喜劇の神様・斎藤寅次郎 作品解説1
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エノケンの法界坊[短縮版]

(c)東宝
エノケンの法界坊[短縮版] 5.29[日]― 5.31[火]
1938年(S13)/東宝映画東京/白黒/52分
■脚本:和田五雄、小川正記、小國英雄/撮影:鈴木博装置:中古智/音楽:栗原重一■出演:榎本健一、宏川光子、小笠原章二郎、柳田貞一、中村是好

エノケンと寅次郎、笑いのトップランナーが激突した。時は春、所はお江戸向島、生臭坊主の法界坊が大暴れ。人気舞台の映画化で、 ナムアミダ〜ブツナムアミダ〜、のフレーズは一度聞いたら忘れられない? 寅次郎、東宝移籍第一回監督作品。

びっくり三銃士 5.29[日]― 6.4[土]
1952年(S27)/松竹京都/白黒/86分
■脚本:伏見晁、鈴木兵吾、沢村勉/原案:あをいき・くらぶ/撮影:服部幹夫/美術:川村芳久■出演:大木実田端義夫、堺駿二、清川虹子、伴淳三郎

松竹京都の青春スター・大木実の売り出しに「寅さん一家」が集合して、夜霧の波止場に笑いの風が吹く。マドロス歌謡の田端義夫、いつも身軽な堺駿二、密輸を企む伴淳&清川虹子。恋あり歌あり活劇あり。ヒロインは宝塚歌劇出身の千秋みつる。

吃七捕物帖 一番手柄 5.29[日]― 6.4[土]
1951年(S26)/松竹京都/白黒/84分
■脚本:柳川眞一、永江勇/撮影:服部幹夫/音楽:加藤光男 ■出演:高田浩吉、水原眞知子、柳家金語楼、木戸新太郎、岸恵子

女に甘いが気前のいい目明し・吃の又七、ヘマばかりのおしゃべり松吉、高田浩吉とキドシンの異色コンビが難事件に挑む。贋金作りの奇想天外マシン登場。伴淳「アジャジャーにしてパーでございます」の珍セリフも、寅次郎のアドリブ演出から誕生。

勢揃い江戸っ子長屋

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勢揃い江戸っ子長屋 6.1[水]― 6.7[火]
1958年(S33)/宝塚映画/白黒/86分
■脚本:蓮池義雄、淀橋太郎/撮影:西前弘/美術:鳥居塚誠一 ■出演:三木のり平、有島一郎、雪村いづみ、堺駿二、古川緑波、森川信、由利徹

斎藤喜劇の新しい「顔」となる三木のり平が、東宝ミュージカルでコンビを組んでいた有島一郎らを相手に怪演。当時の人気者が集結した。貧乏長屋の連中は満開の桜の下、森川信の大家を囲んで花見に繰り出す。落語でおなじみ「長屋の花見」だ。

仇討珍剣法

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仇討珍剣法 6.1[水]― 6.7[火]
1954年(S29)/宝塚映画/白黒/86分
■脚本:松浦健郎/撮影:友成達雄/美術:西七郎/音楽:河村篤二 ■出演:花菱アチャコ、益田喜頓、伴淳三郎、木戸新太郎、南悠子、浦島歌女

戦後の時代劇ブームで斎藤喜劇も時代劇が多くなる。花菱アチャコの人気も絶好調、アチャコ主演の時代劇を連発した。一人二役のアチャコ、仇役の伴淳、とぼけた悪人・阿久大之進役のキートン…。ギャグ連発の道中劇に、ちょっぴりお色気も。

腰抜け伊達騒動 6.5[日]― 6.11[土]
1952年(S27)/松竹京都/白黒/91分
■脚本:伏見晁、森田竜男/原作:巌谷眞一/撮影:服部幹夫/美術:川村芳久 ■出演:高田浩吉、堺駿二、花菱アチャコ、清川虹子、伴淳三郎

ご存知「伊達騒動」も、寅次郎が撮るとこんなアチャラカに。女装の高田浩吉にアチャコが惚れ、清川虹子はストリップ、キドシンの「情熱のルン馬」(?)、堺駿二の猿踊り、田端義夫のズンドコ節など盛り沢山。「第二のひばり」の打田典子も。

底抜け忍術合戦

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底抜け忍術合戦 6.5[日]― 6.10[金]
1958年(S33)/宝塚映画/白黒/59分
■脚本:中田竜雄、淀橋太郎、蓮池義雄/原作:小野田勇/撮影:岡崎宏三 ■出演:三木のり平、八波むと志、環三千世、益田喜頓、トニー谷

小野田勇原作の東宝ミュージカル「俺は忍術使い」をもとに映画化。若武者姿も凛々しい環三千世を助け、デキの悪い忍者の三木のり平が絵図面を追う。チャップリン『黄金狂時代』そっくりの迷シーンも笑わせる。撮影は名カメラマン・岡崎宏三。