『狂った果実』写真

©日活

7月23日(水) 〜29日(火)

狂った果実

1981年(S56)/にっかつ/カラー/85分

■監督:根岸吉太郎/脚本:神波史男/撮影:米田実/美術:中沢克巳/音楽:甲斐八郎
■出演:本間優二、蜷川有紀、永島暎子、益富信孝、岡田英次、小畠絹子、無双大介、鈴木秋夫、アパッチけん、梓ようこ

社会の底辺で生きる青年とブルジョア令嬢のねじれた破滅的な愛の行方を描いたロマンポルノの秀作。根岸監督は、鬱屈と倦怠、破壊衝動を抱えた同時代の若者の心象を鮮やかに描出し、本間優二と蜷川有紀も初々しい熱演で見事に応えている。

『骨まで愛して』写真

©日活

7月27日(日) 〜8月2日(土)

骨まで愛して

1966年(S41)/日活/カラー/91分

■監督:斎藤武市/原作・脚本:川内康範/撮影:萩原憲治/美術:坂口武玄/音楽:小杉太一郎
■出演:渡哲也、浅丘ルリ子、宍戸錠、松原智恵子、金子信雄、深江章喜、木島一郎、郷鍈治、近藤宏、浜川智子、城卓矢

麻薬密輸組織から足を洗い函館へとたどりついた流れ者が、再びヤクザ同士の抗争に巻き込まれる。渡哲也が「南国土佐〜」の旭と同じく神技的なダイスさばきを披露し、宍戸錠との殴り合いも迫力満点の原点回帰した正統派日活アクション。

『地球40度線 赤道を駈ける男』写真

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7月27日(日) 〜8月2日(土)

地球40度線 赤道を駈ける男

1968年(S43)/アロー・エンタープライズ/カラー/103分

■監督・脚本:斎藤武市/脚本:才賀明/撮影:山崎善弘/美術:佐谷晃能/音楽:山本直純
■出演:小林旭、丹波哲郎、若林映子、金子信雄、内田良平、葉山良二、近藤宏、郷鍈治、シリア・ポール、内田朝雄

ブラジルに長期ロケを敢行した小林旭百本記念作品であり、自社プロダクションによる第一回作品。リオのカーニヴァルの真っ只中で、旭と刑事役の丹波哲郎の追跡シーンを手持ちカメラで撮るなどアクション演出にも随所に工夫がみられる。

『身も心も』写真

 

7月30日(水) 〜8月5日(火)

身も心も

1997年(H9)/東映ビデオ、東北新社/カラー/126分

■監督・脚本:荒井晴彦/原作:鈴木貞美/撮影:川上皓市/音楽プロデューサー:伊藤ヨタロウ
■出演:柄本明、永島暎子、かたせ梨乃、奥田瑛二、加藤治子、津川雅彦、利重剛、速水典子、小林麻子、佐治乾

きわめて自伝的色彩の濃い脚本家荒井晴彦の監督デビュー作。全共闘世代である四人の男女の激しくもつれ合う性愛の輪舞を通して、〈私小説〉ならぬ〈私映画〉という形式に昇華させ、失われた〈政治の季節〉へのレクイエムを奏でている。

『わたしのSEX白書 絶頂度』写真

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7月30日(水) 〜8月5日(火)

わたしのSEX白書 絶頂度

1976年(S51)/日活/カラー/70分

■監督:曽根中生/脚本:白鳥あかね/撮影:萩原憲治/美術:坂口武玄/音楽:コスモス・ファクトリー
■出演:三井マリア、芹明香、桑山正一、村國守平、益富信孝、神坂ゆずる、梓ようこ、浜口竜哉、花上晃、五條博、影山英俊

病院で採血係を務める女と近親愛を抱く弟、そこにヤクザ情婦のストリッパーが絡み、不条理な愛欲模様が展開する曽根中生の傑作。脚本は「アントニオーニ、パゾリーニなど大好きなイタリア映画に触発された」と語る白鳥さんのオリジナル。

『縄張(しま)はもらった』写真

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8月3日(日) 〜9日(土)

縄張(しま)はもらった

1968年(S43)/日活/カラー/94分

■監督:長谷部安春/脚本:石松愛弘、久保田圭司/撮影:上田宗男/美術:佐谷晃能/音楽:鏑木創
■出演:小林旭、宍戸錠、二谷英明、川地民夫、太田雅子、岡崎二朗、葉山良二、高品格、郷鍈治、藤竜也、深江章喜

日活ニュー・アクションを代表する殺伐たる集団抗争劇の傑作。鉄砲玉として地方都市に送り込まれるダボシャツ姿の小林旭は、不純な汚れたヒーローとして新境地を拓いた。終局、真っ白な風呂場が鮮血に染まる悪夢のような光景は忘れ難い。

『濡れた週末』写真

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8月3日(日) 〜9日(土)

濡れた週末

1979年(S54)/にっかつ/カラー/71分

■監督:根岸吉太郎/脚本:神波史男/撮影:安藤庄平/美術:徳田博/音楽:浅岡弘行
■出演:宮下順子、亜湖、山下洵一郎、安達清康、中島葵、浜村砂里、島村謙次、小見山玉樹、大平忠行、麿のぼる

町工場の妻子ある社長と不倫関係にある事務員が、嫉妬に駆られ、社長の娘を誘拐するも水泡に帰する。宮下順子が婚期を逸した独身女性の性の渇きや諦めを、ふてぶてしくも艶やかに表現し、「黒の舟歌」を口ずさむ時の気怠い表情がいい。

『帰らざる日々』写真

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8月6日(水) 〜9日(土)

帰らざる日々

1978年(S53)/日活/カラー/99分

■監督・脚本:藤田敏八/原作・脚本:中岡京平/撮影:前田米造/美術:渡辺平八郎/音楽:石川鷹彦/選曲・音楽構成:アリス
■出演:江藤潤、永島敏行、浅野真弓、竹田かほり、加山麗子、朝丘雪路、中村敦夫、吉行和子

父の訃報を受けて帰郷する作家志望の青年が、列車の中でほろ苦き高校時代の回想に耽る。藤田敏八は永島、江藤の純朴さ、信州の眩い風光と祭礼の魅力を最大限に生かしながら、異性への憧れ、熱い友情という普遍的な青春像を紡ぎあげた。

Text by高崎俊夫