『ちびっ子レミと名犬カピ』写真

(c)東映

3月23日(日) 〜29日(土)

「ちびっ子レミと名犬カピ」より 家なき子

1975年(S50)/カラー/55分

■演出:芹川有吾/脚本:瀬川昌治/原作:エクトル・マロー/音楽:木下忠司/美術:福本智雄/作画監督:大工原章/原画:森康二、喜多真佐武、小田克也ほか
■声の出演:朝井ゆかり、フランキー堺、市原悦子、高橋和枝、富田耕生、馬淵晴子、久里子春、桂玲子、内海賢二、三島雅夫

原作は、エクトル・マローの「家なき子」。少年レミが旅の中でさまざまな喜びと哀しみを体験し、ついに生みの母と再会するまでを、芹川有吾が堅実な演出でまとめ上げている。木下忠司の音楽も名曲として耳に残る。旅の道程となるヨーロッパの風景に、モネやミレーなどの名画を模写してとり入れていることも話題となった。

※本作品はチラシでお知らせしたものとは異なり、再公開短縮版での上映となります。
お客様にはご迷惑をおかけいたしますこと、深くお詫び申し上げます。

『海底3万マイル』写真

(c)東映

3月23日(日) 〜29日(土)

海底3万マイル

1970年(S45)/カラー/60分

■演出:田宮武/脚本:岡本克巳/原作:石森章太郎/音楽:渡辺岳夫/美術:山崎誠/作画監督:奥多貞弘(奥山玲子、喜多真佐武、菊池貞雄、金山通弘)
■声の出演:野沢雅子、小鳩くるみ、人見明、納谷悟朗、海野かつお、北川国彦、瀬能礼子、梶哲也、村越伊知郎

劇場アニメ化を前提に石ノ森章太郎が原作漫画を描き下ろすという、今日のメディアミックスの先駆的なスタイルで作られた長編。主人公、敵役、魚類、メカアクションなどを、4人の作画監督(奥山玲子、喜多真佐武、菊池貞雄、金山通弘)が分担した点もユニーク。東映京都撮影所出身として知られる田宮武の初監督作品でもある。

『どうぶつ宝島』写真

(c)東映

3月26日(水) 〜4月1日(火)

どうぶつ宝島

1971年(S46)/カラー/78分

■演出・脚本:池田宏/脚本:飯島敬/アイデア構成:宮崎駿/原作:ロバート・L・スチーブンスン/音楽:山本直純/美術監督:土田勇/作画監督:森康二/原画:小田部羊一、宮崎駿、奥山玲子、彦根範夫ほか
■声の出演:松島みのり、天地総子、小池朝雄、富田耕生、高木均、田村錦人

ロバート・スチーブンスンの「宝島」を原作に、主役の少年少女たち以外をすべて動物に置き換えてアニメ化。監督は池田宏。アイデア構成として参加した宮崎駿が、ポークソテー号での地図争奪戦や宝島の設定などに奇抜な発想を持ち込んで大活躍。血湧き肉躍る冒険活劇の傑作として、東映長編史に残る作品となっている。

『アリババと40匹の盗賊』写真

(c)東映

3月26日(水) 〜4月1日(火)

アリババと40匹の盗賊

1971年(S46)/カラー/56分

■演出:設楽博/脚本:山元護久/音楽:宇野誠一郎/美術監督:横井三郎/作画監督:大工原章/原画:奥山玲子、小田部羊一、森英樹、宮崎駿、森康二ほか
■声の出演:大山のぶ代、滝口順平、大塚周夫、内海賢二、納谷悟朗、富田耕生、田の中勇

童話「アリババと40人の盗賊」を、脚本家・山元護久が自由な着想で脚色。アリババの子孫と盗賊の子孫、それぞれの善悪の立場が大逆転しているという設定が意表をつく。東映動画の初代社長・大川博が「製作」として表示される最後の長編であり、制作体制や参加スタッフの面でも第1期の締めくくりとなる象徴的な作品である。

『グリム童話 金の鳥』写真

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3月30日(日) 〜4月5日(土)

グリム童話 金の鳥

1987年(S62)/カラー/52分

■監督:平田敏夫/脚本:田代淳二/原作:ヤーコブ・グリム、ウィルヘルム・グリム/キャラクターデザイン・作画監督:大橋学/美術監督:石川山子/音楽:ク二河内
■声の出演:三輪勝恵、藤田淑子、富山敬、木ノ葉のこ、滝口順平、宮内幸平、八奈見乗児、青野武、古川登志夫、山本圭子

グリム兄弟の同名原作をアニメ化。制作は、当時角川アニメなどで活躍していたマッドハウスが全面的に担当。平田敏夫、大橋学、福島敦子、石川山子など、同社ゆかりの演出、作画、美術スタッフたちが持てる才能を注ぎ込んでいる。名作物の東映長編としては事実上最後に位置する作品。同時に、有終の美を飾る傑作となった。

『魔犬ライナー 0011変身せよ!』写真

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3月30日(日) 〜4月5日(土)

魔犬ライナー 0011変身せよ!

1972年(S47)/カラー/50分

■演出:田宮武/脚本:辻真先、芹川有吾/原案:笹川ひろし/音楽:山下毅雄/美術監督:辻忠直/作画監督:大工原章/原画:奥山玲子、森康二ほか
■声の出演:里見京子、山内雅人、小林修、北浜晴子、曽我町子、野沢雅子、松島みのり、野田圭一、山田俊司、矢田耕司

「仮面ライダー」のヒットに代表される変身ヒーローブームの影響下で作られた50分の中編。監督は田宮武。竜の子プロ作品の監督として知られる笹川ひろしが、漫画家として発表した「魔犬五郎」が原作。飛行機タイプに変形する犬型のメカという発想は、同じ笹川作品「新造人間キャシャーン」のフレンダーを思わせるものがある。

『きかんしゃやえもん D51の大冒険』写真

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3月30日(日) 〜4月5日(土)

きかんしゃやえもん D51の大冒険

1974年(S49)/カラー/62分

■演出:田宮武/脚本:山本英明、松本功/原作:阿川弘之/美術監督:辻忠直/作画監督:大工原章/原画:奥山玲子、森英樹、小田克也、小松原一男、古沢日出夫ほか
■声の出演:熊倉一雄、里見京子、平井道子、丸山裕子、滝口順平、山下啓介、千々松幸子、山本圭子、富田耕生

蒸気機関車のスターたちが次々と現役を引退し、いわゆる「SLブーム」が巻き起こっていた時代の作品。原作は阿川弘之の短編小説「きかんしゃやえもん」。62分の映画の約3分の1に、蒸気機関車のライブフィルムが使われている構成も異色。監督の田宮武は撮影所出身である経歴を生かし、実写パートの演出も兼任している。

『龍の子太郎』写真

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4月2日(水) 〜5日(土)

龍の子太郎

1979年(S54)/カラー/75分

■監督・脚本:浦山桐郎/脚本:三井隆史/原作:松谷みよ子/音楽:真鍋理一郎/美術監督:土田勇/作画監督:小田部羊一、奥山玲子
■声の出演:加藤淳也、冨永みーな、熊倉一雄、北村和夫、黒田絢子、矢吹寿子、樹木希林、佐奈田恒夫、酔酩亭桐庵、吉永小百合

原作は松谷みよ子の児童文学。キャラデザインと作画監督に小田部羊一と奥山玲子、美術監督に土田勇など、かつての長編スタッフが再び参加。黄金時代を思わせる漫画映画の傑作が久々に誕生することとなった。監督に「キューポラのある街」の浦山桐郎を迎え、脚本、演出、編集面にその作家性が強く投入された点も特筆に値する。

text by: 原口正宏