昭和家族百景

■ 作品解説 / /

『二人の息子』写真

(c)東宝

1月21日(水) 〜27日(火)

二人の息子

1961年(S36)/東宝/カラー/93分

■監督:千葉泰樹/脚本:松山善三/撮影:玉井正夫/美術:阿久根巌/音楽:伊福部昭  ■出演:宝田明、加山雄三、白川由美、藤原釜足、望月優子、藤山陽子、田浦正巳、小泉博

長男は大学卒の一流サラリーマン、次男は高校出のタクシー運転手。父の失職をきっかけに、一家にささやかな波乱が起こる…。家族の生活と両親への愛情をめぐって対立する兄弟を、宝田明と加山雄三が演じたホームドラマの名篇。

『月夜の傘』写真

(c)日活

1月25日(日) 〜31日(土)

月夜の傘

1955年(S30)/日活/白黒/128分 ※16mm

■監督:久松静児/脚本:井手俊郎/原作:壺井栄/撮影:姫田真佐久/美術:木村威夫/音楽:斎藤一郎  ■出演:田中絹代、新珠三千代、坪内美詠子、轟夕起子、宇野重吉、三島耕、伊藤雄之助

舞台は東京郊外の住宅地。毎日のように、井戸端会議に華を咲かせる四人の主婦――。中学教師の女房・田中絹代、世話好き奥さん・轟夕起子、戦争未亡人の坪内美詠子、新妻・新珠三千代、それぞれの家庭の出来事を綴った佳品。

1月25日(日) 〜31日(土)

大根と人参

1965年(S40)/松竹大船/カラー/105分

■監督・脚本:渋谷実/脚本:白坂依志夫/原案:野田高梧、小津安二郎/撮影:長岡博之/美術:芳野尹孝/音楽:黛敏郎  ■出演:笠智衆、岩下志麻、加賀まりこ、司葉子、乙羽信子、岡田茉莉子、桑野みゆき、有馬稲子、池部良、加東大介、長門裕之

商事会社の総務部次長・山樹は、家庭に恵まれた中年男。しかし、弟が会社の金を使い込み、彼の人生にもさざ波が起こる。堅物親父が突如、蒸発。毒気のある登場人物が、愛あり、哀しみあり、こっけい味ありの人生模様を織りなしていく。

1月28日(水) 〜2月3日(火)

幸福な家族

1959年(S34)/松竹大船/白黒/74分

■監督:原研吉/脚本:松山善三/原作:武者小路実篤/撮影:森田俊保/美術:梅田千代夫/音楽:加藤三雄  ■出演:石濱朗、小山明子、九条映子、三上真一郎、伊藤弘子、水戸光子、斎藤達雄、小林十九二、水上令子

清らかに愛しあう若い男女と、彼らをあたたかいまなざしで見守る家族の面々――。武者小路文学の名篇を映画化したもので、善意の人々が織りなす物語を、ユーモアと明るい詩情で描きあげる。

『あの手この手』写真

(c)角川映画

1月28日(水) 〜2月3日(火)

あの手この手

1952年(S27)/大映京都/白黒/92分

■監督・脚本:市川崑/脚本:和田夏十/原作:京都伸夫/撮影:武田千吉郎/美術:西岡善信/音楽:黛敏郎  ■出演:久我美子、森雅之、水戸光子、堀雄二、伊藤雄之助、津村悠子、望月優子

何事も奥様主導型の鳥羽家に、じゃじゃ馬娘のアコが転がり込んできた。彼女は一家の主権を旦那様に奪回しようと画策する…。人気ラジオドラマを映画化したモダンなホームコメディ。奔放な少女を久我美子がのびのびと演じる。

『稲妻』写真

(c)角川映画

2月1日(日) 〜7日(土)

稲妻

1952年(S27)/大映東京/白黒/87分 ※16mm

■監督:成瀬巳喜男/脚本:田中澄江/原作:林芙美子/撮影:峰重義/美術:仲美喜雄/音楽:斎藤一郎  ■出演:高峰秀子、浦辺粂子、三浦光子、村田知英子、植村謙二郎、香川京子、根上淳

四人の子の父親がいずれも違うという母子家庭の物語。エゴイストの長女、自主性のない次女、情けない長男など、そんな家族から脱出を試みる末娘の視点で一家を描いていく。何でもない日常生活の描写、繊細な物語を堪能したい。

『春らんまん』写真

(c)東宝

2月1日(日) 〜7日(土)

春らんまん

1968年(S43)/東宝/カラー/103分

■監督:千葉泰樹/脚本:井手俊郎/原作:水木洋子/撮影:西垣六郎/美術:阿久根巌/音楽:小杉太一郎  ■出演:新珠三千代、星由里子、司葉子、白川由美、宝田明、草笛光子、森雅之

両親の遺した結婚式場を経営する貞夫は、四人のきょうだいと暮らしていた。ある日貞夫が電撃結婚、嫁の静がやってくる。徹底的に嫁をイビリ抜くきょうだいたち――。口うるさい小姑と丁々発止でやりあう新妻を新珠三千代が好演している。

2月4日(水) 〜7日(土)

我が家は楽し

1951年(S26)/松竹大船/白黒/91分 ※16mm

■監督:中村登/原案・脚本:田中澄江/脚本:柳井隆雄/撮影:厚田雄春/美術:熊谷正雄/音楽:黛敏郎  ■出演:笠智衆、山田五十鈴、高峰秀子、岸恵子、佐田啓二、桜むつ子、青山杉作

松竹大船お得意の小市民映画の佳品。平和な家庭に訪れる幾つかのトラブル…、スリや家の立ち退き話などの困難を、貧しいながらも一家六人、愛と信頼で乗り越えていく。賢母を演じる山田五十鈴が素晴らしい。