『脂のしたたり』写真

(c)角川映画

1月4日(水) 〜10日(火)

脂のしたたり

1966年(S41)/大映東京/カラー/85分

■監督:田中徳三/原作:黒岩重吾/脚本:高久進/撮影:中川芳久/美術:高橋康一/音楽:池野成
■出演:田宮二郎、冨士真奈美、成田三樹夫、久保菜穂子、山下洵一郎、鈴木瑞穂、須賀不二男、金子信雄

謎の女が業績不振の会社の株を数万株も買ったことに疑惑の眼を向けた男は、背後にアジアの死の商人が暗躍するのを知り、闘いを挑む。サングラスのダンディな成田三樹夫、久保菜穂子が妖しいノワールなムードを一層高めている。

『硫黄島』写真

(c)日活

1月8日(日) 〜14日(土)

硫黄島

1959年(S34)/日活/白黒/88分 ※16mm

■監督:宇野重吉/原作:菊村到/脚本:八住利雄/撮影:井上莞/美術:木村威夫/音楽:斎藤一郎
■出演:大坂志郎、小高雄二、芦川いづみ、小沢栄太郎、芦田伸介、渡辺美佐子、佐野浅夫、山内明

硫黄島から生き残った二人の男から苦悩と恐怖の体験を聞いた新米の新聞記者は、関係者を訪ね、さらに凄惨で恐るべき驚愕の事実を知る。忘れられつつある戦争の記憶と罪の意識を非情なタッチで描いた同名芥川賞受賞作の映画化。

『若い樹』写真

(c)東宝

1月8日(日) 〜14日(土)

若い樹

1956年(S31)/東宝/白黒/90分

■監督・脚本:本多猪四郎/原作:小糸のぶ/脚本:池田一朗/撮影:山崎一雄/音楽:飯田信夫
■出演:青山京子、山田真二、佐野周二、太刀川洋一、宮桂子、森啓子、志村喬、清川虹子、沢村貞子

母を亡くし伯母を頼って上京する途中、小泉浩子(青山)は汽車の中で大学生堀田(山田)と知り合う。高校の卓球部に入りコーチとして再会した堀田は女生徒の憧れの的だった。思春期の少女たちの友情と揺れ動く心理を描く文芸映画。

『負ケラレマセン勝ツマデハ』写真

(c)東宝

1月11日(水) 〜17日(火)

負ケラレマセン勝ツマデハ

1958年(S33)/東京映画/白黒/106分

■監督:豊田四郎/原作:坂口安吾/脚本:八住利雄/撮影:安本淳/美術:河東安英/音楽:芥川也寸志
■出演:森繁久彌、伴淳三郎、淡島千景、小林桂樹、望月優子、野添ひとみ、乙羽信子、有島一郎、左卜全

車・オート三輪の幌を張り替える店のオーナー森繁は赤字経営で不当な税金に頭を痛め一念発起する。家族で一致団結、差押えを強行する税吏との闘いをユーモラスに描いた風刺喜劇。坂口安吾の同名の闘税日記を自由に翻案している。

『風と雲と砦』写真

(c)角川映画

1月11日(水) 〜17日(火)

風と雲と砦

1961年(S36)/大映京都/白黒/92分

■監督:森一生/原作:井上靖/脚本:八住利雄/撮影:本多省三/美術:西岡善信/音楽:塚原晢夫
■出演: 勝新太郎、小林勝彦、三田村元、水谷良重、近藤美恵子、江波杏子、安部徹、見明凡太朗

武田信玄が風林火山の旗をなびかせ三河の徳川領になだれこんだ戦国の世、野心に燃えた三人の青年が徳川の雑兵の中にいた。野武士の統領に、武田方に、それぞれ恋と野望に生きた乱世の男たちを壮烈なタッチで描く時代劇。

『点と線』写真

(c)東映

1月15日(日) 〜21日(土)

点と線

1958年(S33)/東映東京/カラー/85分

■監督:小林恒夫/原作:松本清張/脚本:井手雅人/撮影:藤井静/音楽:木下忠司
■出演:南広、山形勲、高峰三枝子、志村喬、堀雄二、河野秋武、加藤嘉、月丘千秋

福岡の海岸で心中死体が発見され、男が汚職事件の渦中の人物だったことから二人の刑事がそれぞれ捜査を始めると意外な展開に。有名な東京駅での<空白の四分間>など時刻表、列車空間の魅力を活かした旅情ミステリーとしても秀逸。

『可愛いめんどりが歌った』写真

(c)角川映画

1月15日(日) 〜21日(土)

可愛いめんどりが歌った

1961年(S36)/大映東京/白黒/83分

■監督:富本壮吉/原作:藤原審爾/脚本:笠原良三/撮影:小原譲治/美術:間野重雄/音楽:宇野誠一郎
■出演:大空真弓、田宮二郎、川崎敬三、三木裕子、左幸子、菅原謙二、森山加代子、杉田康

大阪から上京し叔父のテレビ脚本家の家に居候する天衣無縫なハイティーン娘が、突然ドラマの主役に抜擢され、周囲の大人たちを翻弄させる。「痴人の愛」現代版で、大空真弓の大映初主演作。森山加代子の主題歌も当時話題になった。

『夢でありたい』写真

(c)角川映画

1月18日(水) 〜24日(火)

夢でありたい

1962年(S37)/大映東京/カラー/89分

■監督:富本壮吉/原作:舟橋聖一/脚本:沢村勉/撮影:中川芳久/美術:下河原友雄/音楽:林光
■出演:山本富士子、田宮二郎、渡辺文雄、江波杏子、高峰三枝子、山村聰、村田知栄子、角梨枝子

浮気性でエゴイストの夫に失望を隠せない人妻園子(山本)は、夫と対照的な建築家(田宮)に惹かれ、愛し合うようになる。しかし、自らの出生の秘密を知った園子は激しく動揺する。山本富士子が円熟した演技を披露するメロドラマである。

texy by 高崎俊夫