10月22日(日) 〜24日(火)

眼の壁

1958年(S33)/松竹大船/白黒/95分

『眼の壁』写真

©1958 松竹株式会社

■監督:大庭秀雄/原作:松本清張/脚本:高岩肇/撮影:厚田雄春/美術:芳野尹孝/音楽:池田正義
■出演:佐田啓二、鳳八千代、高野真二、朝丘雪路、渡辺文雄、多々良純、西村晃、織田政雄、左卜全、永井智雄

三千万円をパクられ自殺に追いこまれた会計課長。遺された部下は、友人である新聞記者の応援を得て必死に手がかりを探る──。原作は読書界を賑わした松本清張のベストセラー。組織的な社会悪の正体に執拗に食いさがる男の姿を描く。

10月22日(日) 〜28日(土)

霧ある情事

1959年(S34)/松竹大船/カラー/88分

『霧ある情事』写真

©1959 松竹株式会社

■監督:渋谷実/原作:舟橋聖一/脚本:斎藤良輔/撮影:長岡博之/美術:浜田辰雄/音楽:黛敏郎
■出演:岡田茉莉子、津川雅彦、三上真一郎、芳村真理、加東大介、菅井一郎、京塚昌子、桜むつ子、清川虹子

土建会社重役の囲いものとなっている女が、偶然の重なりから、自分を慕う青年秘書と行くあてのない逃避行にでる──。舟橋聖一の同名小説を原作とするメロドラマの佳品。岡田茉莉子が二号生活からの脱却を模索するヒロインを好演。

10月22日(日) 〜28日(土)

恋の画集

1961年(S36)/松竹大船/白黒/83分

『恋の画集』写真

©1961 松竹株式会社

■監督・脚本:野村芳太郎/原作:佐野洋/脚本:山田洋次/撮影:川又昻/美術:宇野耕司/音楽:池田正義
■出演:桑野みゆき、川津祐介、佐野周二、藤間紫、加藤嘉、鳳八千代、三井弘次、炎加世子、織田政雄

結婚資金に悩んだセールスマンが、恐喝のネタにみつけた不倫カップルは恋人の上司だった──。各々の思惑が入り乱れて事態は二転三転、嘘と誤解が波乱をおこすスリリングな騒動記。佐野洋の原作『ひとり芝居』をコメディタッチに。

10月25日(水) 〜31日(火)

黒い河

1957年(S32)/松竹大船/白黒/110分

『黒い河』写真

©1957松竹株式会社

■監督:小林正樹/原作:富島健夫/脚本:松山善三/撮影:厚田雄春/美術:平高主計/音楽:木下忠司
■出演:有馬稲子、渡辺文雄、仲代達矢、山田五十鈴、桂木洋子、淡路恵子、東野英治郎、宮口精二、三好栄子

米軍基地そばの貧乏長屋。その立ち退き問題をめぐって繰り広げられる人間模様を、ひとりの学生の目を通して辛辣に描きだした異色の人間ドラマ。若手俳優だった仲代達矢が悪役を堂々と演じきり、出世作となった。富島健夫原作。

10月25日(水) 〜31日(火)

禁男の砂

1957年(S32)/松竹大船/カラー/103分

『禁男の砂』写真

©1957 松竹株式会社

■監督:堀内真直/原作:近藤啓太郎/脚本:高橋治、岡田達門/撮影:小原治夫/美術:熊谷正雄/音楽:木下忠司
■出演:大木実、石浜朗、泉京子、山鳩くるみ、瞳麗子、桂木洋子、関千恵子、坂本武、飯田蝶子、諸角啓二郎

第三十五回芥川賞を受けた近藤啓太郎『海人舟』の映画化。小さな漁村を舞台に海人の男女の愛欲のドラマが展開される。ヒロインに抜擢された泉京子は“和製マンガーノ”と謳われ、グラマラスな肢体と大胆さが評判を呼んで映画はヒットした。

10月29日(日) 〜31日(火)

あなた買います

1956年(S31)/松竹大船/白黒/112分 ○東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品

『あなた買います』写真

©1956 松竹株式会社

■監督:小林正樹/原作:小野稔/脚本:松山善三/撮影:厚田雄春/美術:平高主計/音楽:木下忠司
■出演:佐田啓二、岸恵子、大木実、伊藤雄之助、水戸光子、三井弘次、東野英治郎、山茶花究、多々良純

大学野球の逸材をめぐって展開される激しい争奪戦。札ビラや根まわしが飛び交うなか、スカウトする側とされる側の醜い欲望が交錯する──。原作は穴吹義雄をモデルとした小野稔の同名小説。名優たちによる丁々発止の演技合戦がみもの。

10月29日(日) 〜11月4日(土)

裸体

1962年(S37)/松竹大船、にんじんくらぶ/カラー/85分

『裸体』写真

©1962 松竹株式会社

■監督・脚本:成澤昌茂/原作:永井荷風/撮影:川又昻/美術:宇野耕司/音楽:武満徹、岩佐譲治
■出演:瑳峨三智子、川津祐介、長門裕之、千秋実、杉浦直樹、宝みつ子、進藤英太郎、山田五十鈴、松尾和子

勤め先の上役に囲われる身となったヒロインは、自分の肉体に自信を持ち、やがて男から男へと渡り歩くようになる──。原作は“女”という対象に打ちこんで、独自の境地を築きあげた永井荷風の短篇小説。最適役の瑳峨三智子が熱演をみせる。

11月1日(水) 〜4日(土)、8日(水) 〜11日(土)

東京マダムと大阪夫人

1953年(S28)/松竹大船/白黒/96分 ※16mm

『東京マダムと大阪夫人』写真

©1953 松竹株式会社

■監督:川島雄三/原作:藤沢桓夫/脚本:富田義朗/撮影:高村倉太郎/美術:逆井清一郎/音楽:木下忠司
■出演:三橋達也、月丘夢路、高橋貞二、大坂志郎、水原真知子、北原三枝、坂本武、多々良純、芦川いづみ

東京郊外の社員住宅が舞台。隣同士に住み、何かにつけて張りあう東京マダムVS大阪夫人を中心に、周囲の人間模様やサラリーマン族の暮らしぶりがテンポよく描かれる。藤沢桓夫の「婦人生活」連載小説をもとにしたモダンなコメディ。

11月1日(水) 〜7日(火)

熱愛者

1961年(S36)/松竹大船/カラー/94分

『熱愛者』写真

©1961 松竹株式会社

■監督:井上和男/原作:中村真一郎/脚本:新藤兼人/撮影:堂脇博/美術:芳野尹孝/音楽:池田正義
■出演:岡田茉莉子、芥川比呂志、桑野みゆき、月丘夢路、山村聰、宇野重吉、乙羽信子、日高澄子、小池朝雄

岡田茉莉子が初めて企画・プロデュースした作品。音楽評論家と美しいインテリア・デザイナー、ふたりの同棲生活を通じて、男女の愛の違和感、愛情の陰にひそむエゴイズムを描いた野心作。原作は中村真一郎の同名小説。

11月1日(水) 〜7日(火)

死者との結婚

1960年(S35)/松竹大船/白黒/96分

『死者との結婚』写真

©1960 松竹株式会社

■監督・脚本:高橋治/原作:ウィリアム・アイリッシュ/脚本:田村孟/撮影:川又昻/美術:宇野耕司/音楽:前田憲男
■出演:小山明子、渡辺文雄、瞳麗子、高野真二、春山勉、須賀不二男、斎藤達雄、東山千栄子

霧の夜の汽船衝突事件からはじまる緊迫のサスペンス。男に棄てられ自殺を決意した女が、運命のいたずらか、まったく別の人生を手に入れる──。松竹ヌーヴェルヴァーグの牽引者のひとり・高橋治が、アイリッシュの推理小説を映像化。

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