上映スケジュール | ラピュタ阿佐ヶ谷
7月12日(水)〜18日(火)
1973年(S48)/東映京都/カラー/90分
©東映
■監督:山下耕作/原案:斯波道男/脚本:野上龍雄/撮影:山岸長樹/音楽:広瀬健次郎 ■出演:菅原文太、川地民夫、渡瀬恒彦、三益愛子
高田宏治が生み出したこのヒットシリーズは母を知らない二人の想いがオリン(泣かせ場)のヘソだが、野上は母、娘、孫の女家族を出し、まむしの行動がその均衡をぶち壊し不幸をもたらすシリーズのアンチテーゼを描く。高田と野上、二人の脚本家が娯楽映画の中で火花を散らす。(田中) ▲
上映スケジュール
7月16日(日)〜22日(土)
1979年(S54)11月9日/ABCテレビ/カラー/49分
写真提供:ABCテレビ
■監督:大熊邦也/原作:船山馨/脚本:野上龍雄/撮影:佐野吉保、小川宏充/音楽:池辺晋一郎 ■出演:緒形拳、岸惠子、阿木五郎、竹内照夫、今野鶏三
坂本龍馬オタクの男が、龍馬の妻おりょうと知らずに結婚して十年、龍馬二十三回忌に、あの英雄の奥様だったと知ってしまう。ワンセットで緒形拳と岸惠子。何で月とスッポンの俺なんかと、でも今は俺のモノ、龍馬が何だ、龍馬はこうしたのかとのしかかる。野上ワールドだ。(荒井) ▲
1978年(S53)/東映京都/カラー/130分
■監督・脚本:深作欣二/脚本:野上龍雄、松田寛夫/撮影:中島徹/音楽:津島利章 ■出演:萬屋錦之介、千葉真一、松方弘樹、西郷輝彦、丹波哲郎
言わずと知れた東映時代劇復活を賭けた大作。後にスタンダードとなる公家言葉の「おじゃります」は本作で野上が発明した。全篇ワクワクが止まらない。娯楽は事実を凌駕するとタランティーノに影響を与えたであろう歴史改竄のラストは必見。柳生十兵衛の躍動を銀幕で。(井上) ▲
7月19日(水)〜25日(火)
1971年(S46)/東映京都/カラー/107分
■監督:山下耕作/脚本:野上龍雄/撮影:山岸長樹/音楽:渡辺岳夫 ■出演:藤純子、高倉健、津川雅彦、山本麟一、水島道太郎、大木実
近代産業を描く東映任侠映画で朝ドラ『あさが来た』と同じ題材をTVでは描けない炭鉱とヤクザとの関わりまで描き映画化。地元で川筋者と呼ばれ漢の代名詞の船頭が高倉健。筑豊弁が何とも格好良くここしかないという所で登場。野上の人物捌きの巧みさが堪能できる。(田中) ▲
1974年(S49)/東映京都/カラー/90分
■監督:中島貞夫/原案:かわぐちかいじ、滝沢解/脚本:野上龍雄/撮影:赤塚滋/音楽:広瀬健次郎 ■出演:小林旭、渡瀬恒彦、安藤昇、賀川雪絵
かわぐちかいじの原作をタイトル以外、一字も使わなかったという。警察なんてどこにも出てこない。しかし旭と渡瀬の異母兄弟対決モノとしては最高。ヤクザの美学、義理人情から解放されて、作り手は自由になったのではないか。実録でなくても実録以上にアナーキー。(井上) ▲
7月23日(日)〜29日(土)
1972年(S47)/東映京都/カラー/98分
■監督:小沢茂弘/脚本:野上龍雄/撮影:吉田貞次/音楽:渡辺岳夫 ■出演:高倉健、池部良、星由里子、松平純子、浪花千栄子、藤田進、天津敏
全共闘運動に影響を受けたという野上が放った反権力の傑作。近衛連隊に入隊した健さんは背中の刺青が原因でいじめられる。ついに上官=天皇を殴り除隊。娯楽映画で天皇制=家父長制批判をやるしたたかさ。母で泣かせることも忘れない。野上の望郷と思想がここにある。(井上) ▲
1972年(S47)/東映京都/カラー/103分
■監督:山下耕作/原案:島村喬/脚本:野上龍雄/撮影:古谷伸/音楽:木下忠司 ■出演:鶴田浩二、高倉健、若山富三郎、菅原文太、松方弘樹
「これは死者たちの物語だ」と野上。健さんも文太も殴りこみ前に無惨に死ぬ。若山と松方は任侠映画初の同性愛。老舗が新興の組にやられるパターン=近代批判は逆転。『仁義なき戦い』前夜、新たなヤクザ映画を模索する中で生まれた、『総長賭博』にも劣らぬ名作。(井上) ▲
7月26日(水)〜29日(土)
1973年(S48)/白楊社、ATG/カラー/97分
■監督:中島貞夫/脚本:野上龍雄/撮影:増田敏雄/音楽:荒木一郎と頭脳警察 ■出演:渡瀬恒彦、杉本美樹、森みつる、小池朝雄、荒木一郎
撮影所では通らない非商業的な企画ができるのがATG映画だと思っていた。頭脳警察が歌っていても、これは東映映画だった。『血桜三兄弟』の小池朝雄の鉄砲玉をウサギ売りのチンピラにしたのだ。血だらけの渡瀬が観光バスになぜ乗れたのか、見直して初めて思った。(荒井) ▲
作品紹介:荒井晴彦、佐伯俊道、田中貴大、井上淳一
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