上映スケジュール | ラピュタ阿佐ヶ谷
6月28日(水)〜7月4日(火)
1968年(S43)/東映京都/カラー/90分
©東映
■監督:工藤栄一/脚本:野上龍雄/撮影:古谷伸/音楽:八木正生 ■出演:梅宮辰夫、渡辺文雄、長谷川明男、志村喬、大信田礼子、松岡きっこ
主人公の行動原理がまったく分からん上に、姿を見せぬ政治家の「天の声」に日本を代表する悪役たちが痛み分けで終わるというのでは、カタルシスの欠片もない。名優志村喬も売り出し中の大信田礼子も宝の持ち腐れ。やっぱり辰兄ィはひも・いろ・ダニでなけりゃね。(佐伯) ▲
上映スケジュール
7月2日(日)〜8日(土)
1965年(S40)/東映京都/カラー/120分
■監督:沢島忠/脚本:笠原和夫、中島貞夫、野上龍雄/撮影:古谷伸/音楽:佐藤勝 ■出演:中村錦之助、入江若葉、仲代達矢、松方弘樹、志村喬
三人の脚本家の股旅オムニバス。枷に縛られた男女の笠原の秋、「瞼の母」の逆手の中島の冬、野上の春はいい加減な渡世人が殺しを引き請け右往左往する姿を描き秋冬のヤクザ像を否定。脚本家の個性を楽しめる一作で、野上の錦之助は時次郎にも中村主水にも見えてくる。(田中) ▲
1963年(S38)/東映京都/白黒/81分
■監督:内出好吉/原作:香川登志緒/脚本:野上龍雄/撮影:羽田辰治/音楽:古川益雄 ■出演:藤田まこと、白木みのる、平参平、花菱アチャコ
藤田まことの出世作のナンセンスTV時代劇シリーズの映画化。上方喜劇人の持ちネタを見せつつ時次郎と珍念のエピソード0として男と男のメロドラマを作劇し、二人の過去も見せるのはまさに職人芸。このTVを映画にするノウハウは木枯し紋次郎にも生かされる。(田中) ▲
7月5日(水)〜11日(火)
1964年(S39)/東映京都/カラー/95分
■監督:加藤泰/原作:司馬遼太郎/脚本:野上龍雄/撮影:松井鴻/音楽:木下忠司 ■出演:大川橋蔵、桜町弘子、西村晃、大木実、進藤英太郎
司馬遼太郎の伝奇小説を野上は波乱万丈な物語より加藤泰が好む男女の情念を芝居場とする事で映画の尺に収める。ゆえに主役の橋蔵よりもヒロインの桜町弘子や脇の中原早苗のドラマとなってしまうのが野上の真骨頂であり確信犯なのはクライマックスを見れば明らか。(田中) ▲
1975年(S50)/東映京都/カラー/95分
■監督:中島貞夫/脚本:野上龍雄/撮影:増田敏雄/音楽:広瀬健次郎 ■出演:松方弘樹、北大路欣也、田中邦衛、伊吹吾郎、川地民夫、金子信雄
囚人の反抗が集団暴動にエスカレートする原因はただひとつ、「メシ食わせ」。遠因は、豚の飼育係を生き甲斐とする無期懲役犯・田中邦衛の自殺にあるという展開。十三年ぶりの共演の松方と欣也の対決と共闘は見せ所。惜しむらくは、女優陣が中盤で消えてしまうところか。(佐伯) ▲
7月9日(日)〜15日(土)
1966年(S41)/東映京都/カラー/99分
■監督:マキノ雅弘/脚本:野上龍雄、笠原和夫/撮影:山岸長樹/音楽:斎藤一郎 ■出演:高倉健、藤純子、長門裕之、藤山寛美、水島道太郎
男と女のちょっとしたやりとりは野上の独壇場なんですよ。そういうシーンを僕が書いたら、野上からせせら笑われましてね。「笠原クンね。こんな芝居じゃもたないよ」と。それで野上が書き直してね。で、うまいんですよ、さすがに。軽妙で、人間的でね。(笠原和夫) ▲
1972年(S47)/松竹/カラー/93分
©1972 松竹株式会社
■監督:舛田利雄/原作:生島治郎/脚本:野上龍雄/撮影:小杉正雄/音楽:鏑木創 ■出演:田宮二郎、渡哲也、倍賞美津子、吉行和子、佐藤慶
ハードボイルドを根付かせた生島治郎の直木賞受賞作。原作が丹念に描く港湾利権話を背景に、はぐれ刑事と組織を裏切るヤクザのドブ鼠二人に焦点を合わせた野上らしい脚本。真の勝者は田宮二郎か渡哲也か。だが、倍賞・吉行・生田の女優陣に今ひとつ精彩がない。(佐伯) ▲
7月12日(水)〜18日(火)
1972年(S47)/東映京都/カラー/89分
■監督:中島貞夫/原作:笹沢左保/脚本:野上龍雄/撮影:わし尾元也/音楽:津島利章 ■出演:菅原文太、田中邦衛、中村英子、市原悦子
市川崑のTV版では主人公の内面に踏み込まない事でシリーズを続けていたが原作では嫁ぎ先で死んだ姉を生きている事にし再会させ映画独自の物語とした。ギリシャ悲劇を思わせる残酷な再会のドラマは紋次郎の内面を容赦なくえぐる。安易に続篇が作れなくなるのも道理。(田中) ▲
作品紹介:荒井晴彦、佐伯俊道、田中貴大、井上淳一
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