『鴎よ、きらめく海をみたか めぐり逢い』写真

©1975 綜映社/ATG

3月19日(水) 〜25日(火)

鴎よ、きらめく海をみたか めぐり逢い

1975年(S50)/綜映社、ATG/カラー/92分

■監督:吉田憲二/原作・脚本:岩間芳樹/撮影:大津幸四郎/美術:横尾嘉良/音楽:真鍋理一郎
■出演:田中健、高橋洋子、根岸明美、下条正巳、天の夕づる、三笑亭笑三、萩原健一、あがた森魚、高岡健二

幻のユートピアを夢みながら都会の片隅で不器用に生きる若者、克夫と久美の無様なほどに純粋な愛、そして破局──。岩間芳樹のオリジナルシナリオ『現代日本艶歌』を映画化した青春篇。ヒロイン高橋洋子が地方出身のOLを好演している。

『エロス+虐殺』写真

©現代映画社

3月23日(日) 〜29日(土)

エロス+虐殺

1970年(S45)/現代映画社/白黒/165分

■監督・脚本:吉田喜重/脚本:山田正弘/撮影:長谷川元吉/美術:石井強司/音楽:一柳慧
■出演:岡田茉莉子、細川俊之、楠侑子、高橋悦史、八木昌子、稲野和子、新橋耐子、松枝錦治、伊井利子、原田大二郎

大正のアナーキスト・大杉栄が自ら提唱、実践した自由恋愛論によって、愛人の一人に刺される「日陰茶屋事件」と現代の男女の物語が交錯。互いに相手を照らしあう──。長谷川元吉の撮影、一柳慧の音楽!美しく刺激的な吉田喜重の代表作。

『日本の悪霊』写真

©1970 中島正幸プロ/ATG

3月23日(日) 〜29日(土)

日本の悪霊

1970年(S45)/中島正幸プロダクション、ATG/白黒/96分

■監督:黒木和雄/原作:高橋和巳/脚本:福田善之/撮影:堀田泰寛/美術:平田逸郎/音楽:岡林信康、早川義夫
■出演:佐藤慶、観世栄夫、高橋辰夫、高橋美智子、土方 、岡林信康、渡辺文雄、殿山泰司

当時の若者に思想的影響を与えた高橋和巳の小説を、黒木和雄が大胆に映像化。学生運動の過去をもつヤクザと、生真面目な刑事の入れ替わり劇を佐藤慶が一人二役で熱演する。随所に登場する岡林信康のライヴパフォーマンスも必見。

『鬼の詩』写真

©1975 鐵プロ/ATG

3月26日(水) 〜4月1日(火)

鬼の詩

1975年(S50)/鐵プロダクション、ATG/カラー/93分

■監督・脚本:村野鐵太郎/原作・脚本:藤本義一/脚本:杉浦久/撮影:吉岡康弘/美術:上野堯/音楽:林光
■出演:桂福団治、片桐夕子、露の五郎、中原早苗、井川比佐志、信欣三、本郷淳、早川雄三、伊達三郎

大映を離れフリーとなった村野鐵太郎が自ら資金を集めて製作した芸道物の力作。原作は藤本義一の直木賞受賞小説で、明治末期、グロテスクなまでの珍芸で人気を集めた落語家・桂馬喬の破格な人生、芸に対する執念を描く。

『鉄砲玉の美学』写真

©東映

3月26日(水) 〜4月1日(火)

鉄砲玉の美学

1973年(S48)/白楊社、ATG/カラー/100分

■監督:中島貞夫/脚本:野上龍雄/撮影:増田敏雄/音楽:荒木一郎と頭脳警察
■出演:渡瀬恒彦、杉本美樹、森みつる、碧川ジュン、小池朝雄、松井康子、荒木一郎、大木正司、広瀬義宣

自身の破滅とひきかえに、ハジキ一挺&現ナマ百万を手にして九州に乗り込んだチンピラ。興奮と緊張は次第に怯えと焦りに変わっていく──。任侠から実録へ、東映やくざ映画の主流が変わる頃に中島貞夫が放った一本。頭脳警察のロックも魅力。

『河 あの裏切りが重く』写真

 

3月30日(日) 〜4月1日(火)

河 あの裏切りが重く

1967年(S42)/フィルム新映人/白黒/102分

■監督・脚本・編集:森弘太/撮影:高田昭/音響デザイン:一柳慧/照明:村瀬信夫/録音:鈴木康夫
■出演:灰地順、富田公子、原泉、芹川洋、阪上和子、沖野一夫、小山源喜、福山靖人、浜村純、佐藤慶

広島で人を探す、一人の男と一人の女。相生橋、太田川べりの被爆者部落。二人は二〇年の時間を逆行するかのごとく歩み始める──。大映で助監督をしていた森弘太がフリーとなって自主製作、安保闘争の挫折経験を重ねながら描く「ヒロシマ」。

○川崎市市民ミュージアム所蔵作品

『祭りの準備』写真

©1975 綜映社/東宝

3月30日(日) 〜4月5日(土)

祭りの準備

1975年(S50)/綜映社、映画同人社、ATG/カラー/116分

■監督:黒木和雄/原作・脚本:中島丈博/撮影:鈴木達夫/美術:木村威夫、丸山裕司/音楽:松村禎三
■出演:江藤潤、竹下景子、桂木梨江、原田芳雄、ハナ肇、杉本美樹、犬塚弘、芹明香、馬渕晴子、森本レオ、絵沢萠子

信用金庫勤務、シナリオ作家志望の主人公青年は、田舎の閉鎖的な村社会のなかでもがき苦しみながら、やがて旅立ちの日を迎える──。昭和三〇年代初めの高知県を舞台にした脚本家・中島丈博の半自伝的作品、青春映画の傑作である。