『処刑の部屋』写真

(c)角川映画

1月18日(水) 〜24日(火)

処刑の部屋

1956年(S31)/大映東京/白黒/96分

■監督:市川崑/原作:石原慎太郎/脚本:和田夏十、長谷部慶治/撮影:中川芳久/音楽:宅孝二
■出演:川口浩、若尾文子、川崎敬三、梅若正義、入江洋佑、月田昌也、宮口精二、岸輝子、中村伸郎

無軌道な大学生の性と暴力を描く太陽族映画。公開時、市川監督と反社会性を批判する評論家の論争が話題となった。とくに主人公が女子大生に睡眠薬を飲ませレイプする場面を中平康が『牛乳屋フランキー』でパロディにしたのは有名。

1月22日(日) 〜28日(土)

私は忘れない

1960年(S35)/松竹大船/カラー/86分

■監督・脚本:堀内真直/原作:有吉佐和子/脚本:八木美津雄/撮影:小原治夫/音楽:木下忠司
■出演:中圭子、小坂一也、山本豊三、柴田葉子、佐野周二、水戸光子、中村是好、左卜全、諸角啓二郎

東京での生活に疲れ果て、鹿児島から船で十二時間、最果ての孤島に辿り着いた主人公は、そこで生涯教育に賭ける先生、因習に悩む恋人たち、素朴な島人たちと出会い、心を癒やされる。南国黒島の風光明媚な景観も魅力だ。

『すれすれ』写真

(c)角川映画

1月22日(日) 〜28日(土)

すれすれ

1960年(S35)/大映東京/白黒/91分

■監督・脚本:瑞穂春海/原作:吉行淳之介/脚本:長瀬喜伴/撮影:秋野友宏/音楽:池野成
■出演:川口浩、弓恵子、宮川和子、川崎敬三、春川ますみ、岸田今日子、東野英治郎、中村伸郎

ドンファンだった父が遺したのは莫大な借金と自家用車、色道修行に関する秘伝書だけ。その衣鉢を継ぎ、タクシー運転手となった青年は女性遍歴を重ねるがすべて裏目に出てしまう。同名原作が流行語にもなったセックス・コメディ。

『女は夜化粧する』写真

(c)角川映画

1月25日(水) 〜31日(火)

女は夜化粧する

1961年(S36)/大映東京/カラー/101分

■監督:井上梅次/原作:川口松太郎/脚本:斎藤良輔/撮影:中川芳久/音楽:鏑木創
■出演:山本富士子、川口浩、叶順子、森雅之、上原謙、田宮二郎、多々良純、清水将夫、岸正子、山内敬子

赤坂のクラブの雇われマダム登子は毎日替える和服姿とステージでの歌が美貌とともに評判となる。ピアニストとの愛の再燃、パトロン実業家との確執、夜のネオン街に生きる女の哀歓を描き、山本富士子の豪奢な着物姿が見どころだ。

『女体』写真

(c)東宝

1月25日(水) 〜31日(火)

女体

1964年(S39)/東宝/白黒/94分

■監督・脚本:恩地日出夫/原作:田村泰次郎/撮影:内海正治/美術:育野重一/音楽:武満徹
■出演:団令子、楠侑子、坂本スミ子、千之赫子、岩崎豊子、南原宏治、稲垣昭三、峰健二、小栗一也

田村泰次郎の肉体文学『肉体の門』と『埴輪の女』をベースに、娼婦から人妻へと戦後十九年を数奇に生きたボルネオ・マヤを描いた力作。団令子が大胆な愛欲シーン、凄惨なリンチシーンを体当たりでエネルギッシュに熱演している。

1月29日(日) 〜2月4日(土)

馬鹿まるだし

1964年(S39)/松竹大船/カラー/87分

■監督・脚本:山田洋次/原作:藤原審爾/脚本:加藤泰/撮影:高羽哲夫/音楽:山本直純
■出演:ハナ肇、桑野みゆき、清水まゆみ、藤山寛美、小沢栄太郎、犬塚弘、長門勇、三井弘次、渥美清

原作は『庭にひともと白木蓮』。瀬戸内海の町にやって来たシベリア帰りの無鉄砲な男が侠気にまかせて事件を解決し一躍人気者になる。主人公の未亡人桑野みゆきへの秘めたる思慕、無知で素朴な人物像の原典は『無法松の一生』といえる。

『鎮花祭』写真

(c)角川映画

1月29日(日) 〜2月4日(土)

鎮花祭

1960年(S35)/大映東京/カラー/87分

■監督:瑞穂春海/原作:丹羽文雄/脚本:松浦健郎/撮影:中川芳久/美術:仲美喜雄/音楽:池野成
■出演:若尾文子、山内敬子、本郷功次郎、川崎敬三、根上淳、野口啓二、潮万太郎、村田知栄子、吉川満子

妻あるディレクターを誘惑し、テレビスタアに上り詰める公仁子(若尾)、彼女の凶暴な兄と不幸な結婚をして苦悩する人妻陽子(山内)、献身と拒絶という二人の対照的な生き方を通して現代女性の性と愛の問題を追求した文芸作。

『総会屋錦城 勝負師とその娘』写真

(c)角川映画

2月1日(水) 〜2月4日(土)

総会屋錦城 勝負師とその娘

1959年(S34)/大映東京/白黒/110分

■監督:島耕二/原作:城山三郎/脚本:井手雅人/撮影:小原譲治/音楽:大森盛太郎
■出演:志村喬、叶順子、川崎敬三、轟夕起子、片山明彦、品川隆二、山本礼三郎、柳永二郎、多々良純

総会屋の内藤(志村)と出戻りの娘美和子(叶)の確執と和解を描いた直木賞受賞作『総会屋錦城』の映画化。不幸な出自を背負う内藤が娘への屈折した愛情を表白し、大洋銀行の総会を命がけで仕切り熱弁をふるう場面が印象的だ。

texy by 高崎俊夫