荷風と谷崎

谷崎潤一郎

12月26日(水) 〜30日(日)、1月3日(木) 〜5日(土)

刺青('66)

1966年(S41)/大映京都/カラー/86分

『刺青('66)』写真

(c)角川映画

■監督:増村保造/脚本:新藤兼人/撮影:宮川一夫/照明:中岡源権/美術:西岡善信/音楽:鏑木創
■出演:若尾文子、長谷川明男、山本学、佐藤慶、須賀不二男、内田朝雄、藤原礼子

手代と駆け落ちした質屋の娘が、悪人の企みにかかり芸者として売られてしまう。やがて、背中一面に巨大な女郎蜘蛛の刺青をほどこされた娘は、男女の欲望うごめく世界で本能のままに生きていく…。同名の短篇小説を映画化した増村保造監督屈指の名篇。

永井荷風

12月30日(日)、1月3日(木) 〜8日(火)

墨東綺譚('60)

1960年(S35)/東京映画/白黒/120分

『墨東綺譚('60)』写真

(c)東宝

■監督:豊田四郎/脚本:八住利雄/撮影:玉井正夫/照明:今泉千仭/美術:伊藤熹朔/音楽:團伊玖磨
■出演:山本富士子、芥川比呂志、新珠三千代、乙羽信子、淡路恵子、宮口精二、東野英治郎、中村伸郎、原知佐子、岸田今日子

隅田川の東、玉の井と呼ばれる売笑の巷で、中学教師の種田は娼婦・お雪と出会う──。名作『 東綺譚』を軸に『失踪』『荷風日記』をおりまぜて描いた、荷風没後一周年記念の文芸大作。娼婦役の山本富士子が夢幻的な美しさをたたえて素晴らしい。

谷崎潤一郎

12月30日(日)、1月3日(木) 〜8日(火)

紅閨夢

1964年(S39)/第三プロダクション/カラー/75分

『紅閨夢』写真

(c)川口秀子/彩プロ

■監督・脚本:武智鉄二/撮影:稲葉直/照明:大住慶次郎/美術:平高主計/音楽:芝祐久
■出演:茂山千之丞、柳美那、葵千代、川口秀子、川口秀延、後藤陽吉、奈良真養、花川蝶十郎、アンジェラ浅丘

或る八月の暑い日。作家である主人公が、ストリップショウや、グラマーな女優が主演する映画を続けてみたことから、その夜は、様々な艶夢に悩まされる。夢幻の世界にみた女体の宴──。谷崎潤一郎の『過酸化マンガン水の夢』『柳湯の事件』に材をとった異色の芸術作。

谷崎潤一郎

1月6日(日) 〜12日(土)

細雪('50)

1950年(S25)/新東宝/白黒/141分 ※16mm

『細雪('50)』写真

(c)国際放映

■監督:阿部豊/脚本:八住利雄/撮影:山中進/照明:佐藤快哉/美術:進藤誠吾/音楽:早坂文雄
■出演:花井蘭子、轟夕起子、山根寿子、高峰秀子、藤田進、堀雄二、田崎潤、田中春男、河津清三郎、伊志井寛、千明みゆき、香川京子

大阪船場の旧家に育った四姉妹の身に起こる様々な出来事を、四季折々の景色とともに描きだす。谷崎潤一郎の同名ベストセラー小説最初の映画化で、四姉妹に花井蘭子、轟夕起子、山根寿子、高峰秀子という人気スターを配した超大作。

谷崎潤一郎

1月6日(日) 〜12日(土)

刺青('84)

1984年(S59)/にっかつ/カラー/77分

『刺青('84)』写真

(c)日活

■監督:曽根中生/脚本:那須真知子/撮影:森勝/照明:加藤松作/美術:菊川芳江
■出演:伊藤咲子、沢田和美、木之元亮、志賀実、根岸一正、成瀬正、石井茂樹、美波ゆかり、益富信孝

谷崎潤一郎の同名の小説を大胆にアレンジ、舞台を現代に移して映画化したもの。スターを目前にしながら、刺青を彫られたために堕ちていく女と、彼女に群がる男たちの姿を描く。元ひまわり娘・伊藤咲子の起用が話題を呼んだ。

永井荷風

1月9日(水) 〜15日(火)

夢の女

1993年(H5)/松竹、朝日新聞社、大王製紙、全国朝日放送、駒井アソシエート、赤池産業、セディック/白黒/98分

■監督:坂東玉三郎/脚本:吉村元希、桜井妙子、斎藤雅文/撮影:長沼六男/照明:熊谷秀夫/美術:木村威夫/音楽:藤舎名生、杵屋榮津五郎
■出演:吉永小百合、永島敏行、安井昌二、樹木希林、佐々木すみ江、片岡京子、長門裕之、戸浦六宏

士族の娘ながら、借金返済のため遊郭に身を売った女・お浪の物語。原作は、永井荷風の同名初期作品で、久保田万太郎が新派のために脚色した舞台用台本をもとに映画化。夢のように儚く、移ろいやすい女の半生を美しいモノクロームの映像で描いていく。

谷崎潤一郎

1月9日(水) 〜15日(火)

痴人の愛('60)

1960年(S35)/大映東京/カラー/89分 ※16mm

『痴人の愛('60)』写真

(c)角川映画

■監督・脚本:木村恵吾/撮影:石田博/照明:柴田恒吉/美術:柴田篤二/音楽:松井八郎
■出演:叶順子、船越英二、田宮二郎、川崎敬三、多々良純、菅井一郎、紺野ユカ、江波杏子、春川ますみ

偶然知りあった美少女・ナオミの魅力にとりつかれ、破滅への道を歩んでいく男の物語『痴人の愛』を、四九年の京マチ子・宇野重吉版に続いて木村恵吾監督が再映画化。本作では、自由奔放なヒロイン・ナオミに叶順子が扮し、官能の世界が展開されていく。