2023年2月26日(日)〜4月22日(土)ラピュタ阿佐ケ谷
日本映画黄金期の松竹、日活、東宝、大映を渡り歩き、51作品を残して早逝した映画監督・川島雄三。その作品世界の面白さは、ダンディで、シャイで、ニヒリズムあふれる監督自身の生き様とともに語り継がれ、今もなお多くのファンを魅了しています。
戦時下でのデビュー作『還って来た男』から、代表作『洲崎パラダイス 赤信号』『幕末太陽傳』『貸間あり』『青べか物語』、遺作『イチかバチか』まで。合計37作品を一挙上映。
協力:東宝株式会社、松竹株式会社、日活株式会社、国立映画アーカイブ
写真:『貸間あり』撮影現場にて ©TOHO CO., LTD.
川島雄三 (かわしま ゆうぞう)
1918年青森県下北郡田名部町(現・むつ市)生まれ。38年、明治大学専門部文芸科を卒業、松竹大船撮影所に入社。島津保次郎、野村浩将、小津安二郎、木下惠介などに助監督としてついた後、44年、織田作之助に直接シナリオを依頼した『還って来た男』で監督デビュー。プログラム・ピクチャーの担い手として着実な歩みを続けるも、54年、製作を再開した日活に電撃移籍。風刺喜劇『愛のお荷物』で持ち味を発揮し、『あした来る人』『風船』『わが町』などの文芸映画に並々ならぬ演出力をみせ、男女の腐れ縁を描いた『洲崎パラダイス 赤信号』、古典落語に材をとった傑作喜劇『幕末太陽傳』で名声を博する。この作品を最後に新たな環境を求めて東宝系の東京映画へ。『グラマ島の誘惑』『貸間あり』『花影』『青べか物語』他、また合間を縫って大映では『女は二度生まれる』『雁の寺』『しとやかな獣』の若尾文子主演作を。進行性筋萎縮症という宿痾を抱えながら、時にコミカルに、時にシニカルに……人間味あふれる数々の傑作・快作・怪作を世に送りだした。63年6月11日急死。死因は肺性心。45歳の生涯だった。