作品解説1 / 2 / 3 / 4

花と龍 青雲・愛憎・怒濤篇 1973年（S48）／松竹／カラー／168分 ■製作：三嶋与四治／脚本：加藤泰、三村晴彦、野村芳太郎／原作：火野葦平／撮影：丸山恵司／美術：芳野尹孝／音楽：鏑木創　■出演：渡哲也、香山美子、竹脇無我、田宮二郎、石坂浩二、倍賞美津子 若松の港を舞台に、一介の沖仲士から身を起こし、九州一帯を支配する大親分にのし上がった男の人生を壮大なスケールで描く。妻・マンを演じる香山美子はじめ、女性達も素晴らしく魅力的。 　▲

男の顔は履歴書 1966年（S41）／松竹／カラー／89分 ■製作：升本喜年／脚本：星川清司／撮影：高羽哲夫／美術：梅田千代夫／音楽：林光　■出演：安藤昇、伊丹一三、中原早苗、中谷一郎、真理明美、浜田寅彦、嵐寛寿郎 「阿片台地〜」「懲役十八年」と続く、戦中世代三部作の第一作。敗戦直後の闇市を舞台に、重い孤独の心、三国人との争い、国籍を越えた恋や友情が描かれる。現在、過去、大過去が交錯する構成が素晴らしい。 　▲

(c)東宝 炎のごとく 1981年（S56）／大和新社／カラー／147分 ■製作：松本常保、大志万恭子／脚本：加藤泰／原作：飯干晃一／撮影：丸山恵司／美術：梅田千代夫／音楽：鏑木創　■出演：菅原文太、倍賞美津子、若山富三郎、丹波哲郎、桜町弘子、中村玉緒、佐藤允 会津の小鉄と異名をとる博奕打ちが、瞽女・おりんを愛しながらも、近藤勇と出会い、幕末の動乱の中に身を投じていく…。ひとりの女を愛し、ひたむきに生きた男の半生をエネルギッシュに描く、加藤泰最後の劇映画。 　▲

(c)東映 車夫遊侠伝 喧嘩辰 1964年（S39）／東映京都／白黒／100分 ■脚本：加藤泰、鈴木則文／原作：紙屋五平／撮影：川崎新太郎／美術：井川徳道／音楽：高橋半　■出演：内田良平、桜町弘子、近衛十四郎、藤純子、河原崎長一郎、大木実 大阪にやってきた車夫の辰五郎は美人芸者に一目惚れ。次々起こる騒動の中、心ならずも三度結婚式をあげるはめになる。たがいに惹かれながらもままならぬ心…。悲しくてオカシイ、男と女の物語。 　▲

(c)東宝 日本侠花伝 1973年（S48）／東宝／カラー／149分 ■製作：佐藤正之、馬場和夫、椎野英之／原作・脚本：加藤泰／撮影：村井博／美術：阿久根巌／音楽：鏑木創　■出演：真木洋子、渡哲也、任田順好、安部徹、北大路欣也、加藤剛 加藤泰単独オリジナル脚本の唯一の映画化で後期の代表作。真木洋子演じるヒロインが、命を賭けうる真実の愛を求めて、男を遍歴しながらも真摯に生きてゆく…。激しくも美しい女の半世紀。 　▲

(c)東映 幕末残酷物語 1964年（S39）／東映京都／白黒／99分 ■製作：大川博／脚本：国弘威雄／撮影：鈴木重平／美術：富田治郎／音楽：林光　■出演：大川橋蔵、藤純子、河原崎長一郎、大友柳太朗、木村功、西村晃、内田良平 殺戮集団としての新撰組を真正面から描いた異色力作。鉄の規律による組織のなかの人間群像が、残酷なまでに描写され、そのあまりの凄まじさから公開当時には上映を拒否する劇場も。 　▲