2024年1月2日(火)〜2月10日(土)ラピュタ阿佐ケ谷
協力:東宝株式会社、国際放映株式会社、松竹株式会社、日活株式会社、国立映画アーカイブ
お知らせ
《チラシ情報訂正のお知らせ》
1月26日(金)より上映の『アツカマ氏とオヤカマ氏』(1955年)、チラシの分数表記に誤りがございました。
【誤】90分 → 【正】85分
ここに訂正してお詫び申し上げます。
東宝の絶対的エース、千葉泰樹の復権のために
千葉泰樹は無声映画時代からキャリアを始め、撮影所時代衰退期まで、娯楽映画の名手として第一線で活躍した。とりわけ戦後は東宝を代表する最強の一番打者として、重厚なドラマから多幸感溢れる軽快な風俗劇、甘美なメロドラマまで幅広いジャンルの映画を監督し、その職人芸で東宝の屋台骨を支えた。千葉泰樹がいてこその黒澤明であり、成瀬巳喜男だったのだ。
稀代のヒットメーカーであった千葉は、その人柄も多くの映画人に愛され、東宝には宝田明と藤木悠を幹事とする〈千葉会〉なる親睦の会があったという。そして千葉の作品に出演した俳優はその演出術と人柄に魅了され、再び千葉作品に出演することを望んだ。
千葉泰樹とは映画の質を保証してくれる絶対的な名詞なのである。今、まさに千葉泰樹を見る幸福を噛みしめて、スキップをしながら本特集に駆けつけよう。
text by 木全公彦(映画評論家)
千葉泰樹 (ちばやすき)
1910年(M43)6月24日、旧満州・長春生まれ。28年、兵庫県立神戸商業を卒業と同時に、阪妻立花ユニヴァーサル聨合映画に助監督として入社。翌29年、河合映画巣鴨撮影所へ移り、30年『蒼白き人々』で監督デビュー。初期は時代劇を多く撮り、富国映画社、台湾プロを経て、日活入社。日活では現代劇を手がけ、この頃の代表作に『美しき鷹』、『人生劇場 残侠篇』がある。39年、南旺映画に移り、同社の第一作『空想部落』をはじめ、『秀子の應援團長』『彦六なぐらる』などのヒット作を生む。しかし40年に製作された『煉瓦女工』が検閲で公開不許可処分を受け、これが原因で同社は東宝に身売り。千葉は42年、大映東京撮影所へ。47年にフリーとなってからは、新東宝、松竹、日活、東映など各社に呼ばれ、優れた作品をコンスタントに送りだした。56年より東宝専属。獅子文六原作・加東大介主演の「大番」四部作、中篇文芸映画“ダイヤモンド・シリーズ”の『鬼火』『下町』、宝田明と尤敏を起用した香港三部作など。69年『水戸黄門漫遊記』を最後に引退。晩年は東宝製作のテレビ映画の監修をしていた。85年9月18日死去。
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