2023年6月18日(日)〜7月29日(土)ラピュタ阿佐ケ谷
●作品解説 1 / 2 / 3
●上映スケジュール
●料金・インフォメーション
きみは野上龍雄を知っているか?
その脚本作品は多岐に渡る。映画からテレビ、時代劇からヤクザ映画、「トラック野郎」「必殺」シリーズから『魔界転生』、果ては『南極物語』まで。
その名前は知らなくても、作品は誰もが知っている。
野上脚本は、まだ若かった日本映画とテレビドラマを間違いなく支えていた。
「エンターテイメントとは一番低い者の目線で物語を見ることだ」
野上の母親は神楽坂の芸者、父親は最高裁判事。妾腹で、野上だけが父親姓を名乗る。
東大卒で学業優秀だが、背が低く、吃音だった。
その劣等感が野上の徹底した「低い目線」を育み、多くの娯楽作品を生む。
賞やベストテンにかすりもしない中にこれだけの傑作名作珍作が埋もれている。
一スジ(脚本)二ヌケ(撮影)三ドウサ(役者)と言ったのは日本映画の父・牧野省三だが、映画は監督のもののみにあらず。
この特集上映は一人の娯楽映画脚本家を通して見る裏日本映画史だ。
没後10年。笠原和夫に遅れること20年。
ようやく野上龍雄の再発見が始まる。
協力:東映株式会社、松竹株式会社、日活株式会社、朝日放送テレビ株式会社、日本シナリオ作家協会
トークイベント
●6月18日(日)13:00『現代やくざ 血桜三兄弟』上映後
ゲスト:中島丈博さん(脚本家)
聞き手:井上淳一さん(脚本家)
●6月24日(土)16:20『日本侠客伝』上映後
ゲスト:長田紀生さん(脚本家)
聞き手:井上淳一さん
●7月15日(土)16:35『木枯し紋次郎 関わりござんせん』上映後
ゲスト:佐伯俊道さん(脚本家)
聞き手:田中貴大さん(脚本家)
●7月20日(木)12:30『葉蔭の露』上映後
ゲスト:荒井晴彦さん(脚本家)
聞き手:井上淳一さん
舞台挨拶
●7月29日(土)18:50『鉄砲玉の美学』上映後
ゲスト:井上淳一さん
野上龍雄
のがみたつお/1928年東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。大映脚本家養成所を経て、シナリオライターに。東映の時代劇、任侠映画、ヤクザ映画を中心に幅広く活躍した。TVシリーズに「鬼平犯科帳」「剣客商売」「必殺」ほか。2013年7月20日死去。享年85。
撮影:曽根雄司