岡崎氏がいまも現役であり続けられるのは、その旺盛な好奇心、柔軟性、自分の腕でどんな画でも撮ってみせるというたくましい精神、それを裏付ける技術と経験、プラス、遊び心。自らを「雑草的なキャメラマン」と言う岡崎宏三の美学をみる。 作品解説 1 / 2 / 3 / 4 ※解説中の「」内は、2003年9月27日に録音した岡崎宏三の作品コメントになります。 |
トップページ スケジュール ラピュタ阿佐ヶ谷 |
最新作 アイ・ラヴ・ピース ★どこよりも早いロードショー 2003年 こぶしプロ 118分 カラー ■製作:「アイ・ラヴ・ピ−ス」製作上映委員会/監督:大澤豊/脚本:山本洋子、大澤豊/音楽:佐藤慶子/美術:春木章 ■出演:忍足亜希子、林泰文、アフィファ、三船美佳、宍戸開、山本圭、酒井和歌子 「32歳の気持ちで撮ってた」 主役の忍足さん演じる義肢装具士がアフガニスタンに行き、戦争で脚を失った少女を助けるというストーリー。アフガンの少女はアフィファという素人の少女。最終的には戦争による被害がいかに大きなものか、戦争をなくそうというのが作品のテーマになっている。 |
三十六人の乗客 1957年 東京映画 96分 白黒 ■製作:山崎喜暉/監督:杉江敏男/脚本:井手雅人、瀬川昌治/原作:有馬頼義/音楽:神津善行/美術:島康平、狩野健/録音:矢野口文雄/照明:下村一夫 ■出演:小泉博、淡路恵子、志村喬、扇千景 「俳優もスタッフもみんなバスに乗って撮影しながら草津まで行った」 三十六人の乗客の中に強盗犯人が紛れ込んでいる?!草津へ向かうバスの中でくり広げられるサスペンスドラマ。撮影は本物のバスを使って、オールロケで行われた。車掌役の元国土交通大臣・扇千景が若々しいのが魅力的。 |
仰げば尊し 1966年 東京映画 93分 カラー喜劇 ■製作:佐藤一郎、椎野英之/監督:渋谷実/脚本:松山善三/音楽:林光/美術:小島基司 ■出演:森繁久彌、野村昭子、佐々木愛、鈴木光枝、木村功、川口敦子、谷啓、三木のり平、市原悦子 「松竹には個性的な監督が多いけど、渋谷監督もその一人」 松竹を辞めた渋谷監督が東京映画でつくった作品。脚本は松竹の後輩、松山善三。四国のある島から、学校の校長が東京に出た教え子を訪ねる。教え子の変貌ぶりに嘆いたり、立派に生きる姿に喜んだり…。岡崎と渋谷監督とのコンビはこの作品一本のみ。 |
妻と女の間 1976年 東宝映画 111分 カラー ■製作:佐藤一郎、市川喜一、田中収/監督:豊田四郎、市川崑/脚本:八住利雄/撮影:岡崎宏三、長谷川清/音楽:佐藤勝/美術:村木忍 ■出演:三田佳子、大空真弓、酒井和歌子、仁科明子、梶芽衣子 「二人の監督、二人のキャメラマンでつくった作品。演出もキャメラも一切妥協なし」 瀬戸内晴美の同名小説の映画化。豊田四郎・市川崑という水と油のような二人が共同監督として一本のストーリーをつくり出し、演出方法もまったく異なる二人が撮った珍しい作品。三田佳子、大空真弓、酒井和歌子など女優の顔ぶれが豪華。 |
縞の背広の親分衆 1961年 東京映画 91分 カラー ■製作:佐藤一郎、金原文雄/監督:川島雄三/脚本:柳沢類寿/原作:八住利雄/音楽:松井八郎/美術:小島基司 ■出演:森繁久彌、フランキー堺、淡島千景、団令子、田浦正巳、桂小金治、藤間紫 「東京映画の名プロデューサーであった、滝村和男さんを偲んで撮った」 森繁とフランキーのハチャメチャぶりが楽しい、川島流娯楽映画。この映画がつくられる直前に亡くなった東京映画の名プロデューサー、滝村和男がいつも縞の背広を着ていたことから、このタイトルとなった。作中のいたるところに滝村追悼の意がみられる。 |
燃える秋 1978年 東宝映画=三越 137分 カラー ■製作:藤本真澄、佐藤正之、安武龍/監督:小林正樹/脚本:稲垣俊/音楽:武満徹/美術:村木忍 ■出演:真野響子、佐分利信、北大路欣也、小川真由実、上條恒彦、三田佳子 「こういうストーリーの作品は、小林さんにとっては挑戦だったとおもう」 三越デパートと東宝が資本を出し合ってつくった映画。最終的には女の自立を描いているが、ペルシャ絨毯という織物の美がストーリーに大きく影響する。イランでロケを行なったが、撮影が終わったその2カ月後に革命が起きたという、危険と隣合わせのロケだった。 |