■監督:深作欣二/原作:飯干晃一/脚本:笠原和夫/撮影:吉田貞次/美術:鈴木孝俊/音楽:津島利章
■出演:菅原文太、松方弘樹、梅宮辰夫、渡瀬恒彦、伊吹吾郎、中村英子、渚まゆみ、川地民夫、田中邦衛、金子信雄
もはや「やくざ映画」というジャンルを超え、「もうひとつの戦後史」を描いた日本映画として年々声価が高まるシリーズ第一作。敗戦から十年間の広島でのやくざと政財界の桎梏を名脚本家・笠原和夫は「人間喜劇」として描く。松方弘樹は実在のやくざ「坂井鉄也(モデル:佐々木哲彦)」を、敢えてサングラスを外さず、目の芝居を殺して熱演。本作を町の映画館で観た近衛十四郎は「浩樹(こうじゅ:松方の本名)も役者らしゅうなったな」と初めてわが子を褒めた。