カメラマンで映画をみることがおありだろうか?俳優や監督で映画を選ぶことはあっても「そのカメラマンの映画がみたい」と思うことはなかなかないのではないか?「はじめてのロケ中に二・二六事件が勃発して赤坂の自宅に帰れなかった」カメラマンがいまだに現役の映画人である、から凄いのではない。岡崎宏三の撮影した作品が面白いのである。強靱な肉体と驚異的な記憶力、そして衰えを知らない感性と探究心。この才能をもう一度みなおしていただきたい。「おれは専門店じゃない。なんでもそろうスーパーマーケット」と本人がいうように、新派調の劇映画からスタートしてドキュメンタリー、アクション、喜劇、ミュージカル、時代劇、ドラマと、そのフィルモグラフィは多彩なジャンルにおよぶ。「モロッコ」「嘆きの天使」のジョセフ・フォン・スタンバーグとの出会いが撮影監督としてのキャリアの革命になったこと。その経歴からもこのカメラマンのユニークさがうかがえよう。今年、新作の準備中に亡くなった名コンビの照明技師、下村一夫の仕事もあわせてご覧いただきたい。「いのちぼうにふろう」、「華麗なる一族」の、あのまばゆい光と影は岡崎、下村コンビの傑作である。 「このカメラマンの映画を」みに、劇場にぜひいらしていただきたい。 解説中の「」内は、2003年7月29日に録音した岡崎宏三の作品コメントになります。詳細はパンフレットをご覧下さい。 作品解説1 作品解説2 作品解説3 作品解説4 |