1966年にフジテレビで放送された連続ドラマ「若者たち」は、戦後の傷跡、貧困、学歴差別、学園紛争……など当時の世相、問題を鮮烈に描き反響を呼ぶものの、その社会批判性の強さにより、突然打ち切りに。しかし、放送終了後も圧倒的なファンの支持を得て、テレビ版と同じスタッフ、キャストで映画化。自主上映ながら、その感動と共感の輪はまたたく間に全国に広がり、1年間で300万人の動員を記録しました。

早くに両親を亡くした五人の兄弟妹──土建会社の設計技師、弟妹たちの親がわりとなって戦後の混乱をのりこえてきた長男・田中邦衛、遠距離輸送のトラック運転手で竹を割ったような性格の次男・橋本功、行動的なインテリの三男・山本圭、一家の台所を切り盛りする紅一点・佐藤オリエ、ドライで自己中心的な現代っ子だが、根はやさしい末男・松山省二──が互いに助けあい、時に猛烈に争い、ひたむきに日常を生きていく──。もがき苦しむ若者たちの姿がザ・ブロードサイド・フォーの主題歌とともに胸に迫ります。

『若者たち』写真

©日本映画放送

3月12日(日)〜18日(土)

若者たち

1967年(S42)/劇団俳優座、新星映画社/白黒/96分

■監督:森川時久/脚本:山内久/撮影監督:宮島義勇/美術:平川透徹/音楽:佐藤勝
■出演:田中邦衛、橋本功、山本圭、佐藤オリエ、松山省二、栗原小巻、小川真由美、夏圭子、石立鉄男、江守徹

五人兄弟妹の佐藤家。長男次男が家計を支え、長女が家事をしながら三男を大学に通わせていた。末っ子は浪人中。彼らの間には口喧嘩や取っ組みあいが絶えないが、底では信じあっている。そしてこのひと冬、それぞれが青春の忘れがたい体験をもつ。

『若者はゆく−続若者たち−』写真

©日本映画放送

3月19日(日)〜25日(土)

若者はゆく−続若者たち−

1969年(S44)/俳優座映画放送/白黒/97分

■監督:森川時久/脚本:山内久/撮影監督:宮島義勇/美術:山下宏/音楽:佐藤勝
■出演:田中邦衛、橋本功、山本圭、佐藤オリエ、松山省二、木村夏江、夏圭子、塚本信夫、石立鉄男、江守徹

自主上映でのヒットを受けて製作された『若者たち』の続篇。激動する東京、佐藤家の五人兄弟妹もまた新しい問題にぶつかっていく。長女の職場の労働問題、三男の挫折──。ザ・ブルーベル・シンガーズによる主題歌『昭和ブルース』もヒットした。

『若者の旗』写真

©日本映画放送

3月26日(日)〜4月1日(土)

若者の旗

1970年(S45)/俳優座映画放送/白黒/101分

■監督:森川時久/脚本:山内久/撮影監督:宮島義勇/美術:山下宏/音楽:佐藤勝
■出演:田中邦衛、橋本功、山本圭、佐藤オリエ、松山省二、石立鉄男、井口恭子、山口果林、中谷一郎

『若者たち』三部作の完結篇、舞台は七〇年代に。結婚し独立した次男、昼間は出版社で働き、夜は夜間中学で教鞭をとる三男、自動車セールスマンとなった末弟。ますます激変していく社会のなかで、五人兄弟妹はそれぞれの道を求めようとする。

モーニングショー 朝10時30分より1回のみ上映 ラピュタ阿佐ケ谷

■料金(当日)

一般…1,300円 / シニア・学生…1,100円 / 会員…900円
※水曜サービスデー…1,100円均一

■インフォメーション

  • 午前10時より当日の全回分の整理番号付き入場券を発売します。定員48名になり次第、締め切らせていただきます。
  • 混雑状況により、販売開始時刻を早める場合がございます。
  • 上映開始後10分を過ぎてのご入場はお断りさせていただきます。
  • 作品により画像、音声が必ずしも良好でない場合がございます。あらかじめご了承下さい。

トップ写真: 『若者たち』1967年/森川時久 ©日本映画放送