1月2日(火)〜5日(金)

東京の恋人

1952年(S27)/東宝/白黒/97分

『東京の恋人』写真

©TOHO CO.,LTD.

■脚本:井手俊郎、吉田二三夫/撮影:飯村正/美術:北猛夫、浜上兵衞/音楽:飯田信夫
■出演:原節子、三船敏郎、杉葉子、小泉博、増渕一夫、藤間紫、清川虹子、森繁久彌、十朱久雄

原節子と三船敏郎共演のラブコメディ。銀座の宝石商の前で似顔絵描きをしているユキと靴磨きの少年三人組は、ひょんなことから偽ダイヤを本物と取り違える騒動に巻き込まれる。銀座周辺にロケした実景や、開閉する勝鬨橋の様子など、当時の東京の風景は超貴重。

1月2日(火)〜8日(月)

狐と狸

1959年(S34)/東宝/カラー/126分

『狐と狸』写真

©TOHO CO.,LTD.

■原作:熊王徳平/脚本:菊島隆三/撮影:西垣六郎/美術:河東安英/音楽:團伊玖磨
■出演:加東大介、小林桂樹、森繁久彌、三井弘次、夏木陽介、団令子、草笛光子、水野久美

熊王徳平の『甲州商人』を映画化。昼は詐欺まがいの行商、夜は色気に奔走する、口八丁の行商人と強欲な顧客との狐と狸さながらの化かし合いをコミカルに描く。甲州商人六人組を演じる俳優陣のアンサンブルも楽しい。好評につき、続篇『新・狐と狸』が製作された。

1月2日(火)〜8日(月)

若い恋人たち

1959年(S34)/東宝/カラー/94分

『若い恋人たち』写真

©TOHO CO.,LTD.

■脚本:笠原良三/撮影:西垣六郎/美術:河東安英/音楽:黛敏郎
■出演:宝田明、司葉子、夏木陽介、団令子、北あけみ、上原謙、有島一郎、加東大介、沢村貞子、若水ヤエ子、久慈あさみ

光学メーカーの技師である修一は、伯父が持ってきた令嬢との縁談を断り、家を出て銀座のバーで勤める和代と同棲を始める。周囲は二人の仲を裂こうとし、修一の妹も二人を偵察することになるが、彼女にも意中の人ができて……。笠原良三のオリジナルの映画化。

1月6日(土)〜8日(月)

煉瓦女工

1940年(S15)/南旺映画/白黒/63分 ◯国立映画アーカイブ所蔵作品

『煉瓦女工』写真

©1946 松竹株式会社

■原作:野澤富美子/脚本:八田尚之/撮影:中井朝一/美術:小池一美/音楽:深井史郎
■出演:矢口陽子、三島雅夫、三好久子、小高たかし、徳川夢声、小沢栄、宇野重吉、滝沢修

野澤富美子が自らの体験を描いた同名の短篇および『隣近所の十ヶ月』をもとに映画化。横浜・鶴見の長屋に住む人々の生活をリアルに描く。1940年に完成していたが、プロレタリア映画だとして検閲で上映禁止になり、戦後の1946年に松竹系で初公開された。

1月6日(土)〜12日(金)

大番

1957年(S32)/東宝/白黒/117分

『大番』写真

©TOHO CO.,LTD.

■原作:獅子文六/脚本:笠原良三/撮影:完倉泰一/美術:中古智/音楽:佐藤勝
■出演:加東大介、淡島千景、原節子、仲代達矢、河津清三郎、東野英治郎、小林桂樹、太刀川洋一

1956年から雑誌「週刊朝日」に連載された獅子文六の同名小説の映画化。昭和初期、四国の寒村に貧農の子として生まれた“ギューちゃん”こと赤羽丑之助が裸一貫ならぬ浴衣一枚で上京し、兜町を舞台に株で立身出世するさまを描く、相場版太閤記全四作の第一作。

1月9日(火)〜12日(金)、16日(火)〜19日(金)

羽織の大將

1960年(S35)/東宝/白黒/108分

『羽織の大將』写真

©TOHO CO.,LTD.

■脚本:笠原良三/撮影:西垣六郎/美術:河東安英/音楽:佐藤勝
■出演:フランキー堺、団令子、原知佐子、加東大介、柳家金語楼、藤木悠、桂小金治、桂文楽、安藤鶴夫

法律家を目指して大学に通う忠夫は、落語好きが嵩じてプロの道へ。古典落語をやめて創作落語にすると、時流に乗ってテレビの売れっ子に。だが飽きられるのも早くて……。マスコミに翻弄される青年をユーモアとペーソスで描く。桂文楽、安藤鶴夫も本人役で出演。

1月9日(火)〜15日(月)

がめつい奴

1960年(S35)/東宝/カラー/107分

『がめつい奴』写真

©TOHO CO.,LTD.

■原作:菊田一夫/脚本:笠原良三/撮影:完倉泰一/美術:河東安英/音楽:古関裕而
■出演:三益愛子、森雅之、団令子、森繁久彌、高島忠夫、中山千夏、加東大介、草笛光子

東宝の芸術座公演で記録的なロングランをとった菊田一夫の芝居の映画化。主役の三益愛子、中山千夏は舞台と同じ配役。大阪・釜ヶ崎の安宿を舞台に、守銭奴のお鹿婆さん等、そこで生活するいかがわしい人々の強欲ぶりをエネルギッシュに描く群像劇。

1月9日(火)〜15日(月)

香港の夜 A NIGHT IN HONGKONG

1961年(S36)/東宝、キャセイ・オーガニゼーション/カラー/118分

『香港の夜 A NIGHT IN HONGKONG』写真

©TOHO CO.,LTD.

■脚本:井手俊郎/撮影:西垣六郎/美術:河東安英、費伯夷/音楽:松井八郎
■出演:宝田明、尤敏、司葉子、草笛光子、木暮実千代、浜美枝、馬力、王引、小泉博、藤木悠

東宝が香港の製作会社キャセイと組んで合作した“香港三部作”の第一作。二枚目・宝田明の相手役に、“香港の真珠”と呼ばれた尤敏(ユーミン)を配して、英語・日本語・中国語が入り混じる、国境を越えた甘口のロマンスが展開する。恋仇になる司葉子の美しさも絶品。

1月13日(土)〜15日(月)

白い壁畫

1942年(S17)/東宝映画/白黒/95分 ◯国立映画アーカイブ所蔵作品

『白い壁畫』写真

©TOHO CO.,LTD.

■原作:富澤有為男/脚本:吉田二三夫/撮影:中井朝一/特殊撮影:円谷英二/美術:安倍輝明/音楽:鈴木静一
■出演:入江たか子、月形龍之介、高田稔、花井蘭子、立花潤子

富澤有為男の小説の映画化。沖縄・西表島でマラリアに冒されながらも、その治療に身を捧げる医師の献身的な努力を、島にやってきた彼の元恋人とその夫とのドラマを交えて描く。戦時下の沖縄ロケは必見。貨客船が暴風雨で遭難する場面は円谷英二が担当した。

text by 木全公彦(映画評論家)

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