シネマ紀行 京都ものがたり

■ 作品解説 / / /

『忘れるものか』写真

(c)日活

8月13日(水) 〜19日(火)

忘れるものか

1968年(S43)/日活/カラー/83分

■監督:松尾昭典/脚本:小川英、蘇武路夫/撮影:岩佐一泉/美術:横尾嘉良/音楽:嵐野英彦  ■出演:石原裕次郎、二谷英明、星由里子、川口恒、太田雅子、田崎潤、市原悦子

親友が謎の死を遂げたと聞かされた岡部は、一路京都へ。昔なじみの新聞記者や弟分から情報を得て、真相を探りはじめた彼だったが、意外な事実が判明し…。燃えたぎる男の激情が夜霧の古都に炸裂する!石原裕次郎主演のムード・アクション。

8月17日(日) 〜23日(土)

祇園の姉妹

1936年(S11)/第一映画/白黒/69分

■原作・監督:溝口健二/脚本:依田義賢/撮影:三木稔  ■出演:山田五十鈴、梅村蓉子、志賀廼家弁慶、久野和子、大倉文男、進藤英太郎

芸者姉妹を主人公に、対照的な二人の生き方を描きながら、芸者人生の悲哀を厳しい目でとらえた名篇。古風で義理堅い姉に梅村蓉子、打算的な妹を山田五十鈴が演じて魅力を存分に発揮。祇園界隈の情景を巧みにうつしとっているのも味わい深い。

『ポルノの女王 にっぽんSEX旅行』写真

(c)東映

8月17日(日) 〜23日(土)

ポルノの女王 にっぽんSEX旅行

1973年(S48)/東映京都/カラー/72分

■監督:中島貞夫/脚本:金子武郎、中島信昭/撮影:国定玖仁男/美術:雨森義允/音楽:荒木一郎  ■出演:荒木一郎、クリスチナ・リンドバーグ、下馬二五七、関睦夫、粟津號、川谷拓三、片桐竜次

荒木一郎扮する冴えない若者に、京都の安アパートまで連れてこられて軟禁される外人娘──。きわどい題名とは裏腹に、東寺のみえるアパートで展開されるのは何とも繊細な純愛物語。スウェーデンポルノの女王と京都のミスマッチ感覚も魅力的。

『古都憂愁 姉いもうと』写真

(c)角川映画

8月20日(水) 〜26日(火)

古都憂愁 姉いもうと

1967年(S42)/大映京都/カラー/90分

■監督:三隅研次/脚本:依田義賢/撮影:武田千吉郎 /美術:内藤昭/音楽:小杉太一郎  ■出演:藤村志保、若柳菊、長谷川明男、八千草薫、伊藤栄子、船越英二、藤岡琢也

京都の老舗料亭“とと喜”の暖簾を守るきよ子。妹には幸せな結婚を望んでいたのだが、彼女の婚約者から愛を告白され…。三隅研次が叙情豊かに描きあげた秀作メロドラマ。情緒溢れる町並みはもちろんのこと、京の味覚が存分に目で楽しめる。

『西陣心中』写真

(c)ATG

8月20日(水) 〜26日(火)

西陣心中

1977年(S52)/たかばやしよういちプロ、ATG/カラー/111分

■原案・監督・撮影:高林陽一/脚本:高田宏治/美術:藤谷辰太郎、細石照美/音楽:高林博子  ■出演:島村佳江、光田昌弘、土屋嘉男、楠侑子、成田三樹夫、上月左知子 、山田吾一、大泉滉

妻子ある男との無理心中に失敗したゆみは、故郷には戻らず京の町へ。絢爛たる西陣のつづれ帯に目を奪われた彼女は、やがて、若い織り手・博之と恋に落ちる…。西陣織の魅力と情緒あるロケーションを織り交ぜながら、男女の悲喜を綴った一篇。

『夜の河』写真

(c)角川映画

8月24日(日) 〜30日(土)

夜の河

1956年(S31)/大映京都/カラー/104分

■監督:吉村公三郎/脚本:田中澄江/原作:沢野久雄/撮影:宮川一夫/美術:内藤昭/音楽:池野成  ■出演:山本富士子、上原謙、小野道子、市川和子、川崎敬三

京染屋の娘・きわは、結婚もせず家業に打ち込んできたが、妻子ある大学教授に心惹かれ…。京染の世界に材をとり、一人の女の凛とした生き様を描いた文芸巨篇。山本富士子の京都弁もまろやかで耳ざわりよく、彼女の魅力が存分に発揮されている。

8月24日(日) 〜30日(土)

美しさと哀しみと

1965年(S40)/松竹大船/カラー/106分

■監督:篠田正浩/脚本:山田信夫/原作:川端康成/撮影:小杉正雄/美術:大角純一/音楽:武満徹  ■出演:加賀まりこ、八千草薫、山村聰、山本圭、渡辺美佐子、杉村春子、中村芳子

作家の大木はかつて愛した画家・音子と京都で再会。彼はその弟子・けい子の妖しい魅力に惹かれていくが、女二人もまた愛しあう仲で…。魔性の少女・けい子の甘美で残酷な復讐劇──。川端康成の異色名作をモダンかつ耽美的なタッチで映像化。

『偽れる盛装』写真

(c)角川映画

8月27日(水) 〜30日(土)

偽れる盛装

1951年(S26)/大映京都/白黒/103分

■監督:吉村公三郎/脚本:新藤兼人/撮影:中井朝一/美術:水谷浩/音楽:伊福部昭  ■出演:京マチ子、藤田泰子、村田知英子、小林桂樹、菅井一郎

人情にとらわれずドライに、奔放に生きる勝気な芸者・君蝶と、市役所勤めの地味な妹──。それぞれの生き方を対比させながら、移りゆく京都花街の人情風俗をみごとにうつしだした傑作。姉の芸者に扮した京マチ子が体当たりの熱演で魅せる。