昭和の銀幕に輝くヒロイン 総集篇2

■ 作品解説 / /

『しとやかな獣』写真

(c)角川映画

10月5日(日) 〜7日(火)

若尾文子

しとやかな獣

1962年(S37)/大映東京/カラー/96分

■監督:川島雄三/原作・脚本:新藤兼人/撮影:宗川信夫/美術:柴田篤二/音楽:池野成  ■出演:伊藤雄之助、山岡久乃、浜田ゆう子、船越英二、山茶花究、小沢昭一、高松英郎

金のためにモラルなど捨て去った人々の騙しあい、せめぎあいが、狭い公団住宅の室内で展開する実に痛快なブラック・コメディ。若尾文子は、男を手玉にとり金を巻きあげる悪女役に、ローレン・バコール風のヘアスタイルで挑戦。

『清作の妻』写真

(c)角川映画

10月5日(日) 〜11日(土)

若尾文子

清作の妻

1965年(S40)/大映東京/白黒/93分

■監督:増村保造/脚本:新藤兼人/原作:吉田絃二郎/撮影:秋野友宏/美術:下河原友雄  ■出演:田村高廣、殿山泰司、成田三樹夫、清川玉枝、潮万太郎、紺野ユカ

故郷の村へ戻ってきた元妾のお兼は、村八分同然の差別の中、模範青年の清作と結ばれる。やがて日露戦争が激化。愛する夫を戦地へやるまいと彼女は恐ろしい行動に…。数々の傑作を放った増村×若尾コンビが凄まじいばかりの女の愛を描きだした傑作。

10月5日(日) 〜11日(土)

岸恵子

からみ合い

1962年(S37)/にんじんくらぶ/白黒/108分

■監督:小林正樹/脚本:稲垣公一/原作:南条範夫/撮影:川又 /音楽:武満徹  ■出演:仲代達矢、川津祐介、芳村真理、渡辺美佐子、山村聰、滝沢修、宮口精二、千秋実

余命いくばくもない実業家の財産を狙う人々が、虚々実々の争いを繰り広げる。最後に笑うのは誰か?人間悪を追求した白熱のサスペンス・ドラマ。南条範夫の書き下ろし長篇小説を映画化したもので、最高の演技陣が熱演の火花を散らす。

10月8日(水) 〜14日(火)

岩下志麻

内海の輪

1971年(S46)/松竹/カラー/103分

■監督:斎藤耕一/脚本:山田信夫、宮内婦貴子/原作:松本清張/撮影:竹村博/音楽:服部克久 ■出演:中尾彬、三國連太郎、滝沢修、加藤嘉、入川保則、水上竜子、夏八木勲、赤座美代子

四国松山の老舗呉服屋に嫁ぎながらも、前夫の弟と逢瀬を続ける美奈子。しかし、不倫が明るみにでることを怖れた男は、やがて美奈子の殺害を企てる…。男のエゴと女の情念をサスペンス豊かに描いた一篇。岩下志麻が濃密な愛欲描写にも挑戦している。

『接吻泥棒』写真

(c)東宝

10月8日(水) 〜14日(火)

団令子

接吻泥棒

1960年(S35)/東宝/カラー/83分

■監督:川島雄三/脚本:松山善三/原作:石原慎太郎/撮影:中井朝一/音楽:黛敏郎  ■出演:宝田明、新珠三千代、草笛光子、北あけみ、中谷一郎、河津清三郎、有島一郎

女たらしの人気ボクサーをめぐって、女子高生、バーのマダム、ファッションデザイナー、ナイトクラブのショウダンサーと、四人の女性が猛烈な恋のタイトルマッチを繰り広げる。惚れた男を手に入れるため、次々と大胆な行動にでるヒロイン・団令子が可愛い。

10月12日(日) 〜18日(土)

津島恵子

帰郷

1950年(S25)/松竹大船/白黒/104分

■監督:大庭秀雄/脚本:池田忠雄/原作:大佛次郎/撮影:生方敏夫/美術:浜田辰雄  ■出演:佐分利信、木暮実千代、三宅邦子、山村聰、柳永二郎、高橋貞二、徳大寺伸

軍の金を費消した罪を負って、戦後も海外にとどまっていた男が、十数年ぶりに帰国したことから起こるさまざまな波紋――。大佛次郎の新聞連載小説を映画化したもので、津島恵子は美しく成長した娘の役。京都・苔寺での父娘再会シーンが印象深い。