上映スケジュール | ラピュタ阿佐ヶ谷
(c)東宝
1月19日(水) 〜25日(火)
1940年(S15)/東宝映画東京/白黒/135分
■監督・脚本:山本嘉次郎/撮影:三村明/美術:松山崇/音楽:鈴木静一 ■出演:榎本健一、花井蘭子、李香蘭、岸井明、高峰秀子、柳田貞一、金井俊夫
東宝初期のドル箱だった山本=エノケンのコンビによるオペレッタ喜劇大作。日劇ダンシングチームのレビューとエノケンの絶妙なかけ合い、円谷英二の特撮も特筆される。夢声は大鰐の精の役だが封切り時は大幅にカットされたと怒っている。 ▲
上映スケジュール
1939年(S14)/東宝映画東京/白黒/65分
■監督・脚本:成瀬巳喜男/原作:徳永直/撮影:鈴木博/美術:松山崇/音楽:太田忠 ■出演:大日方傳、椿澄枝、本間教子、生方明、伊東薫、南青吉、平田武、阪東精一郎
プロレタリア作家徳永直の短篇を成瀬巳喜男が演出し、小石川の貧しい印刷職工の一家の日常を厳しくみつめた名作。夢声は進学のために家を出る息子たちと葛藤する老いた印刷工を演じ、「今までの主演作で最も自信のある作品」と語っている。 ▲
1月23日(日) 〜25日(火)
1935年(S10)/P.C.L./白黒/80分
■監督:山本嘉次郎/原作:夏目漱石/脚本:小林勝/撮影:唐澤弘光/音楽:紙恭輔 ■出演:宇留木浩、夏目初子、丸山定夫、竹久千恵子、藤原釜足、英百合子
PCLが初めて世に認められた文芸映画で、狸校長に扮した夢声も高く評価された。山本嘉次郎も「実に無責任、実に小役人的なタヌキ校長の姿を、遺憾なく発揮した名演技であった」と絶賛している。 ○東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品 ▲
(c)角川映画
1月23日(日) 〜29日(土)
1949年(S24)/大映東京/白黒/84分 ※16mm
■監督:小石栄一/原作:藤原てい/脚本:館岡謙之助/撮影:姫田真佐久/音楽:斎藤一郎 ■出演:三益愛子、三條美紀、羽鳥敏子、大野守保、植村謙二郎、小宮一晃
旧満州から幼子を連れて引き揚げてきた家族の過酷な体験を綴って大ベストセラーとなった藤原ていの手記の映画化。夢声は大病に罹った次男を助けようと奔走する母親三益愛子のために、謝礼を拒み治療するヒューマンな桜井医師を演じた。 ▲
1月26日(水) 〜2月1日(火)
1954年(S29)/東宝/白黒/87分
■監督:市川崑/原作:伊藤整/脚本:和田夏十/撮影:三浦光雄/音楽:黛敏郎 ■出演:津島恵子、有馬稲子、小泉博、上原謙、久慈あさみ、太刀川洋一、伊豆肇
原作はベストセラーとなった伊藤整の同名のエッセイ集。婚約していても結婚に踏み切れず長い倦怠期にある呉小平太(小泉博)とミナ子(津島恵子)のカップルの行方を市川崑が才気煥発なタッチで描く。夢声は小泉の父親呉平太を演じている。 ▲
1958年(S33)/東宝/白黒/95分
■監督:松林宗恵/脚本:笠原良三/撮影:小原譲治/美術:村木与四郎/音楽:宅孝二 ■出演:森繁久彌、加東大介、小林桂樹、司葉子、団令子、雪村いづみ、淡路恵子
森繁久彌主演の「社長」シリーズの一本。夢声は<徳川夢声本人>の役で出演している。三代目社長になる副社長(加東大介)が就任スピーチのために、話術の天才夢声から特訓を受けるシーンで、夢声はノーメイクで衣装も自前でこなした。 ▲
1月30日(日) 〜2月1日(火)
1943年(S18)/東宝映画/白黒/75分
■監督:佐藤武/原作:坪田譲治/脚本:木村千依男/撮影:中井朝一/音楽:内田元 ■出演:轟夕起子、星野和正、杉裕之、里見藍子、沼崎勲、清川荘司、北沢彪
戦時下に作られた坪田譲治原作の戦意高揚の国策映画。夢声は息子の出征に発奮し、幼い孫たちを庇護する意気軒昂な中風病みの70歳の老人を演じた。当時50歳の夢声は<ムセイ翁>と呼ばれていた。 ○東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品 ▲
Text by 高崎俊夫