2024年7月14日(日)〜8月31日(土) モーニングショー 連日10時30分スタート
ラピュタ阿佐ケ谷

前衛的なPR映画、記録映画から出発し、1970年代のATGを代表する監督として高い評価を受けた黒木和雄。
日本映画の最盛期にデビューしつつも、商業主義から遠く離れたところで表現に挑み続け、独自の存在感を示しました。

今回は初の長篇劇映画『とべない沈黙』から、代表作『竜馬暗殺』『祭りの準備』、そしてフィルモグラフィーにおいてもひとつの到達点となった『TOMORROW 明日』まで、計7作品を連続上映いたします。

トークイベント

  • 7月28日(日)10:30『祭りの準備』上映後
    ゲスト:江藤 潤さん 聞き手:立花 珠樹さん(共同通信社編集委員)
  • ※料金:1,700円均一
  • ※招待券はご利用いただけません。

料金/インフォメーション

7月14日(日)〜20日(土)10:30

とべない沈黙

1966年(S41)/日本映画新社/白黒/100分

『とべない沈黙』写真

©1966 東宝

■脚本:松川八洲雄、岩佐寿弥、黒木和雄/撮影:鈴木達夫/美術:山下宏/音楽:松村禎三
■出演:加賀まりこ、平中実、小沢昭一、戸浦六宏、長門裕之、蜷川幸雄、小松方正、渡辺文雄、田中邦衛

北海道に生息するはずのないナガサキアゲハを捕まえた少年。しかし大人たちはその事実を否定する──。蝶の幼虫が多くの偶然に操られて日本列島を縦断、少年のもとに辿りつくまでをみずみずしい映像で綴った意欲作。加賀まりこが六役。

7月21日(日)〜27日(土)10:30

キューバの恋人

1969年(S44)/黒木プロダクション、キューバ国立映画芸術協会/白黒/101分

『キューバの恋人』写真

■脚本:阿部博久、加藤一郎、黒木和雄/撮影:鈴木達夫/音楽:松村禎三
■出演:津川雅彦、ジュリー・プラセンシア、グロリア・リー、アルマンド・ウルバチ、フランシスコ・カスティセーノ、ニコラス・ギリエン

漁業指導員としてキューバに渡ったノンポリ青年が、女民兵との恋に破れて、革命と自身との距離を知る──。キューバ革命十周年記念の合作映画。カストロやゲバラの演説など歴史的映像がふんだんに盛りこまれた野心的なロードムービー。

7月28日(日)〜8月3日(土)10:30

祭りの準備

1975年(S50)/綜映社、映画同人社、日本アート・シアター・ギルド/カラー/116分

『祭りの準備』写真

©1975 綜映社/東宝

■原作・脚本:中島丈博/撮影:鈴木達夫/美術:木村威夫、丸山裕司/音楽:松村禎三
■出演:江藤潤、竹下景子、桂木梨江、原田芳雄、ハナ肇、杉本美樹、犬塚弘、芹明香、馬渕晴子、絵沢萠子、浜村純

信用金庫勤務、シナリオ作家志望の主人公青年は、閉鎖的なムラ社会のなかでもがき苦しみながら、やがて旅立ちの日を迎える──。昭和三〇年代初めの高知県を舞台にした、脚本家・中島丈博の半自伝的作品。青春映画の傑作である。

8月4日(日)〜10日(土)10:30

竜馬暗殺

1974年(S49)/映画同人社、日本アート・シアター・ギルド/白黒/118分

『竜馬暗殺』写真

©1974 映画同人社/東宝

■脚本:清水邦夫、田辺泰志/撮影:田村正毅/美術:山下宏/音楽:松村禎三
■出演:原田芳雄、石橋蓮司、松田優作、中川梨絵、桃井かおり、田村亮、山谷初男、川村真樹、外波山文明、粟津號

幕末の志士、坂本龍馬が暗殺されるまでの最後の三日間──。通説に従わず、七〇年代新左翼運動の内紛をダブらせ、新解釈で描いた異色の時代劇。主演の原田芳雄は豪快かつナイーブなアウトロー像をみごとに造型、従来の龍馬像を覆す。

8月11日(日)〜17日(土)10:30

原子力戦争

1978年(S53)/文化企画プロモーション、日本アート・シアター・ギルド/カラー/106分

『原子力戦争』写真

©1978 文化企画/東宝

■原作:田原総一朗/脚本:鴨井達比古/撮影:根岸栄/美術:丸山裕司/音楽:松村禎三
■出演:原田芳雄、山口小夜子、風吹ジュン、磯村みどり、石山雄大、浜村純、佐藤慶、和田周、草薙幸二郎、岡田英次

消えた恋人を追って東北のある港町にやってきたヤクザが、原子力発電所をめぐる賛成派と反対派の利権争いに巻きこまれていく──。田原総一朗の迫真のドキュメント・ノベル『原子力戦争』に刺激され取り組んだ社会派サスペンス。

8月18日(日)〜24日(土)10:30

夕暮まで

1980年(S55)/アートセンター/カラー/110分

『夕暮まで』写真

©1980 綜映社

■原作:吉行淳之介/脚本:浜地一郎、田辺泰志/撮影:鈴木達夫/美術:山下宏、内田欣哉/音楽:荒木一郎
■出演:桃井かおり、伊丹十三、加賀まりこ、山口美也子、馬渕晴子、風間杜夫、大橋芳枝

妻子ある中年作家が、ヴァージンを標榜する女子大生と知りあい、性交渉を伴わない奇妙な不倫関係が始まる──。「夕暮れ族」の流行語を生んだ吉行淳之介のベストセラー小説を映画化。桃井かおりと伊丹十三の主演で話題をふりまいた。

8月25日(日)〜31日(土)10:30

TOMORROW 明日

1988年(S63)/ライトヴィジョン、沢井プロダクション、創映新社/カラー/105分

『TOMORROW 明日』写真

©1988 ライトヴィジョン・創映新社・沢井プロダクション

■原作:井上光晴/脚本:黒木和雄、井上正子、竹内銃一郎/撮影:鈴木達夫/美術:内藤昭/音楽:松村禎三
■出演:桃井かおり、南果歩、仙道敦子、黒田アーサー、佐野史郎、岡野進一郎、長門裕之

長崎被曝の前日、昭和二〇年八月八日の同市のなんでもない日常風景。新婚夫婦に出産間近の妊婦、召集令状によって引き離される恋人たち──。明日を信じて生きる人々を柔和なまなざしで淡々と描きながら、衝撃の一瞬につなげた。

■料金(当日)

一般…1,400円 / シニア・学生…1,200円 / 会員…1,000円 / 水曜サービスデー…1,200円均一

■インフォメーション

  • 各回定員入れ替え制
  • 午前10時より当日の全回分の整理番号付き入場券を発売します。定員48名になり次第、締め切らせていただきます。
  • 混雑状況により、販売開始時刻を早める場合がございます。
  • 上映開始後10分を過ぎてのご入場はお断りさせていただきます。
  • 作品により画像、音声が必ずしも良好でない場合がございます。あらかじめご了承下さい。

トップ写真: 『とべない沈黙』(1966年/黒木和雄)©1966 東宝