2025年3月9日(日)〜4月26日(土)ラピュタ阿佐ケ谷
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「警視庁物語」シリーズで東映現代劇に新生面を拓き、大映の増村保造、日活の中平康らとともにニューウェーブの監督として注目された村山新治。その後、犯罪アクション、純愛メロドラマ、名作リメイク、風俗もの、任俠映画まで……あらゆるジャンルを手がけた〈職人監督〉に今また光をあてる7週間。
協力:東映株式会社、株式会社桜映画社、新生映画株式会社、神戸映画資料館、国立映画アーカイブ
中央写真:『警視庁物語 七人の追跡者』(1958年)渋谷駅前ロケ。台本を丸めて持つ村山。
村山新治 (むらやましんじ)
1922年7月10日長野県埴科郡屋代町(現・千曲市)生まれ。41年長野工業学校を卒業、42年次兄・村山英治のいる芸術映画社に入社、記録映画の助監督になる。翌年、朝日映画社に合併移籍。50年に東映の前身である太泉映画に入社。今井正、佐伯清らの助監督を務めた後、東映教育映画部で『わんぱく時代』(56)『風の又三郎』『二宮尊徳の少年時代』(57)の児童劇映画3本を監督。57年『警視庁物語 上野発五時三五分』で劇映画デビュー。シリーズ24本のうち7本を手がけ、セミドキュメンタリー・タッチのみごとさ、刑事集団一人ひとりの描き方のうまさ、無駄のないたたみかけるようなストーリー展開で、完全な一つのスタイルを確立。「警視庁物語」を人気シリーズに押しあげる。この他代表作には『七つの弾丸』(59)『白い粉の恐怖』(60)『故郷は緑なりき』(61)『無法松の一生』『海軍』(63)『肉体の盛装』(64)『いろ』(65)などがあり『実録・飛車角 狼どもの仁義』(74)まで東映での劇映画監督作品は40本を超える。60年代後半からは活躍の場をテレビに移し『ザ・ガードマン』『キイハンター』『特捜最前線』「東映不思議コメディー」シリーズなど多数の演出にあたる。2021年2月14日死去。
書籍案内
村山新治、上野発五時三五分
私が関わった映画、その時代
村山新治/著 村山正実/編
新宿書房 定価4,070円(税込)
敗戦、占領、映画検閲、レッドパージ……。激動の時代から映画黄金期を迎えた日本映画界。1957年東映から『警視庁物語 上野発五時三五分』で監督デビューした著者による回想記とインタビュー。さらに村山新治の下で助監督を務めた深作欣二、澤井信一郎の両監督、脚本家の荒井晴彦との座談会を特別収録。詳細なフィルモグラフィー、関連年譜といった資料も充実。2018年キネマ旬報映画本大賞第2位。