この監督、この一本。スケジュールラピュタ阿佐ヶ谷

作品解説【1】 【2】 【3】 【4】


蔵原惟繕『狂熱の季節』 6.9[水]−15[火] ※6.12[土]休映
1960年/日活/白黒/75分
■脚本:山田信夫/原作:河野典生/撮影:間宮義雄/音楽:黛敏郎/美術:千葉一彦  ■出演:川地民夫、千代侑子、郷 治、長門裕之、松本典子チコ・ローランド


虚無感を爆発させる若者たちの叫び
未だ色褪せない青春映画の金字塔


河野典生の『狂熱のデュエット』をもとに、無軌道に生きる若者たちの姿をビート・ジャズの演奏にのせて鮮烈に描く。ダイナミックなカメラワークと攻撃的なジャズが、本作品でデビューを飾る川地民夫をいっそう狂わせた。



小林正樹『切腹』 6.13[日]−19[土]
1962年/松竹京都/白黒/134分
■脚本:橋本忍/原作:滝口康彦/撮影:宮島義勇/音楽:武満徹/美術:大角純一、戸田重昌  ■出演:仲代達矢、三國連太郎、石浜朗、岩下志麻、丹波哲郎、佐藤慶


優れた脚本との幸福な出会い
正樹入魂、初の時代劇


玄関先にフラリと現れ、切腹の場所を借りたいと申しでた浪人・仲代をめぐって、意外な真相が解明されていく…。橋本忍の卓抜した脚本を得て、武家社会の虚飾と偽善を重厚な構成で見ごたえのある作品に仕上げている。



衣笠貞之助『大佛開眼』 6.16[水]−22[火]
1952年/大映京都/白黒/129分 ※16mm
■脚本:八木隆一郎/原作:長田秀雄/撮影:杉山公平音楽:團伊玖磨/美術:伊藤熹朔  ■出演:長谷川一夫、京マチ子、水戸光子、日高澄子、大河内傅次郎


実物大の大佛セットふたつ!
豪華出演陣でおくる大歴史絵巻


時は天平華やかなりし奈良時代。大佛建立をめぐる抗争と工事の苦難を、壮絶な人間ドラマを絡めて描いたスペクタクル大作。七百組の衣裳が用意され、大佛は実物大のものがふたつ製作される等、当時としてもそのスケールの大きさが話題に。



中川信夫『地獄』 6.16[水]−22[火]
1960年/新東宝/カラー/100分
■製作:大蔵貢/脚本:中川信夫、宮川一郎/撮影:森田守/音楽:渡辺宙明/美術:黒沢治安  ■出演:天知茂、沼田曜一、中村虎彦、宮田文子、三ツ矢歌子、林寛、徳大寺君枝


とどまる事を知らない地獄の阿鼻叫喚
悪いことしたら、こうなるぞ!


賽の河原、血の池地獄、針の山…。日本古来の地獄絵図を再現するだけにとどまらず、人間の罪の意識やそれからの救済を深くえぐる中川恐怖映画の集大成。日本のSFXや特殊メイクの歴史を語る上でも貴重な一本。なんとアラカンが閻魔様で登場。



野村芳太郎『五瓣の椿』 6.20[日]−26[土]
1964年/松竹大船/カラー/163分
■脚本:井手雅人/原作:山本周五郎/撮影:川又昂/音楽:芥川也寸志/美術:松山崇、梅田千代夫  ■出演:岩下志麻、田村高廣加藤剛、伊藤雄之助、早川保左幸子、西村晃、小沢昭一


殺しの現場に残された椿一輪の謎…
壮大なスケールで描く復讐奇譚


最愛の父の死をきっかけに、不義を重ねていた母親を憎む娘が、相手の男たちを次々と殺害していく…。サスペンスの巨匠・野村が山本周五郎の同名小説を映画化。岩下志麻が復讐に燃えるヒロインを妖艶さを漂わせて熱演。女の執念に誰しも惚れる。