上映スケジュール | ラピュタ阿佐ヶ谷
9月20日(日) 〜26日(土)
1955年(S30)/東宝/白黒/81分
©TOHO CO.,LTD.
■原作:夏目漱石/脚色:八田尚之/撮影:玉井正夫/美術:北猛夫、清水喜代志/音楽:齊藤一郎/監督助手:川西正義 ■出演:山田眞二、八千草薫、笠智衆、土屋嘉男、江原達怡、岩崎加根子、平田昭彦、塩沢登代路
近代化する日本の煩悶を、熊本から上京した大学生の恋と生活に託した小説「三四郎」唯一の映画化。中川信夫にとっては『虞美人草』に次ぐ漱石作品で、撮影は右太プロ時代に多く組んだ玉井正夫。美禰子役の八千草薫が鮮烈な印象を残す。 ▲
上映スケジュール
9月23日(水) 〜27日(日)、29日(火)
1957年(S32)/新東宝/白黒/70分 ※16mm
©国際放映
■脚本:仲津勝義、武部弘道/撮影:西垣六郎/美術:岩武仙史/音楽:佐野日出男/助監督:勝俣眞喜治 ■出演:天城竜太郎、田崎潤、小笠原竜三郎、舟橋元、日比野恵子、丹波哲郎、芝田新、沼田曜一、藤木の実
敵は家康ただ一人!徳川に靡かず、豊臣方に忠誠を誓う真田一門、その悲壮で一途な抵抗の青春を描ききる隠れた逸品。唱歌を音楽に用いて、秘めたる心情が全篇を覆う。シンプルで豪快なトリック撮影も見逃せない忍術+合戦時代劇。 ▲
1961年(S36)/東映京都/カラー/95分
©東映
■脚本:橋本忍/撮影:三木滋人/照明:田中憲次/美術:桂長四郎/音楽:渡辺宙明 ■出演:市川右太衛門、中村賀津雄、河原崎長十郎、山村聡、桜町弘子、河原崎長一郎、水島道太郎、仲谷昇、柳永二郎、徳大寺伸、坂本武
将軍吉宗の御落胤を名乗る天一坊の前に現れた軍師・伊賀之亮。徳川幕府何するものぞ。一行は大阪、京都、そして江戸を目指す。叛逆とは人間の志であることを描破した「言葉と真実」の映画。抑制した右太衛門の演技も素晴らしい傑作。 ▲
9月27日(日)、29日(火) 〜10月3日(土)
1959年(S34)/新東宝/白黒/79分 ※16mm
■原作:尾崎士郎/脚本:杉本彰、中川信夫/撮影:西本正/美術:黒沢治安/音楽:小沢秀夫/助監督:石川義寛 ■出演:宇津井健、北沢典子、坂東好太郎、中村虎彦、舟橋元、小畑絹子、小林重四郎、江見俊太郎、林幹、高松政雄
物語は浅間山噴火と百姓一揆に動揺する故郷信州からはじまる──江戸後期最強の力士・雷電爲右衛門の恋と立身を描いた二部作。昨年3月に逝去した雷電役の宇津井健は、53年に中川監督の『思春の泉』で主演に抜擢されデビューしている。 ▲
1959年(S34)/新東宝/白黒/81分 ※16mm
■原作:尾崎士郎/脚本:杉本彰、中川信夫/撮影:西本正/美術:黒沢治安/音楽:小沢秀夫/助監督:石川義寛 ■出演:宇津井健、北沢典子、坂東好太郎、沼田曜一、小畑絹子、江見俊太郎、池内淳子、倉橋宏明、芝田新
蜀山人に命を救われた太郎吉とおきん。出世するまで会うまいと誓った二人を襲う運命の試練…そして。ラスト10分、北沢典子畢生の名演技。東富士や天竜、清水川らが特別出演し、追手風道場が相撲の指導にあたった意欲作。芸術祭参加作品。 ▲
9月30日(水) 〜10月6日(火)
1956年(S31)/宝塚映画/白黒/88分
■原作:北條秀司/脚本:笠原良三/撮影:岡崎宏三/美術:加藤雅俊/音楽:米山正夫/助監督:竹前吉重 ■出演:美空ひばり、中村扇雀、沖諒太郎、扇千景、浪花千栄子、柳永二郎、山茶花究、和田孝、堺駿二、竹屋みゆき
亡き妻の面影を慕う笛師・春方の前に助けた子狐の姉が現れて…。今昔物語集の一編に想を得た「狐と笛吹き」をレヴューの王様・白井鐵造が構成。宝塚歌劇団、宝塚新芸座も出演する幽爽な音楽劇となった。扇雀と交際前の扇千景が純情可憐。 ▲
1958年(S33)/新東宝/パートカラー/67分
■原作:橘外男/脚本:石川義寛、藤島二郎/撮影:西本正/美術:黒沢治安/音楽:渡辺宙明/助監督:石川義寛 ■出演:和田桂之助、中村龍三郎、北沢典子、五月藤江、芝田新、石川冷、細川俊夫、江島由里子、杉寛
結核療養中の妻を襲う謎の老婆。その因縁をたどり、舞台はモノクロームの現代から情趣ある色彩の化け猫時代劇へ。圧倒的な美術・撮影・照明のアンサンブルを得て、映画的暗示の技巧は頂点を極めている。ポオ的気配も漂う端麗な名品。 ▲
text by 長谷川康志(酒豆忌実行委員)