3月22日(水)〜28日(火)

追跡者

1948年(S23)/松竹大船/白黒/63分 ※16mm

『追跡者』写真

©1948 松竹株式会社

■脚本:中山隆三/撮影:長岡博之/美術:森幹男/音楽:木下忠司
■出演:佐野周二、幾野道子、徳大寺伸、殿山泰司、山本礼三郎、中川健三、長尾寛、新島勉、津村準、人見良二、楠山和子、勅使河原幸子

出獄してきたチンピラが再び悪の道に誘われ、金庫破りの仲間に加わるが──。前作『深夜の市長』(1947年)の不評で降格処分を受けた川島雄三、一年間干された後、本作で監督復帰。珍しいアクション、サスペンスもの。

3月26日(日)〜28日(火)

昨日と明日の間

1954年(S29)/松竹大船/白黒/120分 ◯国立映画アーカイブ所蔵作品

『昨日と明日の間』写真

©1954 松竹株式会社

■原作:井上靖/脚本:椎名利夫/撮影:西川亨/美術:逆井清一郎/音楽:黛敏郎
■出演:鶴田浩二、月丘夢路、淡島千景、大木実、進藤英太郎、片山明彦、菅佐原英一、大坂志郎、野添ひとみ、御園裕子

民間航空会社の設立に奔走する情熱の男が、腐れ縁の恋人と、美貌の資産家夫人との間で、恋の駆け引きにも飲みこまれていく──。週刊朝日連載の井上靖の同名小説を映画化。この作品を最後に川島雄三は新天地・日活へ移籍する。

3月26日(日)〜4月1日(土)

花影

1961年(S36)/東京映画/カラー/99分

『花影』写真

©TOHO CO., LTD.

■原作:大岡昇平/脚本:菊島隆三/撮影:岡崎宏三/美術:小島基司/音楽:池野成
■出演:池内淳子、池部良、三橋達也、高島忠夫、有島一郎、佐野周二、淡島千景、筑波久子、山岡久乃、高城淳一

銀座のバーの雇われマダムが、遊戯のような虚しい恋愛を繰り返し、ついに自死を選ぶまで──。実在の人物をモデルにした、大岡昇平原作の文芸メロドラマ。池内淳子は東京映画と専属契約後の主演第一回作で、哀れな夜の蝶を懸命に演じた。

3月29日(水)〜4月4日(火)

花吹く風

1953年(S28)/松竹京都/白黒/91分 ※16mm

『花吹く風』写真

©1953 松竹株式会社

■原作:北條誠/脚本:八住利雄/撮影:竹野治夫/美術:桑野春英/音楽:木下忠司
■出演:紙京子、大木実、藤代鮎子、幾野道子、龍崎一郎、市川春代、堺駿二、進藤英太郎、神楽坂はん子、コロムビア・ローズ

商事会社のタイピスト兼渉外係を務めるアプレ娘と、小唄の師匠をしながら病床の父を養う古風な姉。性格の異なる美貌の姉妹の運命を、変化の激しい証券業界に絡めて描いたもの。神楽坂はん子、コロムビア・ローズら多彩な顔ぶれ。

3月29日(水)〜4月4日(火)

接吻泥棒

1960年(S35)/東宝/カラー/83分

『接吻泥棒』写真

©TOHO CO., LTD.

■原作:石原慎太郎/脚本:松山善三/撮影:中井朝一/美術:村木忍/音楽:黛敏郎
■出演:宝田明、団令子、新珠三千代、草笛光子、北あけみ、沢村貞子、中谷一郎、有島一郎、河津清三郎、石原慎太郎

女たらしの拳闘チャンピオンをめぐって、女子高生、バーのマダム、ファッションデザイナー、ナイトクラブのショウダンサー……と四人の女性が猛烈な恋のタイトルマッチを繰り広げる。原作者・石原慎太郎も本人役で登場。

4月2日(日)〜4日(火)

風船

1956年(S31)/日活/白黒/110分 ◯国立映画アーカイブ所蔵作品

『風船』写真

©日活

■原作:大佛次郎/脚本:川島雄三、今村昌平/撮影:高村倉太郎/美術:中村公彦/音楽:黛敏郎
■出演:森雅之、三橋達也、北原三枝、左幸子、芦川いづみ、新珠三千代、牧真介、高野由美、二本柳寛

画家の道を捨て実業家として成功を収めた男と、その子どもたちの、風船のように揺れ動く心──。毎日新聞連載の大佛次郎の同名小説を映画化。北原三枝、新珠三千代、芦川いづみ、左幸子の四人の女優がそれぞれ異なる魅力を発揮している。

4月2日(日)〜8日(土)

明日は月給日

1952年(S27)/松竹大船/白黒/90分 ※16mm

『明日は月給日』写真

©1952 松竹株式会社

■原作:宮崎博史、北町一郎、鹿島孝二/脚本:柳沢類寿/撮影:西川亨/美術:中村公彦/音楽:木下忠司
■出演:日守新一、高橋貞二、紙京子、幾野道子、井川邦子、望月優子、大坂志郎、渡辺篤、英百合子

八人の子どもを抱える真面目一筋の経理課長が、給料遅配に立ち向かうサラリーマン喜劇。月給日をめぐる騒動に、大家族それぞれのエピソードが絡んで、やがてハッピーエンドにいたる。主人公の家長には日守新一、いい味。

4月5日(水)〜8日(土)、12日(水)〜15日(土)

貸間あり

1959年(S34)/宝塚映画/白黒/112分

『貸間あり』写真

©TOHO CO., LTD.

■原作:井伏鱒二/脚本:川島雄三、藤本義一/撮影:岡崎宏三/美術:小島基司/音楽:真鍋理一郎
■出演:フランキー堺、淡島千景、桂小金治、乙羽信子、浪花千栄子、清川虹子、山茶花究、藤木悠、小沢昭一

大阪通天閣付近のアパート屋敷を舞台に、一癖も二癖もある住人たちの奔放な行状が綴られる。当時駆けだしのシナリオライターであった藤本義一とともに井伏鱒二原作を大胆にアレンジ。川島雄三の墓碑銘「サヨナラだけが人生だ」が台詞にも。

4月5日(水)〜11日(火)

こんな私じゃなかったに

1952年(S27)/松竹大船/白黒/88分 ※16mm

『こんな私じゃなかったに』写真

©1952 松竹株式会社

■原作:北條誠/脚本:池田忠雄、柳沢類寿、野村芳太郎/撮影:西川亨/美術:逆井清一郎/音楽:木下忠司
■出演:水原真知子、宮城千賀子、川喜多雄二、神楽坂はん子、山村聰、坂本武、桜むつ子、日守新一

大学の理学部で応用化学を学ぶ才媛が、家計を助けるために、芸者のアルバイトを始める──。神楽坂はん子の同名ヒット曲にのせて繰り広げられる、メロドラマ風の青春歌謡映画。川島作品の常連となる桂小金治がこの作品で初出演を果たす。

4月5日(水)〜11日(火)

人も歩けば

1960年(S35)/東京映画/白黒/99分

『人も歩けば』写真

©TOHO CO., LTD.

■原作:梅崎春生/脚本:川島雄三/撮影:岡崎宏三/美術:小島基司/音楽:真鍋理一郎
■出演:フランキー堺、小林千登勢、淡路恵子、加東大介、森川信、沢村貞子、桂小金治、横山道代、藤木悠、春川ますみ

将棋がとりもつ縁で質屋の婿養子となった青年・桂馬君をめぐる遺産相続大騒動──。梅崎春生のユーモア小品を軽快なテンポで映像化。フランキーの達者なナレーションによる鮮やかな導入部、予測不能な展開が楽しい。

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