2月10日(日)〜16日(土)
白い炎
1958年(S33)/松竹大船/白黒/102分
■監督:番匠義彰/脚本:柳井隆雄/原作:井上靖/撮影:西川亨/美術:芳野尹孝/音楽:牧野由多可 ■出演:田村高廣、大木実、笠智衆、山鳩くるみ、有沢正子、井上正彦、夏川静江
ふとした仲違いが原因で恋人を親友に攫われた那津子。その後知りあった新聞記者・豪次の胸に飛び込んではみたものの、揺れ動く女心は如何ともしがたく…。那津子の胸を掻き乱す懐かしき男の面影――。井上靖原作の文芸メロドラマ。
2月17日(日)〜23日(土)
七人の女掏摸
1958年(S33)/松竹京都/白黒/94分
■監督:堀内真直/脚本:安田重夫/原作:小島政二郎/撮影:倉持友一/美術:川村鬼世志/音楽:木下忠司 ■出演:福田公子、泉京子、関千恵子、千典子、中川姿子、浪花千栄子、名和宏
江戸で質屋を営む伊勢屋は、スリの親分平吉の隠れ家で、彼の自慢は腕達者な七人の女スリ――。小島政二郎の『おこま』に材をとり、人生の裏道をゆく女達の哀歓を描いた異色時代劇。日陰の恋に泣く腕利きの女スリを高千穂ひづるが艶やかに演じる。
2月24日(日)〜3月1日(土)
異母兄弟
1957年(S32)/独立映画/白黒/110分 ※16mm
■監督:家城巳代治/脚本:依田義賢、寺田信義/原作:田宮虎彦/撮影:宮島義勇/美術:平川透徹/音楽:芥川也寸志 ■出演:三國連太郎、田中絹代、中村賀津雄、南原伸二、西田昭市、近藤宏
封建的な軍人一家を舞台に、徹底的に虐げられる母子の運命を、時代の変遷とともに描いた社会派家庭劇。高千穂ひづるは、明るく屈託のない女中・ハル役で助演。重い主題をもったこの作品に軽やかさを与えて、存在が光る。
3月2日(日)〜8日(土)
夜の波紋
1958年(S33)/松竹京都/カラー/102分
■監督・脚本:内川清一郎/脚本:菊島隆三/撮影:太田真一/音楽:大森盛太郎 ■出演:杉田弘子、冨士真奈美、福田公子、関千恵子、浪花千栄子、大木実、菅佐原英一、仲代達矢
不幸な境遇から祇園の社会に飛び込んだ京子は、頼りになるのはお金だけと信じ、その為には一流の芸妓に、「都をどり」の主役にと野望に燃えるのだった…。思いつめた女の意地が激しく泣きむせぶ――。現代芸妓の恋と野望を鮮烈に描いた異色作。
3月9日(日)〜15日(土)
ろくでなし
1960年(S35)/松竹大船/白黒/88分
■監督・脚本:吉田喜重/撮影:成島東一郎/美術:芳野尹孝/音楽:木下忠司 ■出演:津川雅彦、川津祐介、山下洵一郎、林洋介、千之赫子、渡辺文雄、三島雅夫、安井昌二、榊ひろみ、佐藤慶
ブルジョワの息子と彼等にたかるように集う若者達。焦燥と退屈…。四人の大学生グループは、もてあました時間を危険な遊戯に費やしていく――。吉田喜重、弱冠二十七歳の監督デビュー作。高千穂ひづるがヒロインの社長秘書役を好演。
3月16日(日)〜22日(土)
武士道無残
1960年(S35)/松竹京都/白黒/74分
■監督・脚本:森川英太朗/撮影:川原崎隆夫/美術:大角純一/音楽:真鍋理一郎 ■出演:森美樹、山下洵一郎、渡辺文雄、桜むつ子、倉田爽平、永田光男、雲井三郎、片岡市女蔵、尾上菊太郎
武士道の美名のもと殉死を命じられた十六歳の少年・伊織。彼を不憫に思った兄嫁は、一夜義弟に肌を許し男の悦びを教えるが…。森川英太朗監督の松竹ヌーヴェル・ヴァーグ時代劇。高千穂ひづるは大胆な濡れ場にも挑戦、迫真の演技をみせる。
3月23日(日)〜29日(土)
禁猟区
1961年(S36)/松竹京都/カラー/93分
■監督:内川清一郎/脚本:椎名利夫/原作:丹羽文雄/撮影:太田喜晴/美術:大角純一/音楽:佐藤勝 ■出演:田村高廣、桑野みゆき、倍賞千恵子、佐々木功、芳村真理、渡辺文雄、岡田茉莉子
鑑賞と愛玩のため金にあかして飼育されてきた女・虹子が、幸せを求めて踏み入った結婚生活。だが、常に刺激を求め、情事と浪費から抜けきれぬ彼女は…。女の転落の相をえぐって精彩を放つ丹羽文雄の同名小説を豪華スターの競演で映画化。
3月30日(日)〜4月5日(土)
からたち日記
1959年(S34)/歌舞伎座/白黒/120分
■監督:五所平之助/脚本:新藤兼人/原作:増田小夜/撮影:宮島義勇/美術:平川透徹/音楽:芥川也寸志 ■出演:田村高廣、島倉千代子、伊藤雄之助、水原真智子、泉京子、田代百合子
貧農の家に生まれたばかりに、幼時から女中、そして芸者として売られ、哀しみと苦しみの半生を過ごしていく悲恋の女・つるの物語。幸せ薄き身に迫る人生の荒波――。島倉千代子のヒット曲を得て、五所平之助が叙情豊かに描いた哀愁と恋の名篇。