東映任侠映画の中核を担った男 山下耕作ノ世界

■ 作品解説 / /

『関の彌太ッぺ』写真

(c)東映

11月9日(日) 〜11日(火)

関の彌太ッぺ

1963年(S38)/東映京都/カラー/89分

■企画:小川貴也、翁長孝雄/脚本:成沢昌茂/原作:長谷川伸/撮影:古谷伸/美術:桂長四郎/音楽:木下忠司  ■出演:中村錦之助、十朱幸代、岩崎加根子、月形龍之介、木村功、安部徹、大坂志郎、鳳八千代

長谷川伸の同名原作映画化のなかでも、情念描写にすぐれた股旅ものの決定版。やくざ渡世に生きてきた男の苦渋と心の優しさを、哀しく、美しく謳いあげる。中村錦之助と十朱幸代が木槿の花垣越しに会話するシーンは、日本映画史上屈指の名場面。

『大奥絵巻』写真

(c)東映

11月9日(日) 〜15日(土)

大奥絵巻

1968年(S43)/東映京都/カラー/96分

■企画:岡田茂、翁長孝雄/脚本:成沢昌茂/撮影:鈴木重平/美術:矢田精治/音楽:斎藤一郎  ■出演:佐久間良子、淡島千景、田村高廣、大原麗子、宮園純子、桜町弘子、野添ひとみ、三益愛子、木暮実千代

時は徳川十一代将軍・家斉の頃。大奥に召された美しき三姉妹が、哀しい宿命に導かれ非情な争いを繰り広げる──。女ばかりの生き地獄、大奥を舞台とした華麗で残酷な世界を、佐久間良子、淡島千景、大原麗子ほか豪華女優陣の共演で描く。

『極道』写真

(c)東映

11月9日(日) 〜15日(土)

極道

1968年(S43)/東映京都/カラー/92分

■企画:俊藤浩滋、松平乗道/脚本:鳥居元宏、松本功/撮影:山岸長樹/美術:富田治郎/音楽:八木正生  ■出演:若山富三郎、大木実、清川虹子、鶴田浩二、待田京介、菅原文太、山城新伍、潮健児、金子信雄、内田朝雄、天津敏

釜ヶ崎の極道・島村清吉親分は、全大阪を制覇するというとてつもない野望のもと、凄まじいバイタリティで大組織をぶち破っていく。山高帽にダボシャツ&腹巻姿、破れかぶれのダーティーヒーロー!!若山富三郎を大スターにした「極道」シリーズの第一作。

『緋牡丹博徒』写真

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11月12日(水) 〜18日(火)

緋牡丹博徒

1968年(S43)/東映京都/カラー/98分

■企画:俊藤浩滋、日下部五朗、佐藤雅夫/脚本:鈴木則文/撮影:古谷伸/美術:雨森義允/音楽:渡辺岳夫  ■出演:藤純子、高倉健、若山富三郎、待田京介、清川虹子、山城新伍、若水ヤエ子、三島ゆり子、沼田曜一、山本麟一、大木実、金子信雄

一世を風靡した「緋牡丹博徒」シリーズ第一作。父を殺されたお竜こと、矢野竜子は仇を探して全国の賭場を渡り歩く──。回想で現れるヒロインの初々しい娘ぶり、画面いっぱいに咲く牡丹の花など、山下耕作一流の画面づくりが独特の情緒を盛りあげる。

『続 花と龍 洞海湾の決斗』写真

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11月12日(水) 〜18日(火)

続 花と龍 洞海湾の決斗

1966年(S41)/東映京都/カラー/90分

■企画:小川三喜雄、三村敬三/脚本:田坂啓、中島貞夫/原作:火野葦平/撮影:古谷伸/美術:鈴木孝俊/音楽:三木稔  ■出演:中村錦之助、佐久間良子、淡路恵子、田村高廣、月形龍之介、宮園純子、日高澄子、小松方正、浜村純、佐藤慶

若松港に一家を構えた玉井金五郎は、沖仲士の組合結成のため、持前の度胸と根性で人々をまとめあげていく──。火野葦平原作の映画化で、『花と龍』('65)の続篇。中村錦之助の名演技によって、野心に燃える青年の姿がロマンティックに描かれる。

『続 兄弟仁義』写真

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11月16日(日) 〜22日(土)

続 兄弟仁義

1966年(S41)/東映京都/カラー/89分

■企画:西川幸男、俊藤浩滋、橋本慶一/脚本:村尾昭/撮影:わし尾元也/美術:塚本隆治/音楽:菊池俊輔  ■出演:北島三郎、里見浩太郎、村田英雄、大木実、小川知子、小松方正、鶴田浩二、金子吉延

北島三郎の名調子にのせて、任侠道に生きる男たちの世界を切々と謳いあげたシリーズ第二弾。第一作が予想外のヒットを記録したことから、本作以降はカラーに。山下耕作が正攻法でじっくりと撮りあげ、骨のある任侠映画に仕立てた。

『緋牡丹博徒 鉄火場列伝』写真

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11月16日(日) 〜22日(土)

緋牡丹博徒 鉄火場列伝

1969年(S44)/東映京都/カラー/110分

■企画:俊藤浩滋、日下部五朗/脚本:笠原和夫、鈴木則文/撮影:古谷伸/美術:矢田精治/音楽:渡辺岳夫  ■出演:藤純子、鶴田浩二、待田京介、里見浩太郎、若山富三郎、丹波哲郎、名和宏、天津敏、河津清三郎

子分の身元引受のため四国徳島に立ちよったお竜は、折からの小作争議に巻き込まれていく──。女であり侠客であるという矛盾に苦しむ藤、堅気に徹する元やくざの待田、子連れの渡世人・鶴田など、登場人物それぞれの葛藤をみごとに紡ぎあげたシリーズ第五作。

『日本女侠伝 侠客芸者』写真

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11月19日(水) 〜25日(火)

日本女侠伝 侠客芸者

1969年(S44)/東映京都/カラー/99分

■企画:俊藤浩滋、日下部五朗/脚本:野上龍雄/撮影:鈴木重平/美術:雨森義允/音楽:木下忠司  ■出演:藤純子、高倉健、若山富三郎、桜町弘子、三島ゆり子、藤山寛美、金子信雄、遠藤辰雄

「緋牡丹博徒」につぐ藤純子主演のシリーズ「日本女侠伝」。ヒロインの名前も舞台設定も毎回異なるが、山下耕作による三本が、女の想念の姿をとりわけ鮮やかに描いて印象深い。第一作となる本作では、藤純子が侠気あふれる馬賊芸者に扮して魅せる。

『昭和残侠伝 人斬り唐獅子』写真

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11月19日(水) 〜25日(火)

昭和残侠伝 人斬り唐獅子

1969年(S44)/東映東京/カラー/105分

■企画:俊藤浩滋、吉田達/脚本:神波史男、長田紀生/撮影:林七郎/美術:藤田博/音楽:菊池俊輔  ■出演:高倉健、池部良、片岡千恵蔵、小山明子、大木実、葉山良二、沼田曜一、寺島達夫、須賀不二男、内田朝雄

昭和初期の浅草。老舗一家と新興やくざの勢力争いのなか、図らずも敵対関係となる兄弟分の花田と風間──。「昭和残侠伝」シリーズ、唯一の山下耕作監督作品。高倉×池部、雪の道行きに、鮮烈な斬り込みシーン。男たちの放つ色香に圧倒される第六作。