7月28日(日) 〜30日(火)

原爆の子

1952年(S27)/近代映画協会、劇団民藝/白黒/98分

『原爆の子』写真

©近代映画協会

■監督・脚本:新藤兼人/撮影:伊藤武夫/美術:丸茂孝/音楽:伊福部昭
■出演:乙羽信子、細川ちか子、清水将夫、滝沢修、北林谷栄、英百合子、小夜福子、宇野重吉、奈良岡朋子、東野英治郎、山内明

原爆で家族を失った女教師が、数年ぶりに広島へ戻り、かつての教え子たちを訪ね歩く──。被爆児の体験記から新藤兼人が脚色・監督、近代映画協会の第一回自主制作作品。原爆を題材とした最初の劇映画で、世界各国で上映された。

7月28日(日) 〜8月3日(土)

山びこ学校

1952年(S27)/八木保太郎プロダクション、日本教職員組合/白黒/105分 ※16mm

『山びこ学校』写真

写真提供:独立プロ名画保存会

■監督:今井正/原作:無着成恭/脚本:八木保太郎/撮影:伊藤武夫/美術:川島泰造/音楽:大木正夫
■出演:木村功、岡田英次、杉葉子、滝沢修、北林谷栄、丹阿弥谷津子、東野英治郎、殿山泰司

山間の貧しい村で、無着成恭先生が行った生活綴方運動──。作文集『山びこ学校』に感動した八木保太郎らが映画化を計画、苦しい製作条件と闘いながら、現地や山形県教組の応援で完成した。 人間教育のすばらしいドラマ。

7月28日(日) 〜8月3日(土)

雲ながるる果てに

1953年(S28)/新世紀映画、重宗プロダクション/白黒/100分

『雲ながるる果てに』写真

写真提供:独立プロ名画保存会

■監督・脚本:家城巳代治/脚本:八木保太郎、直居欽哉/撮影:中尾駿一郎/美術:五所福之助/音楽:芥川也寸志
■出演:鶴田浩二、木村功、岡田英次、原保美、神田隆、沼田曜一、金子信雄、山田五十鈴

昭和二十年春、本土南端の特攻隊基地。軍人精神に忠実であろうとする鶴田浩二の中尉を中心に、さまざまな想いを胸にした学徒兵たちの短い青春が鮮やかに描きだされる。同名の手記集をもとにした反戦映画の名篇。

7月31日(水) 〜8月6日(火)

箱根風雲録

1952年(S27)/劇団前進座、新星映画社/白黒/136分 ※16mm

『箱根風雲録』写真

写真提供:独立プロ名画保存会

■監督・脚本:山本薩夫/原作:タカクラ・テル/脚本:楠田清、平田兼三/撮影:前田実、仲沢半次郎/美術:本木勇/音楽:大木正夫
■出演:河原崎長十郎、中村翫右衛門、薄田研二、山田五十鈴、轟夕起子

江戸商人・友野与右衛門は芦ノ湖の水を箱根の西までひく大工事を計画。農民たちと協力してすすめるが、時の幕府に弾圧される──。原作はタカクラ・テルの『箱根用水』。時代の先駆者を感動的に描いたスケールの大きな一本。

8月4日(日) 〜10日(土)

にごりえ

1953年(S28)/文学座、新世紀映画/白黒/130分

『にごりえ』写真

写真提供:独立プロ名画保存会

■監督:今井正/原作:樋口一葉/脚本:水木洋子、井手俊郎/撮影:中尾駿一郎/美術:平川透徹/音楽:團伊玖磨
■出演:丹阿弥谷津子、芥川比呂志、三津田健、久我美子、長岡輝子、淡島千景、山村聰、杉村春子

樋口一葉の短篇小説「十三夜」「大つごもり」「にごりえ」をオムニバス形式で。人妻、下女、酌婦──。丹阿弥谷津子、久我美子、淡島千景の三女優を使い、しっとりとした画面で明治女の幸と不幸を描いた。この年のキネマ旬報ベストテン第一位。

8月4日(日) 〜10日(土)

真空地帯

1952年(S27)/新星映画社/白黒/129分

『真空地帯』写真

写真提供:独立プロ名画保存会

■監督:山本薩夫/原作:野間宏/脚本:山形雄策/撮影:前田実/美術:川島泰造、平川透徹/音楽:團伊玖磨
■出演:木村功、利根はる恵、岡田英次、沼田曜一、薄田研二、加藤嘉、神田隆、三島雅夫

陸軍刑務所から原隊復帰した一等兵の反抗ぶりと、彼をひそかに支持する男──。上官への憎悪をつのらせる下級兵士の復讐劇を軸に、軍隊生活の非人間性をリアルに描きだした。野間宏の実体験にもとづく長篇小説を映画化。

8月7日(水) 〜13日(火)

太陽のない街

1954年(S29)/新星映画社/白黒/140分 ※16mm

『太陽のない街』写真

写真提供:独立プロ名画保存会

■監督:山本薩夫/原作:徳永直/脚本:立野三郎/撮影:前田実/美術:久保一雄/音楽:飯田信夫
■出演:日高澄子、原保美、信欣三、殿山泰司、二本柳寛、東野英治郎、永田靖、桂通子、薄田研二、岸旗江

三十人の首きりから、三千人の印刷工、その家族一万五千人がたちあがる──。原作は徳永直の同名小説。昭和初期の東京小石川、「太陽のない街」と呼ばれるドブ川沿いのトンネル長屋を舞台に、ある印刷所の大争議を描く。

8月11日(日) 〜13日(火)

わかれ雲

1951年(S26)/スタジオ8プロダクション、新東宝/白黒/96分 ○国立映画アーカイブ所蔵作品

『わかれ雲』写真

©国際放映

■監督・脚本:五所平之助/脚本:館岡謙之助、田中澄江/撮影:三浦光雄/美術:久保一雄/音楽:斎藤一郎
■出演:沢村契恵子、沼田曜一、川崎弘子、三津田健、福田妙子、中村是好、岡村文子、倉田マユミ

旅先で病に倒れた女子大生が、土地の人々との交流によって、明るく素直な気持ちにかえっていく──。東宝争議のあと、独立プロでの活動を余儀なくされた五所平之助監督が「スタジオ8プロダクション」を設立して再起した第一作。

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