■監督・脚本:中島貞夫/原案:菅沼照夫/撮影:赤塚滋/美術:矢田精治/音楽:広瀬健次郎
■出演:荒木一郎、天知茂、広瀬義宣、ケン・サンダース、近藤正臣、高松英郎、稲野和子、宮園純子、待田京介、遠藤辰雄
『恐喝こそわが人生』と並ぶ松方弘樹の1960年代の代表作。役柄は京都で荒木一郎や広瀬義宣とともに白タクや盗みを生業とするチンピラ。ラストで松方がつぶやく「当分粋がったらあかん。ネチョネチョ生きるこっちゃ」というセリフは、閉塞した時代の気分を表すものとして、当時、映画ファンの間で評判になった。中島貞夫はとにかく芝居をしたがる松方を押さえ、松方がそれまで東映京都撮影所で身につけた時代劇の形を捨てさせ、のちに実録やくざ映画にいたる新境地を拓かせた。