『刺青』1966年/増村保造(c)大映
耽美派の雄として一時代を築いた作家でありながら、後年は市井に隠遁して反時代的姿勢を貫いた永井荷風。
荷風が編集主幹を務めた文芸雑誌「三田文学」で認められ、以後、豊麗な官能美と陰影ある古典美の世界を展開して、常に文壇の最高峰を歩み続けた谷崎潤一郎。
今回の特集では、この二人の文豪、荷風と谷崎原作作品二十二本を一挙上映いたします。
映像化不可能と称されることも多かったそれらの題材に、映画人たちはいかに取り組んだのでしょうか。
そして、それぞれの文学的エッセンスはどのように昇華されたのでしょう。