2021年3月14日(日)〜5月1日(土)ラピュタ阿佐ケ谷
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●上映スケジュール
●料金・インフォメーション
東宝の文芸映画路線を担う巨匠として活躍を続けた豊田四郎。
森鴎外、永井荷風、谷崎潤一郎、志賀直哉、芥川龍之介、川端康成……などフィルモグラフィーには名だたる文豪たちの作品が連なります。
一方「女優泣かせ」の異名をとるほど女優への演技指導が厳しいことでも有名で、そのしごきに耐え花開いたスタアたちがずらり。女性を描く名手とも謳われました。
名作・良作揃いの二九本一挙上映。『猫と庄造と二人のをんな』『暗夜行路』『波影』の三作品はニュープリントでのお届けです。
協力:東宝株式会社、株式会社KADOKAWA、国立映画アーカイブ
写真:『夫婦善哉』(1955年/豊田四郎) ©東宝
豊田 四郎 とよだ しろう
1906年1月3日京都市生まれ。劇作家を志し、中学卒業と同時に東京にいた長兄を頼り上京。〈芸術的革新者〉として知られる日活向島の映画監督・田中栄三にシナリオを書くことをすすめられ、次いで松竹蒲田撮影所に入社、島津保次郎門下となって修練を積む。1929年、佐藤春夫の小説を下敷きにした作品『彩られる唇』で監督デビュー。その後、5年間の助監督生活を余儀なくされるという曲折があったが、トーキーの製作を目指して東京発声へ移籍。石坂洋次郎原作の『若い人』をヒットさせ、監督としての地位を固める。戦後しばらくは低迷が続いたものの、1953年、森鴎外原作の『雁』で鮮やかな復活を遂げ、1955年には織田作之助の代表作を映画化した『夫婦善哉』を発表、高い評価を受ける。以降は東京映画が活動の中心となり、谷崎潤一郎『猫と庄造と二人のをんな』、志賀直哉『暗夜行路』、永井荷風『濹東綺譚』など多くの文芸作品を手がけた。1977年11月13日死去。