10月23日(水)〜29日(火)

涙を、獅子のたて髪に

1962年(S37)/松竹大船/白黒/91分

『涙を、獅子のたて髪に』写真

©1962 松竹株式会社

■監督・脚本:篠田正浩/脚本:寺山修司、水沼一郎/撮影:小杉正雄/美術:梅田千代夫/音楽:武満徹、八木正生
■出演:藤木孝、加賀まりこ、早川保、南原宏治、岸田今日子、山村聰、小池朝雄、神山繁

日雇い港湾労務者から暴力でピンハネをしている「横浜のダニ」藤木孝。純真な少女を知ることによって、人間性をとり戻そうと焦った結果──。松竹ヌーヴェルヴァーグの1人、篠田正浩の凄惨な青春映画。本作で加賀まりこが映画デビュー。

10月27日(日)〜29日(火)

狂熱の果て

1961年(S36)/佐川プロダクション/白黒/78分 ◯国立映画アーカイブ所蔵作品

『狂熱の果て』写真

■監督・脚本:山際永三/原作:秋本マサミ/脚本:山田健/撮影:岡田公直/美術:宮沢計次/音楽:林光、萩原秀樹
■出演:星輝美、藤木孝、松原緑郎、沢村みつ子、鳴門洋二、松浦浪路、奈良あけみ

歪んだ家庭環境への反抗から、女子高生は六本木族と呼ばれる無軌道な青春グループに加わるように──。新東宝倒産後、同社プロデューサー佐川滉の独立プロで監督のチャンスを掴んだ山際永三。「遅れてきたヌーヴェルヴァーグ」と注目を集めた。

10月27日(日)〜11月2日(土)

砂の上の植物群

1964年(S39)/日活/パートカラー/95分

『砂の上の植物群』写真

©日活

■監督・脚本:中平康/原作:吉行淳之介/脚本:池田一朗、加藤彰/撮影:山崎善弘/美術:大鶴泰弘/音楽:黛敏郎
■出演:仲谷昇、稲野和子、西尾三枝子、島崎雪子、高橋昌也、小池朝雄、信欣三

中年期にさしかかった化粧品セールスマンが、若い姉妹とともにのめりこんでいく倒錯的な性──。原作は映像化困難といわれた吉行淳之介の同名小説。中平康が華麗な演出テクニックを駆使してエロティシズムの世界を探究する。

10月30日(水)〜11月2日(土)、6日(水)〜9日(土)

大殺陣

1964年(S39)/東映京都/白黒/118分

『大殺陣』写真

©東映

■監督:工藤栄一/脚本:池上金男/撮影:古谷伸/美術:富田治郎/音楽:鈴木静一
■出演:里見浩太郎、平幹二朗、河原崎長一郎、大坂志郎、安部徹、宗方奈美、三島ゆり子、大木実、大友柳太朗

時は4代将軍家綱の頃。荒んだ政道に憤りを覚えた軍学者・山鹿素行は、一党を組んで大規模な暗殺計画を企てる──。『十三人の刺客』(1963年)に次ぐ工藤栄一の集団抗争時代劇、第2弾。華麗さを排した、血みどろの壮絶な殺陣。

10月30日(水)〜11月5日(火)

にっぽん泥棒物語

1965年(S40)/東映東京/白黒/117分

『にっぽん泥棒物語』写真

©東映

■監督:山本薩夫/脚本:高岩肇、武田敦/撮影:仲沢半次郎/美術:森幹男/音楽:池野成
■出演:三國連太郎、佐久間良子、伊藤雄之助、緑魔子、江原真二郎、北林谷栄、市原悦子、千葉真一、加藤嘉

完璧な仕事ぶりで有名な土蔵破りが、ある夜不気味な集団を目撃。直後に列車転覆事故が勃発する──。松川事件をモチーフにした、山本薩夫流社会派エンターテインメント。三國連太郎が圧倒的な演技で笑わせ、泣かせてくれる。

10月30日(水)〜11月5日(火)

どついたるねん

1989年(H1)/荒戸源次郎事務所/カラー/110分

『どついたるねん』写真

©1989/提供:リトルモア

■監督・脚本:阪本順治/撮影:笠松則通/美術:丸尾知行/音楽:原一博
■出演:赤井英和、相楽晴子、原田芳雄、麿赤兒、大和武士、美川憲一、笑福亭松之助、正司照枝、芦屋小雁、輪島功一

再起不能となりながらもカムバックに賭けるボクサーの敗者復活劇。「浪速のロッキー」こと赤井英和の自伝小説を本人主演で映画化。日本映画史上稀にみるボクシング映画の快作として注目を集め、阪本順治が華々しいデビューを飾った。

11月3日(日)〜5日(火)

組織暴力

1967年(S42)/東映東京/カラー/88分 ◯国立映画アーカイブ所蔵作品

『組織暴力』写真

©東映

■監督:佐藤純彌/脚本:佐治乾、鈴樹三千夫/撮影:仲沢半次郎/美術:北川弘/音楽:佐藤勝
■出演:丹波哲郎、千葉真一、鶴田浩二、内田良平、近藤宏、渡辺文雄、小松方正、月形龍之介

密輸拳銃に群がる暴力団とハイエナのような売人たち、そしてその陰には?激化する抗争のなか、鬼警部の情け容赦ない捜査と摘発が始まった──。任侠映画全盛期の東映で、現代の組織暴力を。徹底してハードボイルド調で描いた佐藤純彌の秀作。

11月3日(日)〜9日(土)

甘い夜の果て

1961年(S36)/松竹大船/白黒/85分

『甘い夜の果て』写真

©1961 松竹株式会社

■監督・脚本:吉田喜重/脚本:前田陽一/撮影:成島東一郎/美術:芳野尹孝/音楽:林光
■出演:津川雅彦、山上輝世、瑳峨三智子、杉田弘子、瞳麗子、滝沢修、佐々木孝丸、佐藤慶、浜村純

デパート勤めの青年が、女性を利用して社会のはしごを登っていこうとする──という吉田喜重のジュリアン・ソレル現代版。前田陽一と共同で執筆された脚本は、舞台を高度経済成長の象徴ともいわれた工業都市・四日市に。

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