『亡霊怪猫屋敷』写真

(c)国際放映

4月2日(日) 〜8日(土)

亡霊怪猫屋敷

1958年(S33)/新東宝/パートカラー/69分

■脚本:石川義寛、藤島二郎/原作:橘外男/撮影:西本正/美術:黒沢治安/音楽:渡辺宙明 ■出演:細川俊夫、江島由里子、五月藤江、芝田新、中村龍三郎、北沢典子

江戸時代、陵辱された人妻が愛猫に恨みを伝えて自害した。その恨みは現代に甦り…。現代をモノクロで、過去をカラーで交錯させる実験的映像表現。冒頭のシュールな長いワンカットはホラー映画の基本であり、秀逸。


『雷電』写真

(c)国際放映

4月5日(水) 〜 11日(火)

雷電

1959年(S34)/新東宝/白黒/79分

■脚本:杉本彰、中川信夫/原作:尾崎士郎/撮影:西本正/美術:黒沢治安/音楽:小沢秀夫 ■出演:宇津井健、北沢典子、坂東好太郎、林幹、高松政雄、沼田曜一

江戸時代。浅間山麓の村に住む若者、太郎吉は地方巡業にきた相撲の一門に入り江戸へ向かう。江戸には老中の屋敷奉公へ上がる恋人が。しかし、二人は死地へと追いやられ…。大俯瞰でとらえた、河原での愛の語らいの場面は詩情豊かでみごと。


『続 雷電』写真

(c)国際放映

4月5日(水) 〜 11日(火)

続 雷電

1959年(S34)/新東宝/白黒/81分

■脚本:杉本彰、中川信夫/原作:尾崎士郎/撮影:西本正/美術:黒沢治安/音楽:小沢秀夫 ■出演:宇津井健、北沢典子、坂東好太郎、林幹、沼田曜一、池内淳子

相撲とりになった太郎吉が、出世して“雷電”の四股名を貰うまでー。しかし、そのラストはつらく、切ない。ままならぬ運命の非情さは『新編 丹下左膳 隻眼の巻』『怪談 蛇女』『妖艶毒婦伝 人斬りお勝』に通じるものがある。


『「粘土のお面」より かあちゃん』写真

(c)国際放映

4月9日(日) 〜15日(土)

「粘土のお面」より かあちゃん

1961年(S36)/新東宝/白黒/88分

■脚本:館岡謙之助/原作:豊田正子/撮影:平野好美/美術:黒沢治安/音楽:木下忠司 ■出演:伊藤雄之助、望月優子、二木てるみ、津沢彰秀、北沢典子

貧乏長屋のブリキ職人一家がたくましく生きる姿をユーモアとペーソスを交えて描いた作品。望月優子と伊藤雄之助が扮する夫婦のやりとりはみごたえたっぷり。警官役の宇津井健にフランス国歌を歌わせるのも憎い。


『私刑』写真

(c)国際放映

4月9日(日) 〜15日(土)

私刑

1949年(S24)/新東宝=竹井プロ/白黒/98分

■脚本:小沢効/原作:大坪砂男/撮影:河崎喜久三/美術:下河原友雄/音楽:服部正 ■出演:嵐寛寿郎、花井蘭子、進藤英太郎、東野英治郎、小堀誠、池部良、久我美子

昭和初期から戦後まで、好きな相手と結婚するためにやくざの足を洗った男の生々流転。非情な罠にはめられ、長い刑務所暮らしを終えた清吉は、奇しくも成長した娘とめぐり逢う。愛する者たちのため男は闘う。戦争をはさんで時代の変化の描写がいい。


『怪談 蛇女』写真

(c)東映

4月12日(水) 〜 18日(火)

怪談 蛇女

1968年(S43)/東映東京/カラー/85分

■脚本:神波史男、中川信夫/撮影:山沢義一/美術:北川弘/音楽:菊池俊輔 ■出演:河津清三郎、山城新伍、根岸明美、賀川雪絵、月丘千秋、桑原幸子、西村晃

怪談のオブラートに包んで描く弱者いじめ批判。時は明治初期、横暴な地主の大沼長兵衛は、自分が責め殺した小作人一家の亡霊に悩まされるようになる。その亡霊の影には、小作人の妻・すえが生前に救った蛇の存在が…。