■監督:千葉隆志(西原儀一)/脚本:中原朗(石森史郎)/撮影:池田清二/音楽:吉野達弥
■出演:香取環、志摩みはる、谷口朱里、椙山拳一郎、森幸太郎
陽気で無邪気なホステス・カヨ(香取環)と売れっ子画家は恋に落ちる。画家を追いかける美大生(志摩みはる)、原稿依頼の新聞記者(椙山拳一郎)との愛欲図が、白煙たなびく浅間山の麓の別荘地にくりひろげられる。香取環と西原儀一監督コンビ2本目で、原案は谷崎潤一郎『痴人の愛』。
2020年12月12日(土)〜2021年1月25日(月)レイトショー 連日21時スタート
ラピュタ阿佐ケ谷
初代「ピンクの女王」、元祖「肉体女優」ともいわれた香取環が旅立ったのは、2015年10月12日。日活に赤木圭一郎と同じ第4期ニューフェイスで入社、日活作品、独立プロ、テレビなど多くの出演歴がある香取は、1966年から独立プロ・葵映画の専属女優となり傑作、名演を遺した。没後5年の今こそ、日本映画史に「ピンク映画」のジャンルを切り拓いた唯一無二の女優の足跡と、60年代エロダクションの雄・葵映画の作品を発掘、検証する!
12月12日(土)〜16日(水)
1966年(S41)/葵映画/白黒/84分 ※16mm・スタンダード版
■監督:千葉隆志(西原儀一)/脚本:中原朗(石森史郎)/撮影:池田清二/音楽:吉野達弥
■出演:香取環、志摩みはる、谷口朱里、椙山拳一郎、森幸太郎
陽気で無邪気なホステス・カヨ(香取環)と売れっ子画家は恋に落ちる。画家を追いかける美大生(志摩みはる)、原稿依頼の新聞記者(椙山拳一郎)との愛欲図が、白煙たなびく浅間山の麓の別荘地にくりひろげられる。香取環と西原儀一監督コンビ2本目で、原案は谷崎潤一郎『痴人の愛』。
12月17日(木)〜21日(月)
1966年(S41)/葵映画/パートカラー/71分 ※16mm・スタンダード版
■監督・脚本:西原儀一/撮影:池田清二/音楽:吉野達弥
■出演:香取環、清水世津、椙山拳一郎、鶴岡八郎、中原道子、天野てる子、平山雄三
田舎娘だった洋子(香取環)は、淫らな性欲の虜になり、ホステスとして客を騙しヒモに貢いでいた。純情な童貞青年(椙山拳一郎)は洋子に恋心を抱き、深みに嵌っていくが……。本作から葵映画専属として堂々たる演技を見せる香取と新劇出身椙山の純情青年ぶり。衝撃的なラストが鮮烈だ。
12月22日(火)〜26日(土)
1967年(S42)/葵映画/パートカラー/60分 ※16mm・スタンダード版
■監督・脚本:西原儀一/脚本:久木登(香取環)/撮影:池田清二/音楽:林善之助
■出演:香取環、松井康子、椙山拳一郎、清水世津、千月のり子、森三千代、田中敏夫
ポン引きの拳(椙山拳一郎)に付いて来た薄汚れた友子(香取環)。少し頭の弱い彼女は、いつも失敗ばかりするが、憎めない。日活撮影所出身の香取は、コミカル演技も得意だった。流行のデートクラブの実態を描写、脚本にも参加している香取の生涯お気に入りの1本。絶妙演技が愛らしい。
1月6日(水)〜10日(日)
1968年(S43)/葵映画/パートカラー/72分 ※16mm
■監督:西原儀一/脚本:千葉隆志/撮影:池田清二/音楽:斎藤恒夫
■出演:香取環、白川和子、矢島広志、松浦康、清水世津、中尾有理、名和三平
清純なホステスの雅美(香取環)は客の青年(矢島広志)から結婚を申し込まれる。彼の実家のある温泉町・草津へ連れられて行くが、待っていたのは女の生き血を吸う売春組織だった。ピンク時代の若き白川和子が盲目の少女を熱演。壮絶な地獄絵図でもがくヒロインを演じる香取環が可憐で美しい。
1月11日(月)〜15日(金)
1970年(S45)/葵映画/パートカラー/72分 ※16mm
■監督:渡辺護/脚本:門前忍/撮影:池田清二/音楽:伊藤直
■出演:青山リマ、大月礼子、吉田純、国分二郎、浅香なおみ(鈴木いずみ)、千原和加子
女高生の光子(青山リマ)は、船乗りの父が後妻(大月礼子)を迎えてから夜が怖かった。父が殺され、女工となった光子を無惨な運命が襲う。翻弄されながらも少女は女となり、やがて継母への復讐の時が来る。2014年に亡くなった渡辺護監督が葵映画で撮った最初の作品。発掘後、初の東京上映。
1月16日(土)〜20日(水)
1970年(S45)/葵映画/パートカラー/69分 ※16mm
■監督:武田有生/脚本:奈加圭司(石森史郎)/撮影:蛇川常義/音楽:吉田征雄
■出演:青山美沙、白川和子、黒瀬マヤ、鶴岡八郎、関多加志、里見孝二
別荘に籠った老社長は回春法に精を出し、新しいお手伝いさんの弓子(青山美沙)に手を出す。だが、弓子は社長の甥とホテルへ。それを見たみか(白川和子)は、社長の秘書に報告するが……。青春映画の名脚本家・石森史郎の変名脚本。斎藤耕一の助監督出身武田有生監督の数少ない現存フィルム。
1月21日(木)〜25日(月)
1977年(S52)/葵映画/カラー/60分 ※16mm
■監督・脚本・撮影:西原儀一/音楽:斉藤信弥
■出演:泉ユリ、原悦子、杉佳代子、磯敏也、西原譲、水木明、古賀比呂志
連れて行かれたバーには2年前に別れた圭子(泉ユリ)がいた。年上の圭子と結婚の約束までしたが、現在の妻である芳子(原悦子)と知り合い離れた。そして、芳子は圭子の企みで凌辱される。大蔵映画でデビュー、ポルノ・アイドルとして日活ロマンポルノ進出前の原悦子が出演する貴重な発掘作品。
(text by 鈴木義昭)
ピンク映画水滸伝 その誕生と興亡
鈴木義昭 著
人間社文庫
定価(本体900円+税)
ピンク映画誕生から半世紀。本著は著者・鈴木義昭の出版第一作『ピンク映画水滸伝 その二十年史』の文庫復刻版である。革命の映画ではなく、映画の革命が始まった。ピンク映画という梁山泊に結集し、見果てぬ夢を追い求めた男たち、女たちの群像ルポルタージュ。ピンク映画再考の書となれ! (463頁 貴重図版多数)
発売・問合せ 人間社/TEL:052-731-2122
一般/1,300円 シニア・学生/1,100円 会員/900円 ※水曜サービスデー/1,100円均一
※12月27日(日)〜1月5日(火)は休映いたします。