■企画・脚本・監督:木俣堯喬/撮影:杉浦二郎/音楽:河端淳
■出演:水城リカ、鬼塚大吉(木俣堯喬)、一星ケミ、吉川次郎、岡島艶子、青柳恵子、上田明美
京都の出版社に勤務する女性記者(水城リカ)は、猥褻罪に問われる女流作家。その正体を知った男性記者(吉川次郎)、東京から訪れた作家(鬼塚大吉)、フーテン娘(一星ケミ)が入り乱れ大騒動に。プロ鷹京都時代の作品で、木俣自身作家役で出演。マキノの名女優・岡島艶子の出演も貴重だ。
2021年9月21日(火)〜10月25日(月)
レイトショー 連日21時スタート
ラピュタ阿佐ケ谷
東映京都撮影所の大部屋俳優から独立プロを起こし、監督デビューした木俣堯喬が率いたプロダクション鷹。関西発で東京に殴り込み、エロダクション乱立の1960年代をリードする。奇跡的に遺ったその初期傑作フィルム3本。小林悟、佐々木元、秋山駿(津崎公平)ら、60年代ピンク映画を代表する監督たちの埋もれた佳作。山本晋也『女湯』シリーズ現存唯一のプリント。ピンク映画興亡の知られざる足跡を検証・発掘、フィルム上映する!
【上映作品】
9月21日(火)〜25日(土)
1968年(S43)/プロダクション鷹/パートカラー/67分 ※16mm短縮版
■企画・脚本・監督:木俣堯喬/撮影:杉浦二郎/音楽:河端淳
■出演:水城リカ、鬼塚大吉(木俣堯喬)、一星ケミ、吉川次郎、岡島艶子、青柳恵子、上田明美
京都の出版社に勤務する女性記者(水城リカ)は、猥褻罪に問われる女流作家。その正体を知った男性記者(吉川次郎)、東京から訪れた作家(鬼塚大吉)、フーテン娘(一星ケミ)が入り乱れ大騒動に。プロ鷹京都時代の作品で、木俣自身作家役で出演。マキノの名女優・岡島艶子の出演も貴重だ。
9月26日(日)〜30日(木)
1969年(S44)/プロダクション鷹/パートカラー/55分 ※16mm短縮版
■製作・企画・脚本・監督:木俣堯喬/撮影:杉田正二
■出演:芦川絵里、田中小実昌、美矢かほる、清水世津、桂奈美、星リナ、鶴岡八郎、野上正義、黒木護、小代一夫
直木賞作家田中小実昌が客引きで登場。主題歌『裏町人生』が哀愁を奏でる。継母に育てられたタミ子(芦川絵里)は曖昧屋に売られ、好色な男に処女を奪われる。同級生の次郎(黒木護)と出会い恋が芽生えるが、懸命に生きる二人を悪魔のような大人たちが次々に襲う。プロ鷹五周年記念作品。
10月1日(金)〜5日(火)
1970年(S45)/プロダクション鷹/パートカラー/73分
■製作:和泉聖治/脚本・監督:木俣堯喬/撮影:杉田正二/美術:衣恭介
■出演:津崎公平、相原香織、白川和子、青山美沙、関多加志、大月麗子、瀬川ルミ、矢島宏忠
猥褻罪で二カ月の刑を終え出所した売れないエロ作家・小原庄助(津崎公平)は、妻(相原香織)と娘(青山美沙)の待つ我家へ急ぐ。だが、禁欲生活からSEXがしたくてたまらない。帰ってみれば下宿人(関多加志)もいる始末。独特の怪演で人気があった津崎公平の主演作。若き白川和子も。
10月6日(水)〜10日(日)
1970年(S45)/葵映画/パートカラー/71分 ※16mm
■監督:秋山駿(津崎公平)/脚本:此花譲二/撮影:池田清二/音楽:吉田正男/助監督:高橋伴明
■出演:九重京司、真湖道代、藤ひろ子、有沢真佐美、久保新二
呉服屋をやめ「いろの湯」を開業した貞造(九重京司)は、番台から女湯を覗くのが生き甲斐。医者の青木(松浦康)と妾の路子(黒瀬マヤ)、ホステスのさゆり(真湖道代)、好色な妻(有沢真佐美)、昔の恋人(藤ひろ子)など、番台で見た人間いろ模様。ピンクの名優・津崎公平二本目の監督作品。
10月11日(月)〜15日(金)
1971年(S46)/葵映画/パートカラー/71分 ※16mm
■製作:西原儀一/監督:小林悟/脚本:岡田昇平/撮影:池田清二
■出演:宮下順子、山本昌平、保津美アヤ、吉田純、田中敏夫、市村譲二、日野伸二、城浩
サラリーマンの夫(山本昌平)が交通事故で全身不随の寝たきりとなり、看病しながら生活のため小さな酒場を始める妻(宮下順子)。肉欲の前に堕ちていく妻と、その情事を隣室で覗き見する夫。乱心と絶頂。悪役俳優で名高い山本昌平、ピンク時代の代表作。デビュー間もない宮下順子の熱演。
10月16日(土)〜20日(水)
1969年(S44)/北都プロ、葵映画/パートカラー/69分 ※16mm白黒スタンダード版
■監督:佐々木元/脚本:井田川実範/撮影:池田清二/音楽:関川孝二
■出演:白川和子、野上正義、火鳥こずえ、木南清、尾崎啓介、九重京司、浜祐子、中尾ユリ
万年筆会社の女社長と歯科医院の院長が相次いで殺される。万年筆工場で働く文夫(野上正義)と歯科医院の看護婦・阿紀子(白川和子)は、恋愛関係だった。密輸された金の延べ棒をめぐり二つの殺人事件が結びつくのを知る文夫。大胆でシャープな映像感覚で活躍した佐々木元の現存代表作。
10月21日(木)〜25日(月)
1970年(S45)/東京興映/パートカラー/77分 ※16mm
■監督:山本晋也/脚本:太田康/撮影:笹野修司/音楽:森あきら
■出演:白川和子、一星ケミ、小島マリ、松浦康、野上正義、久保新二、堺勝朗、吉田純
フーテンの三助・三度笠の清ちゃん(松浦康)が帰って来る。ソワソワする女将さん(白川和子)と義理人情に厚いが浮気の虫が疼く主人(野上正義)。東海道は三島の銭湯「藤の湯」を舞台に次から次に起きるチン騒動。女湯シーンの裸女乱舞は画期的で、山本晋也カントク絶頂期の伝説的傑作ダ!
(text by 鈴木義昭)
ピンク映画水滸伝 その誕生と興亡
鈴木義昭 著
人間社文庫
定価(本体900円+税)
ピンク映画誕生から半世紀。本著は著者・鈴木義昭の出版第一作『ピンク映画水滸伝 その二十年史』の文庫復刻版である。革命の映画ではなく、映画の革命が始まった。ピンク映画という梁山泊に結集し、見果てぬ夢を追い求めた男たち、女たちの群像ルポルタージュ。ピンク映画再考の書となれ! (463頁 貴重図版多数)
発売・問合せ 人間社/TEL:052-731-2122
一般…1,300円 シニア・学生…1,100円 会員…900円 水曜サービスデー…1,100円均一