昭和の銀幕に輝くヒロイン 総集篇2

■ 作品解説 / /

『白子屋駒子』写真

(c)角川映画

10月26日(日) 〜11月1日(土)

山本富士子

白子屋駒子

1960年(S35)/大映京都/カラー/94分

■監督:三隅研次/脚本:衣笠貞之助/原作:舟橋聖一/撮影:今井ひろし/美術:内藤昭  ■出演:小林勝彦、近藤美恵子、千秋実、島田竜三、中村鴈治郎、細川ちか子、村上不二夫

日本橋の材木問屋・白子屋の一人娘・駒子は、当代随一の美女として引く手あまた。だが、彼女の心は番頭の忠八にあった…。封建の世に、身分違いの恋に生き、散っていった女・白子屋駒子の波瀾にとんだ人生を、山本富士子主演で艶やかに描いたもの。

10月26日(日) 〜11月1日(土)

岡田茉莉子

斑女

1961年(S36)/松竹大船/カラー/87分

■監督:中村登/脚本:権藤利英/原作:村松梢風/撮影:平瀬静雄/音楽:武満徹  ■出演:佐々木功、芳村真理、倍賞千恵子、山村聰、杉浦直樹、沢村貞子、佐藤慶

村松梢風の『塔』『斑女』『残光』の三篇をまとめたもの。夫を捨てて義弟と駆け落ちした英子は、東京のナイトクラブで働くことに…。夜の世界の裏側で繰り広げられる様々な人間模様――。ナイトクラブのホステスを主人公とした女性篇。

10月29日(水) 〜11月4日(火)

岡田茉莉子

女舞

1961年(S36)/松竹大船/カラー/100分

■監督・脚本:大庭秀雄/脚本:柳井隆雄/原作:円地文子、秋元松代/撮影:長岡博之  ■出演:佐田啓二、岩下志麻、千之赫子、宮口精二、仲谷昇、三津田健、清川虹子

舞踏家の千弥が教えを乞うた能役者・西川は、天才と称されながら女性関係についての噂がたえない。だが稽古を重ねるうちに、千弥もまた、彼の不思議な魅力にひかれていくのだった…。芸道と恋にはげしく燃える女の命――。岡田茉莉子の舞姿もみもの。

10月29日(水) 〜11月4日(火)

加賀まりこ

涙を、獅子のたて髪に

1962年(S37)/松竹大船/白黒/92分

■監督・脚本:篠田正浩/脚本:寺山修司、水沼一郎/撮影:小杉正雄/音楽:武満徹  ■出演:藤木孝、早川保、岸田今日子、山村聰、南原宏治、小池朝雄、神山繁、永田靖

舞台は横浜。港湾労務者を暴力で重労働させたうえ、ピンハネまでする港のダニ・サブ。彼は一人の純真な少女と知りあい、恋に落ちるのだが…。虫けらのような青年の凄惨な青春――。小妖精・加賀まりこのあどけなさがたまらなく可愛い映画デビュー作。

『くちづけ』写真

(c)角川映画

11月2日(日) 〜8日(土)

野添ひとみ

くちづけ

1957年(S32)/大映東京/白黒/74分

■監督:増村保造/脚本:舟橋和郎/原作:川口松太郎/撮影:小原譲治/音楽:塚原晢夫  ■出演:川口浩、三益愛子、小沢栄太郎、見明凡太朗、村瀬幸子、若松和子、清水谷薫

拘置所へ父の面会に訪れた欽一は、ある少女と出会う。二人はオートバイで海に向かい、波乗りやダンスに打ち興じたり、保釈金に心を痛めたり…。脇目もふらず突っ走る男女の青春をエネルギッシュに描いた傑作。野添ひとみが瑞々しい魅力を放つ。

『馬喰一代』写真

(c)角川映画

11月2日(日) 〜8日(土)

京マチ子

馬喰一代

1951年(S26)/大映東京/白黒/113分 ※16mm

■監督・脚本:木村恵吾/脚本:成沢昌茂/原作:中山正男/撮影:峰重義/美術:柴田篤二  ■出演:三船敏郎、志村喬、菅井一郎、市川春代、杉狂児、星光、潮万太郎、左卜全

舞台は大正末から昭和にかけての北海道・北見の大高原。酒と賭博と喧嘩にあけくれていた乱暴者の馬喰が、女房に死なれたのを機に、一人息子を男手ひとつで育てあげる――。京マチ子が、荒っぽい馬喰に想いを寄せる酌婦を熱演。

『甘い汗』写真

(c)東宝

11月5日(水) 〜8日(土)

京マチ子

甘い汗

1964年(S39)/東京映画/白黒/119分

■監督:豊田四郎/原作・脚本:水木洋子/撮影:岡崎宏三/美術:水谷浩/音楽:林光  ■出演:佐田啓二、桑野みゆき、池内淳子、小沢栄太郎、山茶花究、名古屋章、小沢昭一

十代で私生児を産み、水商売の世界を転々としながら、三十六歳の今日まで一人で家族を養ってきた女――。下町の雑多な風景のなか、京マチ子がバイタリティ溢れる凄まじい熱演をみせ、岡崎宏三のカメラがその存在を生々しく捉えている。