鉄腕脚本家 高田宏治

■ 作品解説 / /

Comment by 高田宏治

4月27日(日) 〜29日(火)

忍者狩り

1964年(S39)/東映京都/白黒/87分

『忍者狩り』写真

©東映

■監督:山内鉄也/脚本:高田宏治/撮影:赤塚滋/美術:井川徳道/音楽:津島利章
■出演:近衛十四郎、河原崎長一郎、山城新伍、佐藤慶、田村高廣、北条きく子、穂高稔、高森和子、安部徹、天津敏、加賀邦男

大映のヒットシリーズ『忍びの者』を超えようと、毎晩、山内鉄也監督や中島貞夫がぼくの宿に来て、喧々諤々やりながら書いたんや。とことんハードボイルドにいったろ思うてね。ラスト、霊廟の中での死闘はいま観ても、痺れるわ。

4月27日(日) 〜5月3日(土)

博奕打ち

1967年(S42)/東映京都/カラー/91分

『博奕打ち』写真

©東映

■監督・脚本:小沢茂弘/脚本:村尾昭、高田宏治/撮影:鈴木重平/美術:鈴木孝俊/音楽:津島利章
■出演:鶴田浩二、待田京介、小池朝雄、若山富三郎、河津清三郎、小倉康子、桜町弘子、山城新伍、藤山寛美

共作の村尾昭さんは男気があって、テレビでくすぶるぼくに任侠映画を書かせてくれたんや。焼肉が好きな人で、この映画のときも、毎晩ふたりで「ミノ」を十人前は食べてたな。下半身が元気になってしもて、脚本どころやなかったで。

4月27日(日) 〜5月3日(土)

懲役太郎 まむしの兄弟

1971年(S46)/東映京都/カラー/87分

『懲役太郎 まむしの兄弟』写真

©東映

■監督:中島貞夫/脚本:高田宏治/撮影:赤塚滋/美術:富田治郎/音楽:菊池俊輔
■出演:菅原文太、川地民夫、佐藤友美、三島ゆり子、女屋実和子、川谷拓三、葉山良二、天津敏、林彰太郎、緒角啓二郎、安藤昇

東映の正統派任侠路線の逆手をとった、反逆精神っていうんか、中島貞夫の面目躍如たる作品や。二人の刺青は即席で描かれた絵でほんで雨に流れてしまう、いうシーンを見たお客さんから技術的なミスやと間違われて。あれには参ったで。

4月30日(水) 〜5月6日(火)

妖艶毒婦伝 般若のお百

1968年(S43)/東映京都/白黒/90分

『妖艶毒婦伝 般若のお百』写真

©東映

■監督:石川義寛/原案:高橋猛/脚本:高田宏治/撮影:山岸長樹/美術:富田治郎/音楽:津島利章
■出演:宮園純子、村井国夫、南原宏治、三島ゆり子、高野真二、関山耕司、小松方正、芦屋雁之助、名和宏、若山富三郎

こんな地味なもんもやってくれるんか。「極妻」に至るぼくの女侠路線の原点や。背中の傷を負い目に思う宮園純子に、村井国夫が「あんたの傷をくれ」いうんがこれの名場面や。こんな気障なセリフ、いまはもう書けまへん。

4月30日(水) 〜5月6日(火)

獄中の顔役

1968年(S43)/東映東京/カラー/90分

『獄中の顔役』写真

©東映

■監督:降旗康男/脚本:笠原和夫、高田宏治、鳥居元宏/撮影:星島一郎/美術:藤田博/音楽:伊部晴美
■出演:高倉健、藤純子、山城新伍、曽根晴美、由利徹、天津敏、宇佐美淳也、遠藤辰雄、左卜全、島田正吾、池部良

これやった頃は一週間で一本やれ、いわれる時代やったから忙しいのなんの。笠原さんと後輩の鳥居元宏くんと三人で書いても大わらわやった。京都でホン書いて、撮影は東京でやった思うわ。高倉健さんの「背広やくざモン」の一本や。

5月4日(日) 〜10日(土)

野性の証明

1978年(S53)/角川春樹事務所/カラー/143分

『野性の証明』写真

©1978 KADOKAWA

■監督:佐藤純弥/原作:森村誠一/脚本:高田宏治/撮影:姫田真佐久/美術:徳田博/音楽:大野雄二
■出演:高倉健、薬師丸ひろ子、中野良子、三國連太郎、夏木勲、松方弘樹、田村高廣、丹波哲郎、ハナ肇

『日本の首領』を観た角川春樹さんから声がかかった。「どうですか?」って聞いたら、「主人公が歩く部隊の移動の方角が悪い」いうて「方角」にだけ注文ついて、あとは褒めてくれたな。スケールのどでかいおもろい人やった。

5月4日(日) 〜10日(土)

博奕打ち 一匹竜

1967年(S42)/東映京都/カラー/89分

『博奕打ち 一匹竜』写真

©東映

■監督・脚本:小沢茂弘/脚本:高田宏治/撮影:わし尾元也/美術:大門恒夫/音楽:津島利章
■出演:鶴田浩二、待田京介、山城新伍、松尾嘉代、木村俊恵、天津敏、小松方正、遠藤辰雄、藤山寛美、丹波哲郎

小沢さんが刺青にのめり込んでしもて「高田、一緒に入れよう!」と追い回されて往生したわ。あと、ラストでずらり並んだ刺青の男らに、ホンモンの指名手配犯が混じっとって撮影所に警察が来よった。殺人犯はどの男か、当ててや。

5月7日(水) 〜13日(火)

関東おんなド根性

1969年(S44)/大映京都/カラー/79分

『関東おんなド根性』写真

©1969 KADOKAWA

■監督:井上昭/脚本:高田宏治/撮影:森田富士郎/美術:上里忠男/音楽:渡辺岳夫
■出演:安田道代、吉田輝雄、中谷一郎、大辻伺郎、小池朝雄、内藤武敏、小林直美、亀石征一郎、遠藤辰雄、佐々木孝丸、五味龍太郎

市川雷蔵の映画書いた後にお声がかかって、東映的な若手の女侠モノをやりたいいう注文やった。当時は安田道代いう芸名なんやけど、ごっつう可愛い人で。井上監督もセンスのいい若手で、画づくりがうまいなと感心したわ。

5月7日(水) 〜13日(火)

仁義なき戦い 完結篇

1974年(S49)/東映京都/カラー/99分

『仁義なき戦い 完結篇』写真

©東映

■監督:深作欣二/原作:飯干晃一/脚本:高田宏治/撮影:吉田貞次/美術:鈴木孝俊/音楽:津島利章
■出演:菅原文太、北大路欣也、松方弘樹、野川由美子、山城新伍、田中邦衛、宍戸錠、金子信雄、小林旭

笠原『仁義』の後の世代がどう動くか、新しいことを試みたかった。作サン(深作監督)とは初めてで重荷もあったけど、張り切ってやったで。中原早苗さんが弟に草鞋を履かせるシーン、あれは取材で聞いて、台詞を一生懸命考えた。印象的な場面やろ。