岡崎宏三の軌跡 part2

 作品解説 1 / 2 / 3 / 4
トップページ
スケジュール
ラピュタ阿佐ヶ谷


暖簾 暖簾
1958年 宝塚映画 123分 白黒
■製作:滝村和男/監督:川島雄三/脚本:八住利雄、川島雄三/原作:山崎豊子/音楽:真鍋理一郎/美術:小島基司/録音:長岡憲治照明:下村一夫 ■出演:森繁久彌、頭師孝雄、山田五十鈴、小原新二

「川島さんと出会って、初めてコンビを組んだ作品」
ドタバタ喜劇が多かった川島・岡崎コンビの作品の中でも非常にシリアスな作品。川島監督は亡き父をイメージしてこの作品を撮ったという。父子二代を一人で演じた森繁、気の強い奥さん役がぴったりはまった山田五十鈴が魅力的。


無頼漢 無頼漢
1970年 東宝=にんじんくらぶ カラー
■製作:藤本真澄、若槻安重/監督:篠田正浩/脚本:寺山修司/原作:河竹黙阿弥/音楽:佐藤勝/美術:戸田重昌 ■出演:仲代達矢、岩下志麻、小沢昭一、丹波哲郎、渡辺文雄、米倉斉加年、市川翠扇

「こういう映画、私はほかに撮ってない」
監督・篠田正浩、脚本・寺山修司という異色コンビで「天衣紛上野初花」を映画化。名優やアクの強い俳優たちが、歌舞伎町のドロドロした極彩色の画面の中で活躍する。岡崎宏三のテクニックも加わり、一種独特な雰囲気の作品。


太平記 太平記
1963年 東京映画 110分 カラー
■製作:佐藤一郎、金原文雄/監督:豊田四郎/脚本:八住利雄/原作:谷崎潤一郎/音楽:團伊玖磨/美術:伊藤憙朔 ■出演:森繁久彌、淡島千景、団令子、乙羽信子、淡路恵子、池内淳子、中尾ミエ

「これだけの俳優を豊田演出でまとめているのが魅力」
原作者は谷崎潤一郎で、谷崎家の女中さんのエピソードを映画化した作品。女中役には個性豊かな俳優が揃い、演技の火花を散らしている。俳優の細かい演技や表情がこの映画のポイント。


無宿人御子神の丈吉 黄昏に閃光が飛んだ 無宿人御子神の丈吉 黄昏に閃光が飛んだ
1973年 東京映画 83分 カラー
■製作:奥田喜久丸/監督:池広一夫/脚本:永原秀一、池広一夫/原作:笹沢左保/音楽:渡辺岳夫/美術:小島基司 ■出演:原田芳雄、夏八木勲、安田道代、小川節子、鈴木瑞穂、石橋蓮司

「宮川さんの後を継ぐということでとても緊張した。だからあえて前作はみなかった」
アウトローのヤクザに扮した原田芳雄が演じる丈吉三部作のひとつ。岡崎は宮川一夫が担当した前の二作はあえてみずに撮影にのぞんだという。「宿人御子神の丈吉 牙は引き裂いた」とのキャメラワークのちがいに注目。


無宿人御子神の丈吉 牙は引き裂いた 宮川一夫撮影作品
無宿人御子神の丈吉 牙は引き裂いた
1972年 東京映画 88分 カラー
■製作:奥田喜久丸/監督:池広一夫/撮影:宮川一夫/脚本:石松愛弘/音楽:渡辺岳夫/美術:小島基司 ■出演:原田芳雄、中村敦夫、峰岸隆之介、松尾嘉代、北林早苗、内田良平

笹沢佐保原作の同名小説の映画化。日本の代表的なキャメラマン・宮川一夫が撮影。三部作のうち、宮川は二作を担当したが、最後の一作は岡崎宏三が撮影。なぜ、宮川が全三作を撮らなかったのか、その理由は不明。