7月3日(日)〜9日(土)

愛の亡霊 L'EMPIRE DE LA PASSION

1978年(S53)/大島 プロダクション、アルゴス・フィルム/カラー/107分

『愛の亡霊 L'EMPIRE DE LA PASSION』写真

©大島 プロダクション

■監督・脚本:大島 /原作:中村糸子/撮影:宮島義勇/美術:戸田重昌/音楽:武満徹
■出演:田村高廣、藤竜也、吉行和子、川谷拓三、小山明子、河原崎建三、殿山泰司、佐々木すみ江、佐藤慶

原作『車屋儀三郎殺人事件』は明治二十九年実際に起きた。まじめでやさしい儀三郎(高廣)は、おせき(吉行和子)と貧しいが安らぎある毎日を送っていた。兵隊帰りの豊次(藤竜也)が来るまでは。『愛のコリーダ』に続く大島 監督日仏合作作品。

7月6日(水)〜9日(土)、7月13日(水)〜16日(土)

地獄の蟲

1979年(S54)/マツダ映画社/白黒/サウンド版/88分

『地獄の蟲』写真

©マツダ映画社

■監督:山田達雄/原作・脚本・監修:稲垣浩/撮影:倉持友一/美術:鳥居塚誠一/音楽:すぎやまこういち
■出演:田村高廣、宮下順子、松山省二、今村民路、沢竜二、伊沢一郎、戸上城太郎、香川良介

昭和十三年、高廣は自宅近くの寺で本作撮影中の父を見る。撮影中の阪妻を見た唯一の記憶だ。四十一年後、行方不明の作品は高廣主演でリメイクされ、内務省検閲で削除された場面も復元、反響を呼んだ。盗賊黒雲団十郎の壮絶で凄惨な闘い。

7月6日(水)〜12日(火)

江戸最後の日

1941年(S16)/日活京都/白黒/95分

『江戸最後の日』写真

©日活

■監督・潤色:稲垣浩/原作:吉田絃二郎/脚本:和田勝一/撮影:石本秀雄/美術:角井平吉/音楽:西梧郎
■出演:阪東妻三郎、香川良介、環歌子、柳恵美子、志村喬、戸上城太郎、原健作、尾上菊太郎

江戸城無血開城を達成するまでの勝海舟(阪妻)の苦悩を描く。鳥羽伏見の戦いで敗れた徳川慶喜は江戸に戻るが、幕府内は官軍との一戦を主張する主戦派と穏健派とが対立していた。剣戟スタア阪妻の芸域を広げたと賞賛された稲垣浩作品。

7月10日(日)〜12日(火)

「雲の墓標」より 空ゆかば

1957年(S32)/松竹大船/白黒/105分 ○国立映画アーカイブ所蔵作品

『「雲の墓標」より 空ゆかば』写真

©1957 松竹株式会社

■監督・脚本:堀内真直/原作:阿川弘之/脚本:高橋治/撮影:小原治夫/美術:荻原重夫/音楽:池田正義
■出演:田村高廣、田浦正巳、渡辺文雄、岸恵子、高峰秀子、大木実、川喜多雄二、菅佐原英一

デビュー三年目の高廣は、木下惠介作品を離れ、特攻隊員となるべく訓練を積む海軍予備学生を演じ主演する。出陣を前に外出先で出会った令嬢(岸恵子)との恋。仲間たちとの友情。脚本は『純情無頼 小説阪東妻三郎』の高橋治と堀内真直。

7月10日(日)〜16日(土)

背徳のメス

1961年(S36)/松竹京都/白黒/87分

『背徳のメス』写真

©1961 松竹株式会社

■監督:野村芳太郎/原作:黒岩重吾/脚本:新藤兼人/撮影:川又昂/美術:大角純一/音楽:芥川也寸志
■出演:田村高廣、久我美子、高千穂ひづる、山村聡、瞳麗子、葵京子、城所英夫、加藤嘉

設備も悪く患者の質も悪い大阪の阿倍野病院。産婦人科の医師植(高廣)は女癖が悪く、科長の西沢(山村聰)とは犬猿の仲だった。宿直室でガス中毒で殺されかけた植は犯人を捜す。黒岩重吾の直木賞受賞作を映画化したサスペンス劇。

7月10日(日)〜16日(土)

阪妻 —阪東妻三郎の生涯

1980年(S55)/マツダ映画社/カラー/91分

『阪妻 —阪東妻三郎の生涯』写真

写真提供:マツダ映画社

■製作・監督:松田春翠/構成・インタビュー:佐藤忠男/撮影:高坂広、池雅行、坂本猪一郎/編集:江原義夫/音楽:アンサンブル想い出
■出演:田村高廣、伊藤大輔、森静子、稲垣浩、環歌子、久世竜

『あばれ獅子』(1953年)撮影中に脳出血で倒れ、帰らぬ人となった阪妻。京都二尊院の墓に今も眠る。その生涯を出演作品の名場面と高廣をはじめ貴重な証言で構成した評伝ドキュメンタリー。構成は先頃亡くなった映画評論家佐藤忠男。

7月13日(水)〜19日(火)

狐の呉れた赤ん坊

1945年(S20)/大映京都/白黒/85分

『狐の呉れた赤ん坊』写真

©KADOKAWA 1945

■監督・脚本:丸根賛太郎/原作:谷口善太郎/撮影:石本秀雄/美術:川村鬼世志/音楽:西梧郎
■出演:阪東妻三郎、橘公子、羅門光三郎、澤村マサヒコ、原健作、阿部九洲男、見明凡太郎、荒木忍

戦後の阪妻主演第一作。大井川の川越人足・張子の寅は、乱暴者だがお人好し。街道筋に狐が出ると聞き退治に行くが、捨て子を拾い育てる羽目に。七年後、子供はさる大名の落とし胤とわかるが。後年、テレビで高廣も主演した人情喜劇。

7月17日(日)〜19日(火)

侍ニッポン

1957年(S32)/松竹京都/白黒/105分 ○国立映画アーカイブ所蔵作品

『侍ニッポン』写真

©1957 松竹株式会社

■監督:大曽根辰保/原作:群司次郎正/脚本:久板栄二郎/撮影:石本秀雄/美術:大角純一/音楽:鈴木静一
■出演:田村高廣、高千穂ひづる、森美樹、近衛十四郎、山内明、山田五十鈴、松本幸四郎

阪妻トーキー初出演で大ヒットした『新納鶴千代』(1935年)を高廣が演じ大きな話題に。安政の大獄で揺れる幕末ニッポン。井伊直弼の落胤鶴千代は、それとも知らず攘夷派にそそのかされ直弼を狙う。幕末動乱に愛憎うずまき桜田門へ!

7月17日(日)〜23日(土)

將軍と参謀と兵

1942年(S17)/日活多摩川/白黒/90分

『將軍と参謀と兵』写真

©日活

■監督:田口哲/原作:伊地知進/脚本:北村勉/撮影:長井信一、滝花?一/美術:今井高一/音楽:江口夜詩
■出演:阪東妻三郎、中田弘二、押本映治、永田靖、林幹、伊沢一郎、水島道太郎、見明凡太郎

昭和十六年中国山西省の日本軍による大包囲殲滅作戦を逸早く映画化した。土岐原兵団司令官(阪妻)を中心に激論の軍議シーンは圧巻だ。苦難を越え黄河河岸に進出する。陸軍省後援で中国ロケを敢行した。オリジナルは109分とされる。

7月17日(日)〜23日(土)

四畳半物語 娼婦しの

1966年(S41)/東映京都/白黒/90分

『四畳半物語 娼婦しの』写真

©東映

■監督・脚本:成澤昌茂/原作:永井荷風/撮影:鈴木重平/美術:鈴木孝俊/音楽:杵屋花叟
■出演:三田佳子、野川由美子、田村高廣、岡崎二朗、三島ゆり子、露口茂、木暮実千代、東野英治郎、進藤英太郎

上野七軒町の待合「立花」。四畳半に娼婦しの(三田佳子)と旗本くずれの糺(高廣)が一つ枕に甘い夢を貪る。しのの情夫竜吉(露口茂)は、二人を裂こうとする。糺はスリだが改心し印刷工に。永井荷風『四畳半襖の下張』を格調高く。

7月20日(水)〜26日(火)

笛吹川

1960年(S35)/松竹大船/カラー/117分

『笛吹川』写真

©1960 松竹株式会社

■監督・脚本:木下惠介/原作:深沢七郎/撮影:楠田浩之/美術:伊藤熹朔、江崎孝坪/音楽:木下忠司
■出演:高峰秀子、田村高廣、市川染五郎、中村萬之助、渡辺文雄、田中晋二、岩下志麻、川津祐介

戦国時代、甲斐国笛吹川に架かる橋の下、遠くから見ると虫籠のように見える小さな家に暮らす貧しい百姓一家の年代記。定平(高廣)は戦が嫌いで、三人の息子に「戦に行くな」と言うが。定平の少年時代役で田村家二男の登志麿が出演。

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