会社
レイプ25時 暴姦 7.2[土]〜7.8[金]
1977年/日活/カラー/73分
■監督:長谷部安春/脚本:白坂依志夫、桂千穂/撮影:森勝/音楽:月見里太一 ■出演:山科ゆり、石山雄大、高橋明、塚田末人、八城夏子、田畑善彦

屈強な男たちを従えたゲイの青年。不敵な笑みを浮かべたサングラスの男。正体不明なその男に導かれ、レイプの世界に耽溺する無口な勤労少年。男たちの「血と薔薇」の唄が聞こえる。ハードボイルドに徹した長谷部演出が、前作以上に桂千穂脚本の味を際立たせる。


(秘)ハネムーン 暴行列車

写真提供:日活株式会社
(秘)ハネムーン 暴行列車 7.9[土]〜7.15[金]
1977年/日活/カラー/72分
■監督・脚本:長谷部安春/脚本:桂千穂撮影:森勝/音楽:坂田晃一 ■出演:加藤寿、阿部徳昭、八城夏子、渡辺とく子、影山英俊

長谷部=桂コンビがロマンポルノの路線に乗って、アメリカン・ニューシネマの世界を疾走する。モンテ・ヘルマン『断絶』、マーティン・スコセッシ『明日に処刑を…』を下敷きに、男2人女1人の同士愛的逃避行が展開。動かない貨車がうごめく映画の奇跡に注目!


ズームイン 暴行団地

写真提供:日活株式会社
ズームイン 暴行団地 ※16mm 7.16[土]〜7.22[金]
1980年/にっかつ/カラー/68分
■監督:黒沢直輔/脚本:桂千穂/撮影:森勝/美術:川船夏夫/音楽:高田信 ■出演:宮井えりな、梓ようこ、大崎裕子、志賀圭二郎、山地美貴

「団地妻」の世界に「切り裂きジャック」が乱入。見なれた日常の風景が、あっという間に異常な空間に変貌する。暴行魔の手口もさらにエスカレートし、女たちは炎につつまれる。これでデビューの黒沢監督は桂脚本をさらに過激にし、映画を邪悪な「赤」に染める。


俗物図鑑
俗物図鑑 ※16mm 7.23[土]〜7.29[金]
1982年/カラー/85分
■監督・脚本:内藤誠/脚本:桂千穂/原作:筒井康隆/音楽:ヒカシュー ■出演:平岡正明、巻上公一、南伸坊、入江若葉、大林宣彦、田口トモロヲ、手塚真

桂千穂が内藤監督と組んだ唯一の自主製作作品。ゲロ、おでき、口臭、性病など、思わず口元がほころぶステキなものを研究する変態的評論家たち。演じるのは、評論、音楽、映画、演劇各界から集結したカルト文化人の面々。熱演、怪演、脱力演技ひしめく喧騒の筒井ワールドに酔え!


縄と乳房

写真提供:日活株式会社
縄と乳房 7.30[土]〜 8.5[金]
1983年/にっかつ/カラー/69分
■監督:小沼勝/脚本:宇治英三(桂千穂)撮影:野田悌男/美術:木村威夫 ■出演:松川ナミ、田山涼成、仙波和之、志麻いづみ、高橋明、庄司三郎

閑静な古都の屋敷町。その地下では、水車が回り女が水責めにされる。まるで谷崎潤一郎の世界をエロスで彩ったような設定だが、中身はSM芸人カップルの腐れ縁的ラブ・ストーリー。そう、これは桂千穂流に味付けした(『鶴八鶴次郎』『浮雲』の)成瀬映画なのだ。


襲われる女教師

写真提供:日活株式会社
襲われる女教師 8.6[土]〜8.12[金]
1983年/にっかつ/カラー/68分
■監督:斉藤信幸/脚本:桂千穂/撮影:野田悌男/美術:金田克美 ■出演:風祭ゆき、朝吹ケイト、聖みか、添田聡司、下元史朗

これまで、女性に対して極悪非道の限り(笑)を尽くしてきた桂脚本。しかし、この作品はタイトルからは想像もつかない、自立した女性の映画である。男とセックスしても、決してベタついた関係にならないヒロイン像は、桂千穂が敬愛する増村保造の女たちにつながる。


スタア
スタア ※16mm 8.13[土]〜8.19[金]
1986年/筒井康隆大一座=プルミエ・インターナショナル/カラー/104分
■製作・原作・脚本・出演:筒井康隆/監督・脚本:内藤誠/脚本:桂千穂 ■出演:原田大二郎、水沢アキ、峰岸徹、松金よね子、タモリ、和田アキ子

『俗物図鑑』が好評だったので、御大・筒井康隆が自ら乗りだし、原作、製作、脚本、出演、主題歌作曲を手がけた水野晴郎顔負けのカルト作。桂=内藤コンビが助っ人に立ち、ふたたび筒井ワールドに挑む。当時の人気タレント・文化人の、あの頃の姿を見てるだけでも楽しいかも。


■料金
一般/1,200円 学生・シニア/1,000円 会員/800円 水曜日サービスデー/1,000円均一

■インフォメーション
●連夜1回のみ上映
●整理番号付きチケットは当日の朝10:15より劇場窓口にて販売。
●作品によって画面、音声が必ずしも良好でない場合がございますのでご了承ください。