2月8日(日) 〜14日(土)

女の橋

1961年(S36)/松竹京都/カラー/91分

『女の橋』写真

©1961 松竹株式会社

■監督:中村登/原作:小坂順子/脚本:田中澄江/撮影:倉持友一/美術:川村芳久/音楽:鏑木創
■出演:瑳峨三智子、田村高廣、藤山寛美、山本豊三、柳永二郎、佐藤慶、北条喜久、葵京子、佐乃美子、浅茅しのぶ、沢村貞子

結婚相手に裏切られ、花柳界に身を投じたたまき(瑳峨)はバーのマダムへと転身を遂げながら、男性遍歴を重ねていく──。新橋の名妓、小坂順子の同名小説をもとに、ビターな恋を描いた風俗ドラマ。タイプの違う俳優陣のダメ男っぷりもみもの。

2月11日(水) 〜17日(火)

香華

1964年(S39)/松竹大船/白黒/203分 ※途中休憩10分

『香華』写真

©1964 松竹株式会社

■監督・脚本:木下恵介/原作:有吉佐和子/撮影:楠田浩之/美術:伊藤憙朔、梅田千代夫/音楽:木下忠司
■出演:岡田茉莉子、乙羽信子、田中絹代、加藤剛、杉村春子、三木のり平、岡田英次、柳永二郎、菅原文太、桂小金治

淫蕩で虚栄心の強い母と、そんな母を憎みながらも心の支えとして生きる娘。母娘の愛憎、女の孤独と哀しみを明治末期から六十年という歳月で描いた超大作。原作は有吉佐和子のベストセラー。堂々たる女優陣が素晴らしい木下流・女性映画の真骨頂。

2月11日(水) 〜17日(火)

夜の波紋

1958年(S33)/松竹京都/カラー/102分

『夜の波紋』写真

©1958 松竹株式会社

■監督・脚本:内川清一郎/脚本:菊島隆三/撮影:太田真一/音楽:大森盛太郎
■出演:高千穂ひづる、杉田弘子、大木実、福田公子、浪花千栄子、関千恵子、千田是也、仲代達矢、冨士眞奈美、小川虎之助

年に一度、祇園の芸を披露する晴れ舞台、「都おどり」の主役をめぐって、火花を散らす女の戦い──。不幸な境遇から祇園に飛び込んだ芸妓が、伝統と格式の世界に抗う様を描いた一篇。野望を胸に逞しく生きる女を高千穂ひづるが好演している。

2月15日(日) 〜21日(土)

マル秘女郎責め地獄

1973年(S48)/日活/カラー/77分

『マル秘女郎責め地獄』写真

©日活

■監督:田中登/脚本:田中陽造/撮影:高村倉太郎/美術:川崎軍二
■出演:中川梨絵、山科ゆり、あべ聖、薊千露、絵沢萠子、高橋明、堂下繁、織田俊彦、長弘、五條博、島村謙次、小泉郁之助、橘田良江、水木京二

交わった男が次々と変死を遂げ「死神」とよばれた女郎・おせん(中川)の激しく哀しい人生絵巻──。田中登×田中陽造、二人の名匠により、地獄を黙々と生きる女郎の姿を鮮やかにうつしだす。生と死の匂いを映像美で魅せるロマンポルノの傑作時代劇。

2月18日(水) 〜24日(火)

婦系図 湯島の白梅

1955年(S30)/大映東京/白黒/116分

『婦系図 湯島の白梅』写真

©1955 KADOKAWA

■監督・脚本:衣笠貞之助/原作:泉鏡花/脚本:相良準/美術:柴田篤二/音楽:斎藤一郎
■出演:鶴田浩二、山本富士子、森雅之、藤田佳子、杉村春子、高松英郎、加東大介、川上康子、八木沢敏、平井岐代子

明治時代、芸者あがりのお蔦と主税はともに世帯を持てる日を夢見ていたが、学問のために別れを命じられ…。新派の当たり狂言でもある「婦系図」を映画化。山本富士子の出世作で、甘い二枚目として旬を迎えた鶴田浩二との美男美女ぶりに惚れ惚れする。

2月18日(水) 〜24日(火)

骨までしゃぶる

1966年(S41)/東映京都/白黒/88分

『骨までしゃぶる』写真

©東映

■監督:加藤泰/脚本:佐治乾/撮影:わし尾元也/美術:鈴木孝俊/音楽:斎藤一郎
■出演:桜町弘子、久保菜穂子、宮園純子、桑原幸子、夏八木勲、小島恵子、沢淑子、三島雅夫、三原葉子、菅井きん、汐路章、芦屋雁之助

明治時代、生活苦から遊女になったお絹(桜町)は、その身体でたちまち売れっ子となるが、廓の実態を知るにつけ、逃げ出すことを決意する──。桜町弘子がチャーミングな遊女を好演。重くなりがちな廓脱走劇をカラッとテンポよく描いた痛快作!

2月18日(水) 〜24日(火)

無頼漢

1970年(S45)/にんじんくらぶ、東宝/カラー/103分

『無頼漢』写真

©TOHO CO.,LTD.

■監督:篠田正浩/原作:河竹黙阿弥/脚本:寺山修司/撮影:岡崎宏三/美術:戸田重昌/音楽:佐藤勝
■出演:仲代達矢、岩下志麻、小沢昭一、丹波哲郎、渡辺文雄、米倉斉加年、芥川比呂志、太地喜和子、中村敦夫、蜷川幸雄

役者志願の遊び人・直次郎(仲代)と花魁・三千歳(岩下)との恋を軸に、圧政に不満を持つアウトローたちの破天荒な姿を描く。河竹黙阿弥の狂言を寺山修二が脚色し、クセのある個性派俳優が顔を並べる。ピカレスク浪漫溢れる異色時代劇。

2月22日(日) 〜28日(土)

お月様には悪いけど

1954年(S29)/日活/白黒/67分 ※16mm

『お月様には悪いけど』写真

©日活

■監督:堀池清/脚本:柳沢類寿/撮影:中尾利太郎/美術:中村公彦/音楽:古賀政男
■出演:十朱久雄、神楽坂はん子、沢村貞子、若原雅夫、東谷暎子、田島義文、山村聰、小田切みき、島秋子、津村悠子、清水一郎、力道山

ツルカメ興行の社長(十朱)は機内で馴染みの芸者にそっくりの淑女と知り合う。夫の浮気に目を光らせる社長夫人と秘書が瓜二つの女に翻弄されて…。芸者歌手、神楽坂はん子が二役で登場。堀池清監督デビュー作の歌謡コメディ。

2月25日(水) 〜28日(土)、3月4日(水) 〜7日(土)

舞妓と暗殺者

1963年(S38)/大映京都/白黒/75分

『舞妓と暗殺者』写真

©1963 KADOKAWA

■監督:三隅研次/脚本:新藤兼人/撮影:本多省三/美術:内藤昭/音楽:小杉太一郎
■出演:高田美和、津川雅彦、城健三朗、成田純一郎、松本錦四郎、若杉曜子、山本耕一、島田竜三、阿井美千子、真城千都世

貧しい町家育ちの舞妓・ひな菊(高田)と倒幕を目指す下級武士(津川)の恋とともに、幕末京都に生きる若者の苦悩の青春像を紡ぎあげる。様々な傑作を生み出し、脂の乗った時期の三隅研次が、はかない男女の物語をドラマチックに盛り上げる。